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剪定鋏刃研ぎ(2018.1.2)


何の手入れもせず長年使ってきた剪定鋏です。自宅裏山に笹が茂り朝方に
日光が遮られて室温が上がらず、この剪定鋏を手に刈り込みに出かけました。

 

切れ味が落ちているどころではありません。
枯れて木竹化した笹の茎には「刃」が立ちません。

 

力尽くで刈り込んできたものの、
引き換えに酷い筋肉痛です。

 

刃先を正面にかざすと、刃先ではなく「刃先」が見えます。剪定鋏を瞬間的に強く閉じることで、
衝撃により笹が剪断され何とか刈り込めるわけです。この刃先では笹に切り込んで行けません。

 

こういうことなのだろうと思います。金属の
シャーリングのような切れ方をしています。
 

刃先が鋭利であれば、材料中に
切れ込むことで切断抵抗が低減します。

 

膝元にある道具の手入れを全く怠っておりました。
野良用の刃物には荒い鎌砥石を使用しますが、

 

今は高性能のダイヤモンド砥石があります。
先に150番の面で錆落としから始めます。

 

自宅での作業なので、万力をはじめ固定具が何もあり
ません。キッチンシンクに手で押さえ付けて作業します。

 

木製取手が長いため、砥石を固定して剪定鋏を前後
させることが出来ません。砥石を持って動かします。

 

みるみる錆が落ちて地金の
金属光沢が見えてきます。

 

先端までほぼ錆が落ちました。さらに研ぎ
進めて刃先を作らなければなりません。

 

150番では研ぎが荒すぎて刃返りが残りません。手触りや
目視により、刃先面が解消して刃先になっていることを確認します

 

切れ味を出すため反対側の
600番に持ち替えます。

 

600番で新たに研ぐのではなく、
150番の傷を消すつもりで研ぎます。

 

刃裏の状態もよろしくありません。刃先の錆を
落とし地金の光沢が見える状態にします。

 

刃裏は中ほどが軽く抉られているので、刃先と
背側に砥石を渡し平面を保った状態で研磨します。

 

切れ味を上げるには1000番の中砥石で仕上げたいところですが、
この時点で既に以前とは比べようがない切れ味に到達しています。
裏山の笹はまだ残っており、当分乱暴な作業が続きそうなので
この状態で前線に復帰させます。錆止めを吹いて作業終了です。

 
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