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オーブンレンジ操作パネル(2016.03.18)

家庭用オーブンレンジの修理を承りました。システムキッチンに
ガスコンロとセットで取り付けられたHarman製ビルトインタイプです。
 

操作パネル上のスイッチの反応が鈍くなり、何度も押し直したり
他のスイッチで代用したりと、不便な思いをされてきたようです。
 

操作パネル内に組み込まれたスイッチ部品が劣化した
のだと思われます。修理できる可能性が十分あります。
 


上下を留めているネジ(8本)を緩め
パネルアセンブリを取り外します。
 

パネルの内側には制御チップを含め電子部品を実装
する基盤があり、コードで本体と接続されています。
 


フラットコネクタを抜くと、操作パネルを
本体から完全に分離することができます。
 

操作パネルのみ工房に持ち帰ってきま
した。パネルのメンテに取りかかります。
 

パネルを裏返して基板側からアクセスします。
4本の固定ネジを緩め、ツメを解放します。
 
 

基板がすんなり外れてきました。2枚の
基板がフラットコネクタで連結されています。
 


生活家電用にはタクトスイッチが多く用いられています。
キッチンなどの厳しい環境下では故障が頻発します。
 

基板に実装された状態でタクトスイッチの動作を確認
してみます。ほとんどが満足にON・OFFしません。
 


タクトスイッチの交換が必要です。まず、
クリーナで余分な半田を吸い取ります。
 

基板上のランドを破損すると後が厄介です。
ホールの内側が見えるまで半田を除去します。
 


脱落防止のためリードの先が軽く曲げられて
います。無理をせず丁寧に取り外します
 

劣化したタクトスイッチです。家電製品に多く用いられていますが、完全密閉型では
なく温度・湿度等の条件が厳しい環境下では、耐久性が高いとは言えません。
 

パネルのスイッチに用いられているのは
端子が2P(1回路)のタイプです。
 

工房の在庫は4P(1回路)のタイプです。無理して
10個以上も取り付けるのは避けるべきです。
 

今からパーツを調達すると、ご依頼主をお待たせし
迷惑がかかります。タクトスイッチの再生を考えます。
 

潤滑剤の中にしばらく浸します。完全密閉型では
ないことが幸いして、接点部分まで届きます。
 

浸潤を終えてからエアを吹き付けて
表面の余分な潤滑剤を除去します。
 

回路計を当ててON・OFFの具合を確認
します。接点(接触)が復活しています。
 

再生したタクトスイッチを基板に半田付け
し直し、基板をパネルに取り付けます。
 

長年のご使用で樹脂製操作パネルの
表面が曇り、美観が損なわれています。
 

樹脂専用のコンパウンドを使用し
表面を丁寧に研磨、汚れを落とします。
 

深い傷がほとんどついていないため、
研磨により新品時の光沢が戻ってきました。
 

全体に光沢が蘇り、Harmanのシックなデザインが映えます。
再度スイッチの動作を確認し、ご依頼先に向かいます。
 

オーブンレンジ本体に操作パネルを元通り組み付け
ます。スイッチを操作するとLEDが点灯します。
 

最も頻繁に使用される「スタート」スイッチ
です。OFFの状態からスイッチを押すと・・、
 

「ピッ」という電子音が鳴り、LEDが点灯して
ヒーターに電源が入り加熱が始まりました。
 

組み付けが終わった段階で再度全体を確認し、
ご依頼主様にも確認していただきます。
 

購入されてからまだ7・8年の製品です。タクトスイッチの劣化ごときで
買い換えを勧められるなど理不尽な話です。再生したスイッチはいずれ
同様の不具合が出そうですが、その時は予め2Pのタクトスイッチを
入手した上で修理に伺います。長く大切にお使い下さると幸いです。
 
 
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