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木製灯籠を作る その5(2020.9.5)


7月も月末近くとなり、月が明けるとお盆まで1週間しかありません。デッドラインが
視界に入ってきました。それでも、本体箱組みと屋根、台座も完成しているので
何とか納品は間に合いそうです。意外と手間がかかりそうな開き戸を作ります。

*記事のアップがかなり遅れていますが、実際には7~8月の製作事例です。
 

元の開き戸はとても繊細に作られています。
見合った材料としてセンの柾目材を使用します。

 

左右枠材の傾斜を測定します。
正確に再現したいものです。

 

傾斜角に合わせスライドソーで
材料端を斜めに切断します。

 

他端は現物合わせで
長さを決めます。

 

4本の枠材を用意します。上下枠の
両端も傾斜を付けて切断します。

 

左右枠材に包み接ぎ用の
切り欠きを加工します。

  

昇降盤の刃の高さを調整し、枠材の幅を僅かに
上回って目違いが生ずるよう切り込みます。

 

胴突鋸で横挽きして切り欠き
ます。角度は目検討です。

 

真面目に(丁寧に)作業しているので部品が素直に組み合い
ます。元の開き戸に見劣りしないよう、綺麗に細工を進めます。

 

包み接ぎ部に接着剤を入れ
ガラス定盤の上で固定します。

 

枠全体が平面を保つよう、
ウェイトを置いて押さえ付けます。

 

枠内に入れる格子を用意します。
センを細い角材に切り出します。

 

元の開き戸は左側に3本のみ格子が入っています。理由が
あるのでしょうが、勝手に解釈を変え横幅全体に入れます。

 

5本の格子を均等に配置するため、上下の
枠を6等分し桟の幅を正確に書き入れます。

 

格子を枠材にイモ付けするわけには行きません。
元の開き戸は溝を掘って埋め込んでいます。

 

そのような凝った細工を難なく取り込んでいる点が元の
灯籠の凄いところです。切れ味の良いカッターを試します。

 

切れ味は良くても薄刃のカッターは、
硬いセン材には通用しないようです。
 

平面に正確に切り込むことは出来ますが、
四角に彫り込む場面で力が入りません。
 

やはり彫刻刀の出番です。ホームセンターで
5mm幅の平刀(安物)を購入してきます。
 

#5000砥石で仕上げると、安物でも
そこそこの切れ味を出すことが出来ます。
 

カッターナイフと異なり刃先に力を加える
ことが出来るので、作業がはるかに捗ります。
 

溝の両側および奥を垂直
方向に切り込んでから、
 

底をさらいます。指物職人がほぞを
さくさく加工するような訳には行きません。
 

最後に両側と奥の垂直面を
綺麗かつ正確に仕上げます。
 

15分ほど格闘してやっと最初の溝が開きました。
上下で10個も同じ作業を繰り返さなければなりません。
 

最初の1個を彫り終えた時点でかなり気が引け、何か道具を工夫して簡単に溝加工
出来ないか考えるも、良い方法を思い付きません。諦め境地で作業を続け上段側の
5個を何とか彫り上げました。このような地道な作業をないがしろにしてはいけません。
 

溝の周囲を傷めないようマスキングし
下段側の残り5個を加工します。
 

我ながら最後まで良く頑張りました。
安直にイモ付けなどしなくて正解です。
 

現物合わせで格子を
必要な長さに切ります。
 

格子を溝に入れてみます。もう少し
溝がタイトでも良かったようです。
 

5本ともセットしてみます。枠内全体に格子が入っている
方が自然に見えるのですが、なぜ元は3本なのでしょう?
 

あらためて接着剤を
入れ固定します。
 

溝が少しルーズな分は接着剤が充填されて
丁度良いくらいです。所々隙間が残るので、
 

木工用パテを充てて慣らします。幸い
開き戸の裏側なので目立ちません。
 

パテの乾燥を待って
ペーパーをかけます。
 

左右枠材の上下端に目違いが出来ています。
目違い払いを行って面一に仕上げます。
 

ベルトサンダーに押し当てると
簡単に削り取られます。
 

目違い払いと同時に木口面が
綺麗に処理されています。
 

新しい開き戸が組み上がりました。白木製の神棚の作られ方に似ているように
思います。しかし、無垢の白木を一点も汚さず傷付けずに神棚まで仕上げる
工程は、想像するだけで気が遠くなります。開き戸1枚だけなので救われます。
 

本体と同様にウレタン塗料で
塗装し防水対策とします。
 

間口と開き戸の当たりを取るため、
裏側に取当たりを付けることにします。
 

箱組みを製作したシナ合板の端材から
戸当たりとなる枠を切り出します。
 

開き戸の裏側に収まり、かつ
本体間口の内側に嵌まります。
 

化粧の意味もあり、
塗装しておきます。
 

本体箱組み内部が黒で塗装済みなので
枠も同じく黒(艶消し)に塗装します。
 

枠を接着し本体に取り付けてみます。
箱組みの開口部よりひと回り大きくしました。
 

5本の格子が灯籠の内部と外部を
厳重に分けている印象を受けます。
 

開き戸の内側にも障子紙を入れます。
満月や三日月と同じ1mm厚プラ板です。
 

戸当たりの内側に嵌め込み
サイズを確認します。
 

ゴム系の接着剤を、枠材から
はみ出さないように塗り付けます。
 

プラ板の艶のある面を内側にします。艶の無い
面を表側にして光沢が出ないようにします。
 

プラ板の光沢が抑えられ、障子紙の雰囲気が出ています。センの白木と
風合いが良くマッチしていると思います。落ち着いた印象の開き戸です。
 

開き戸を本体に取り付ける
真鍮製丁番を用意します。
 

尖った角が何とも俗っぽい
ので、丸く成形します。
 

ネジ穴の外側ぎりぎりの
径で形を整えました。

 

出来れば工芸家具用の装飾金具を使いたい
ところですが、まぁまぁのクオリティでしょう。

 
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