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BOSEプレーヤーCDピックアップ交換(2018.7.10)


近隣にお住いのご夫婦が、BOSEプレーヤーの修理においでになりました。
不具合は明解そのもの、「CDが全く再生されない」そうです。前面からの
スロットインローディング方式ですが、そもそもCDが吸い込まれて行きません。

 

背面を確認します。最小限の外部端子が
並びます。型番が見当たりません。

 

底面に型番シールが貼られています。
Wave Music System:AWRCCCです。

 

長くお使いになっているそうで、もし直ら
なければ廃棄する予定だったそうです。

 

CDプレーヤーのトラブルは、ほとんど
CDドライブ(ピックアップ)に原因があります。

 

底面から4本のネジを緩めると、
上側の本体カバーが潔く外れます。

 

内側の大部分はスピーカーシステムです。
BOSE独特の共鳴管が組み込まれています。

 

CDスロットの化粧カバーが
片方剥がれかけています。

 

先に補修します。取りあえず瞬間接着剤で、
後で両面テープでしっかり貼り直します。

 

2005年頃の製品なので、13年ほど
経っています。内部の埃を吸い取ります。

 

立派な電源トランスと、内部形状に
巧妙に合わせたヒートシンクが見えます。

 

外部端子の周囲は埃だらけです。カバーの
隙間に近く、埃が侵入しやすいのでしょう。

 
 
回路基板はスピーカーシステムを避けて
底面に張り付くように配置されています。

 

電源、スピーカー出力など
数本のケーブルを引き抜きます。

 

日本製品に見られる不必要に複雑な篏合
など皆無です。実に素直に分離してきます。

 

もう1本、CDドライブユニットの下から
伸びるフラットケーブルがあります。

 

本体前面に取り付けられている、LCD
ディスプレイの信号接続ケーブルです。

 

CDドライブユニットを取り外します。軟質ゴム製の
インシュレーターを介して置かれているだけです。

 

ドライブユニットの下面で、フラットケーブルが
2枚接続されています。慎重に引き抜きます。

 

CDドライブユニットを取り外した後、
狭い空間にも埃が入り込んでいます。

 

放置しておくと保温効果を発揮し、電子部品の
劣化を早めます。掃除機で吸い取ります。

 

CDピックアップは事実上消耗品と考えるべきです。通常の使用環境に対して、
レーザー発光部やレンズのサーボ機構はデリケート過ぎる設計です。レーザー
出力の調整により復旧する場合もありますが、感覚に頼る手作業は感心しません。

 

CDドライブユニット、できればピックアップユニットを
補修部品により交換します。部品型番を確認します。

 

BOSE社純正部品は高額ですが、
Amazonに互換部品があります。

 

根強い人気があり愛用されている → しかし故障が多い → 補修部品の需要がある
→ 低価格の互換部品が販売される → Amazonnで簡単に入手できる、ということです。

 

入手した補修用ピックアップを元のユニットと
比較します。ごく細部に相違がみられます。

 

ピックアップユニットを交換するには、
ドライブユニットを分解する必要があります。

 

固定ネジ(1本)を緩め、上側の
金属フレーム(カバー)を外します。

 

上側フレームを外した内側は2層構造になって
おり、固定ネジ1本で組み付けられています。

 

中間にある金属フレームは、CDディスクの
ローディングと位置決め機構を含みます。

 

CDディスクの位置決め(固定)を電磁式に行う
ため、底面側からケーブルが配線されています。

 

中間フレームが外れ、ようやくピックアップ
ユニットにアクセスできる状態になりました。

 

ピックアップユニットから出る制御信号用フラットケーブルは
既に抜かれています。モーター駆動用のケーブルも抜きます。

 

底面金属フレームからピックアップユニットを
外します。特殊なネジで固定されています。

 

振動を吸収するインシュレーターを介し、底面
フレームに柔らかく取り付けられています。

 

インシュレーターを通る受けネジは
底面フレームに圧着されています。

 

CDピックアップユニットが分離しました。
製造技術の粋ではありますが、用済みです。

 

交換用ユニットを用意します。新品では静電破壊防止の
ためフラットケーブルの一部が半田で短絡されています。

 

取り付ける前に、短絡を
解除しておく必要があります。

 

半田ごてを当て、溶けた
瞬間に半田を吸い取ります。

 

補修用部品にインシュレーターや固定ネジは
付属してこないので、元の部品を再利用します。

 

新しいユニットにインシュレーターをはめ込みます。
ピックアップの周辺に手を触れないよう留意します。

 

底面フレームに取り付けます。インシュレーターが
ユニットを固定し、かつ振動を絶妙に低減させます。

 

元のネジで3か所を固定します。ネジ頭が
インシュレーターを均等に押さえ付けます。

 

ここでCDディスクローディングの不具合を修理します。
このテーパー付きゴムローラーがディスクを引き込みます。

 

長年にわたり繰り返し動作してきたことで、ローラーの表面に
汚れが付着し、材質のゴムが劣化して粘着性を失っています。

 

ゴム用ケミカルで表面の汚れを
落とし、材質の復活を試みます。

 

煤のような汚れが落ちて
表面がしっとりしてきます。

 

かなり汚れが付着しています。ローラーを
回転させる機構には問題ないようです。

 

中間フレームを元に戻します。
正確に組み合わせます。

 

1か所だけ隅にあるネジを固定します。ディスク
ローディング用のマイクロモーターが見えます。

 

底面フレームの裏側で、ディスク固定用と
ピックアップ移動用のケーブルを接続します。

 

上側フレームを取り付けます。ほとんど
何の問題もなく順調に作業が進みます。

 

上側フレームも1か所のみ
ネジにより固定されます。

 

CDドライブユニットは、さらに4か所のインシュレーターを介して本体下側筐体に、
単に載せられているだけです。安定した音質を追及する設計の結果なのでしょう。

 

2枚のフラットケーブルを
元通りに接続します。

 

LCDディスプレイへ伸びる
フラットケーブルも接続します。

 

スピーカーシステムを元に戻し、電源および
スピーカー出力ケーブルを接続します。

 

ここでCDの再生テストを行います。問題なければ
その後で本体カバーを取り付けることにします。

 

ディスクがスムーズに吸い込まれ
トラック情報を読み取っています。

 

間もなく再生が開始されます。
トラックの選択も問題ありません。

 

独特のバックロードホーンを備えたスピーカーシステムから、BOSEらしい上質の
サウンドが再生されます。決して物理的な帯域特性に優れているわけでも、出力
歪が飛び抜けて小さいわけでもありません。Tivoli Audioに共通する、人の耳に
心地良い楽器的な要素が考慮されているのではないかと思います。修理完了です。

 
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