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中継ボックス コネクタ交換(2017.1.27)

「センサーマット」なる介護用品があることを初めて知りました。床に敷いたマットが
体重を感知することで、人の移動を知らせてくれる装置です。センサーからの接続
ケーブルを中継ボックスに接続するコネクタが損傷し、その修理を依頼されました。
 

センサーからのケーブルを中継
ボックスに接続しているコネクタです。


コネクタを抜いてみますが、特に
問題があるようには思えません。
 

オス側のコネクタには、元々外周にリングが入れられて
おり、メス側にネジ固定できるようになっていました。
 

ネジ固定によりロックすることで、不用意にケーブルが
引張られコネクタが抜けることを防止しています。
 

オス側・メス側とも配線を全て切り離し、コネクタを取り外して分解して
みました。樹脂製ですが通信機用の堅牢な製品が使用されています。
 

秋葉原を歩き回り、ようやく同類の部品を探し当て
ました。メーカーから取り寄せると数千円します。
 

オス側の外周に固定用リングが入っています。
4P仕様ですが端子は2P分実装されています。
 

購入時点で分かっていましたが、メス側パネル取り付け部の
外径がかなり小さいです。他に選択肢がありませんでした。
 

その結果、中継ボックスの取り付け
穴に対してサイズが合いません。
 

コネクタの大部分が穴を通り抜けてしまい
ます。これではケースに固定出来ません。
 

取り付け穴が不必要に大きい分、
ワッシャを入れて解決することにします。
 

丁度良いワッシャなどあるはずがなく、
採寸の上ワンオフで製作します。
 

単に鍔部分を拡大するのではなく
隙間を埋める役割も持たせます。
 

鍔を拡大するワッシャ、隙間を埋める
ワッシャの2種類をCADにて設計します。
 

DXF形式にエクスポートし、レザー
カッターの制御ツールに渡します。
 

2mm厚のアクリル板を用意します。
必要な材料はほんの僅かです。
 

光軸の調整後、レザーカッターは
非常に調子良く稼働しています。
 

数十秒で切断が終わりました。とても
手作業で加工する気にはなれません。
 

アクリル板を持ち上げると部品がするりと抜けて
残ります。非常に綺麗に切断できています。
 

鍔を拡大するワッシャ(下側)と
隙間を埋めるワッシャ(上側)です。
 

保護紙を丁寧に剝がします。内周に直線
部分があるのはコネクタの回り止めです。
 

鍔拡大用のワッシャを入れます。
若干内周がきついようです。
 

続いて隙間を埋めるワッシャを入れ
ます。力を加えて押し込みます。
 

コネクタ側の準備が出来ました。これで元の
コネクタと同等の大きさ・形状になります。
 

中継ボックスの取り付け穴に差し
込んでみます。ぴったりのようです。
 

内部から配線を引き出して
端子に半田付けします。
 

ボックスの内側から樹脂
ナットを入れて固定します。
 

オス側コネクタにも
配線を半田付けします。
 

ケーブルが引っ張られた時に、半田付け部に
直接力が加わらないよう対策を考えます。
 

ケーブル被覆の上からビニル線を
巻き付け、瞬間接着剤で固定します。
 

このビニル線によるコブが
ストッパーとして機能します。
 

コブの上からコネクタの
カバーを被せます。
 

コネクタを差し込んだ後、外周のリングをメス側にねじ込むことで
両者がしっかりと連結され、不用意に抜けてしまうことが防止されます。

 
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