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4足歩行ロボット(2018.5.12)

中学校技術科「エネルギー変換に関する技術」において、リンク機構に関する学習内容が
含まれています。リンクの名称を覚えたり、それらの基本動作を理解する学習は、概して
興味・関心を抱きにくくつまらない内容になりがちです。また、リンクを応用したロボコン用
作品のような「創造的な」ものづくりが奨励されがちですが、機械を理解するための全体的な
技術的知識に欠け、技術的技能つまり工作のスキルがほとんど伴わない状況下では、
「ものづくり」の体を為さない無残な学習風景が数多く見られます。リンクに関する最低限の
学習を基に、簡単なリンクを最大限活用して見せることのできる優れた教材が必要です。


技術科の教科書に例外なく取り上げられている「てこクランク機構」を最大限に利用し、
実際に4足歩行するロボットを開発・製作しました。完成品あるいは組み立てキットで
提供しますので、学習者が自ら設計・製作する創作的教材とはなり得ません。しかし、
歩行時の人の下肢(足)を注意深く観察し、その動きを取り入れ近似させるプロセスを
十分に学習してもらうことが可能です。「思い」や「願い」だけで、動作しない(動くはず
のない)無残な「ものづくりごっこ」に終わるのと、どちらが教育的に有益なのでしょうか。

 







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ロボット全体

同じく技術科用教材として開発したライントレースカーに続き、
アクリル材を加工することで本体や前後脚(リンク)を組み上げました。

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ロボット前面

特に前後脚を構成するリンク機構の製作では、接続(回転)部で揺動平面外方向への
剛性をいかに確保するかが課題です。剛性が不足すると、歩行の安定性が損なわれます。
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ロボット側面

中学生でも十分理解が可能な「てこクランク機構」を、歩行時の人の下肢(足)の
動きに近似させています。前後・左右で互いに180度位相を変えることで前進します。
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ロボット後面

常時4脚のうち2脚が接地し、残り2脚は持ち上げられていますます。下腿の
先端が「点」では自立できないので、自立を補助する棒材を取り付けてあります。
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ロボット上面

市販品の組み立てキットからモーター付きのギヤボックスを利用しています。
減速比を大きく取り、単3乾電池2本を搭載し電源を供給します(逆転可能)。
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ギヤボックス周囲

ギヤボックスの駆動軸をシャフトドライブユニットでも共用します。
アクスルによりシャフト方向を変換し、前脚にも動力を分配します。
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クランク駆動部分

前後脚とも駆動軸に、市販品を加工した金属製クランクアームを取り付けました。
下腿の中央部に接続され、リンク内で長さ6mmのクランクとして機能します。
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ロボット底面

乾電池ホルダーの取り付け位置を調整することで、本体の重心位置を。
中心部分に近付けます。走行性を安定させるために重要です。
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シャフトドライブ部

前後脚に駆動力を分配するため、市販のシャフトドライブユニットを利用しました。
ギヤユニットの駆動軸は例外なく1本なので、分配機構を加える必要があります。
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乾電池ホルダー・前後進スイッチ

乾電池ホルダーに付随する電源スイッチです。極性を切り替えられるので
簡単に前後進させられます。前進・後進とも走行特性は同等です。
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ロボット全景

前後2本の接地棒が、地面に平行四辺形を描きます。本体の重心位置が
平行四辺形の内側にあれば、ロボットは安定して自立していられます。
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ロボット全景

無用な装飾や有彩色による着色を排除し、学習教材として必要最低限の
機能のみを与えた4足歩行ロボットです。深くのめり込める教材を目指します。
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Movie1 4足歩行

机上での走行テストの様子です。滑りやすい走行面を確実に前進します。
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Movie2 正面から

走行方向の前方から見ています。接地棒がなす平行四辺形内に重心が入り安定しています。
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Movie3 側面から

側面方向からリンクの動作を観察します。機構的に本体の上下動を伴います。
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Movie4 リンク機構

手に持った状態でリンクの動作を観察しています。連結部の動き(揺動)が円滑です。
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