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美容室ヘアドライヤー修理再び(2018.7.24)


埼玉にある美容室から大変ご贔屓にしていただいております。昨年7月のヘアアイロン修理
10月のヘアドライヤー修理に続き、前回と同型のヘアドライヤー修理のご依頼です。美容室
での業務用々途なので、高性能の同型ヘアドライヤーを何本か使用されているようです。

 

風量切り替え用スライドスイッチを操作します。
問題なく動作しますが、スライドが重く感じます。

 

温風と冷風の切り替え用押しボタンスイッチです。操作
感がなく、温風が出続けて冷風に切り替わりません。

 

本体両側の空気取り入れ口です。
化粧グリルが嵌め込まれています。

 

4分の1回転させるとグリルが外れます。グリルの
下には埃が集積しています。後で取り除きます。

 

電源コードがかなり撚れています。多忙を極める
美容室でプロに酷使される様子を物語っています。

 

前回と全く同型なので分解は容易です。
グリップ部を固定するネジ2本を緩めます。

 

本体後方にハウジングを固定する
小ネジがあります。先に緩めます。

 

吹き出し円筒を固定する小ネジです。
多くのドライヤーに共通する構造です。

 

吹き出し円筒を引き抜きます。
中に遮熱用耐熱紙筒が見えます。

 

紙筒も引き抜くとヒーターユニットが
現れます。高出力大容量のヒーターです。

 

電熱線の状態を点検します。特に腐食もなく
また髪の毛や埃などの付着もないようです。

 

本体左右のウジングを分離します。
ツメによる簡単な篏合構造です。

 

大風量が特徴のシロッコファンです。
羽根にほとんど埃が付着していません。

 

グリップ内の限られた空間に精巧な
制御回路が組み込まれています。

 

よく見るとグリップ内にかなりの埃が入り込んでいます。
温風・冷風切り替えスイッチの奥側に埃の塊があります。

 

電源コード接続部の付近には、
短い毛髪が入り込んでいます。

 

取りあえず掃除機で、入り込んだ
埃や毛髪を徹底的に吸い取ります。

 

スライドスイッチ・押しボタンスイッチともに、埃の侵入は厄介な問題を引き起こし
がちです。ここで使用されているスイッチは、いずれも密閉型ではありません。

 

さらによく見ると、電源コードの基板接続部にランドの
浮き上がりがあります。修理歴があるのでしょうか。

 

一瞬、以前に工房で修理したものか・・、との思いがよぎり
ましたが、記録写真と照合すると別のヘアアイロンです。

 

配線パターンのレジストを少し剥がし、半田付けの範囲を広げながら、
かつランドの浮き上がりを押さえ付けた状態で半田付けし直します。

 

スイッチの機械的動作を改善しなければなり
ません。スイッチ操作カバーを取り外します。

 

この状態でもスライドが重たいままです。
シリコンスプレーを吹いて滑りを改善します。

 

押しボタンスイッチは、周囲の埃を取り除いた
時点で動作がほとんど回復していたようです。

 

こちらも軽くシリコンスプレーを
吹いて動作を改善します。

 

スライドスイッチの動作がかなり滑らかになりました。また、押しボタン
スイッチはON・OFFのクリック感が戻りました。問題なく機能します。
 

動作に関する修理が簡単だった分、
クリーニングに時間をかけます。

 

スライドスイッチの操作カバーは、滑り止めの
溝に汚れが溜まっていました。綺麗にします。

 

篏合構造の溝部分にも汚れが入り込んでいます。
分解しないと完全に取り除くことは困難です。

 

ウェスを入れて汚れを
完全に取り除きます。

 

本体ハウジングを元通りに組み立てます。
篏合がパチッと音を立てて合体します。

 

吹き出し円筒を取り付けます。ヒーター
ユニットを正確な位置に収めます。

 

油性の化粧品や着色料は、樹脂材料を僅かに侵食します。浸食による
汚れは洗剤では落とすことができず、樹脂用コンパウンドを使用します。

 

取り外しておいた空気取り入れ口のグリルと
中のパンチングメタルです。埃を吸い取ります。

 

パンチングメタル表面に汚れの
痕がくっきりと残っています。

 

洗剤を使用して落とします。
元の白色が蘇りました。

 

化粧グリルも洗剤をかけて汚れを
落とします。綺麗になりました。

 

パンチングメタルを嵌め込み、
化粧グリルを取り付けます。

 

もうひと仕事、よれよれの電源コードを真っ直ぐな
状態に矯正します。続けて洗剤で汚れを落とします。

 

午前中にヘアドライヤーが工房に到着し、直後に修理作業を行い、
夕方にはご依頼主に返送します。最速の即日修理となりました。

 
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