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Picture Frame 絵画フレーム③

 
ご依頼があり製作した額縁です。木目の美しいタモ材を使用しています。工房のタモ材も
在庫が少なくなり、反り・狂いが小さく加工しやすい材料はほとんど使い果たしてしまい
ました。杢が集中した美しい板目材ほど反りや狂いが大きく出ます。木目と反り具合を
勘案して比較的状態の良いものを選び出し、このふた月ほどかけて矯正してきました。

 

板目材の木目が強く出た材料を左右縦方向の枠に
使用しています。元から末へ力強く杢が伸びます。
 

上下横方向の枠には、作品鑑賞の妨げに
ならないよう杢の大人しい材料を使用しています。
 

タモ材の内側・外側は、栓材により縁取りし
厚みを大きくすることでアクセントを持たせます。
 

大きめで重量のある額縁なので、枠組みが壊れないよう
厚めのケヤキ材簪(かんざし)を入れ補強してあります。
 
 
タモ材と栓材の地肌色の違いにより
着色後も微妙に明るさが異なります。
 

塗装は、ウォルナット色オイルステインによる地肌着色後、
着色剤定着のため先にクリアラッカースプレーを吹き、
 

その後、ウレタン樹脂塗料を刷毛塗りにて、数回重ね塗りしています。
タモ材・栓材ともに着色剤による木目の浮き出しが顕著で、特にオイル
ステインを布切れで拭き上げると、鮮やかな仕上りが期待できます。
 

背面側から、2mm厚アクリル板と
5mm厚MDF製背板を嵌め込みます。
 

背板を固定するトンボ金具です。金具が背板に
当たるよう、背板周囲に縁取りを回しています。
 
 
枠組み(留め)の接合にはタイトボンドを使用して
います。エポキシ樹脂接着剤の性能は今ひとつです。
 

タイトボンドの強固な接合力が、材料中に残る
僅かな歪みを強力に抑え込んでいます。
 

かなり重量のある重厚な印象の額縁となりました。タイトボンドと簪を使った接合により、
非常に剛性感の高い構造をしています。額縁の製作・修復は守谷工房へご依頼下さい。
 


大きさ・材質
・本体部分:590mm(横)×595mm(縦)×16mm(厚)、タモ・栓。
・内側部分:390mm(横)×395mm(縦)。
・背板部分:アクリル板(2mm)、MDF(5mm)。

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