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DENON D-A03修理(2017.2.4)

DENON製CD・MDレシーバD-A03の修理依頼です。症状は「CDが聴けない・・」と
だけ伺っております。このところCDやカセットプレーヤ、ラジカセ類の修理を多く依頼され
ますが、周囲で見かけるほとんどのものが、どこか故障していてそのまま保管されている
ように思います。多くの場合、簡単なメンテで復活します。守谷工房にお問い合わせ下さい。
 

「ラピシア」の名称で2001年8月に発売、上下
するCDクリアドアなど洒落たデザインです。


スタイルが重視され、背面側の端子類も
引き込まれてフラット化が図られています。
 

先代のD-A3からモデルチェンジされた機種で、
現在もDENONのサイトに詳細が残っています。
 

CDが再生されないとのことなので、取りあえず
ピックアップのレンズをクリーニングしてみます。
 

CDをセットすると自動的に回転してTOCが表示され
ます。そして付属のリモコンで問題なく操作できます
 

しかし、本体の操作ボタンで操作すると
非常に反応しづらく、時に全く反応しません。
 

この本体上面に並ぶ操作ボタンに問題があるようです。
厄介なピックアップのトラブルではなくひと安心です。
 

操作ボタンにはマイクロスイッチが使われ、
その接点の劣化が進んでいるのでしょう。
 

本体の分解を進めます。ネジが多用され
全体的にがっしりと組み付けられています。
 

ネジを全て緩め筐体を前後に分離します。
隙間にドライバの先を入れこじ開けます。
 

まだネジが残っているのでは、と思わ
せるほど固く組み付けられています。
 

ネット上に同型機の分解例を見つけました。
ネジに加えシームテープが使われています。
 

両面テープによる接着を剝がすため、
時間をかけゆっくりこじ開けていきます。
 

ようやく隙間が広がり、
前後が分離してきました。
 

テープの粘着力をある程度挫くと、
後は一挙に分離していきます。
 

出力段のパワートランジスタと大きな放熱器が見えます。スピーカー
には左右とも8cmウーハーと2.5cmツィーターが使用されています。
 

やはり操作ボタンの正体はマイクロスイッチです。
スイッチユニットとしてネジ止めされています。
 

左右の固定ネジを緩めて
取り外そうとしますが・・
 

真下に広がる回路基板やドライブユニットに
阻まれ、とても取り出すことができません。
 

大がかりな作業になるので、できれば
避けたいのですが止む無く先に進みます。
 

大きな回路基板が外れました。コネクタに
よる多くの配線も、全て抜いておきます。
 

続いて、回路基板の下に位置するCDとMDの
ドライブユニットを取り外さなければなりません。
 

スイッチユニットの直下にある
固定ネジを左右とも緩めます。
 

ここまで作業した時点で・・、ドライブ類を取り外しても
スイッチユニットは簡単に外れないことに気づきました。
 

合体した操作ボタンモジュールとスイッチ基盤が、
不可逆的(一方向的)に本体に嵌め込まれています。
 

試しに、1個だけ独立している電源スイッチを無理に
取り出すと、操作ボタン基部が損傷してしまいます。
 

マイクロスイッチの交換ができても、操作
ボタンを破損させては結果はマイナスです。
 

完璧な修理にはなりませんが、潤滑剤を
注入してスイッチ接点の回復を図ります。
 

スイッチユニット部は隙間が限られており、潤滑剤スプレーのノズルが
ぎりぎり入る状態です。マイクロスイッチの頭部を狙い数回吹き付けます。
 

操作を繰り返すことで酸化膜形成部分に徐々に
潤滑剤が浸透し、接点が回復してきました。
 

本体を開けたついでに
内部をクリーニングします。
 

奥まったところに綿埃が
大量に集積しています。
 

アクリル製のCDスライドドアは、ステンレス製六角
ネジでスタイリッシュに固定されているのですが・・
 

錆が噴き出て外観を大きく損なって
います。取り外して研磨します。
 

上面を耐水ペーパーに押し当てて
丁寧に研磨し、錆を落とします。
 

軸部をドリルに咥えさせて
回転し、側面も研磨します。
 

取り外したアクリル製スライドドアです。
表面が汚れ隙間に埃が入り込んでいます。
 

円盤部を外して内側を清掃し、
コンパウンドで汚れを落とします。
 

光沢を取り戻したステンレス製六角ネジと、
クリアなアクリルドアが本来の印象を引き立てます。
 

付属のリモコンも問題を抱えていました。カバーの
爪が折れ、セロテープで留められていました。

 

接着剤で補修します。手前の小さな爪は
アクリルで自製して取り付けておきます。

 
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