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レザーカッターのレール直角度の修正(2015.05)
 

工房で活躍するレザーカッター、ヘッドブロックは縦横に配置された鋼製シャフトに沿ってワイヤー駆動されます。
その鋼製シャフトはキャビネット内に取り付けられたレールに固定されているので、シャフトはレールの取り付け精度に
影響され、結果ヘッドブロックの移動精度を左右します。
切断跡にスコヤなどを当ててみると、Y軸の原点付近に隙間があり正確な直角が出ていません。
本体正面から見て、上辺が左側に傾いた平行四辺形をしていることがわかります。
これまでの加工では、このずれを無視するか誤差範囲に取り込んで作業していました。
より正確で無駄のない加工を目指すために、修正を加えることにします。


 
不具合の確認
 
本来ならば左図のように、レール・シャフト・ヘッドブロックの移動方向はいずれも水平かつ垂直でなければなりません。
隙間が生じている位置からして、右図のように上辺が左側に傾いた平行四辺形に変形していることがわかります。
 
修正の方法
 
できればヘッドブロックの走行装置を取り外して分解し、精密に測定しながら再度組み立て直したいところです。
しかし、比較的大型のマシンなので作業量が多く時間もかかりそうです。作業の結果、逆に精度を落とす心配もあります。
レールは上下のX軸レールのみ、それぞれ2本のボルトで固定されているだけです。ボルト穴には多少の遊びがあるはずです。
上下X軸レールの固定ボルトを緩めて、ボルト穴の遊びの範囲内で平行四辺形を正確な長方形に戻す修正を加えます。
 
実際の修正作業
 
先に下側(手前側)X軸レールを修正します。本体正面のカバーを外すと、下から2本のボルト・ナットが見えます。
アクセスしやすくレンチをかけるのも簡単です。
 
  
ボルトが緩んでいるうちにレールを左方向に押さえつけ、ボルト穴の遊びいっぱいにずらした状態でボルトを締め付けます。
次に上側(奥側)X軸レールを修正します。ボルトの頭がすぐそこに見えていますが、ナットはハニカムプレートの下方にあります。
本体正面の開口部から腕を伸ばしてレンチをかけます。ボルトが緩んだら、クランプを使ってレールを右方向に押さえつけます。
 
 
下側レールと同様に、ボルト穴の遊びいっぱいに取り付け位置を修正してボルトを締め付けます。
当て材を付け直して13mmのオフセットで切断し、あらためてX・Y軸の直角を確認します。
曲尺(お世辞にも精度が良いとはいえない)では誤差が確認できない程度に改善されました。
 
 

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