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ディスポーザー不具合修理(2018.2.17)


不動産管理会社から、マンションのキッチンに備え付けられているディスポーザー
不具合の連絡がありました。既に製造会社にも連絡されたそうで、使用年数のみ
の判断で修理費用3万円、点検に来るだけで1万円程度かかるとの回答です。

 

万一、製品寿命や修理不能の場合、交換費用と本体価格を合わせると10万円を
超える製品です。環境汚染への影響が憂慮されるも高額な装置です。シンクの
下を覗き込み本体の全貌を把握します。テラル社製、アクラルシリーズの少人数
家庭用、低容量のタイプです。工房にとってディスポーザーは初めての修理です。

 

動作確認してみます。回転を始めると本体から異常な振動が
発生します。振動はシンクに伝わり、全体が大きな音を立てます。

 

高速で回転するディスクの上に2枚の粉砕刃が取り付けられて
おり、各々自在に回転します。が、その一方が固着しています。

  

投入口からの作業では不具合個所に十分アクセス
出来そうにありません。本体を取り外すことにします。

 

ディスポーザーへの給水バルブおよび
給水栓へのバルブを全て締め切ります。

 

本体手前に固定されている
制御ボックスを取り外します。

 

本体は、防振を兼ねたゴム製ジョイントを介して
投入口(シンク排水口)に接続されています。

 

本体を降ろすと同時に排水パイプも抜きます。パイプ
接続部に貼られているシールは「開封厳禁」、だそうです。

 

制御ボックスを開けると制御基板が内蔵されています。
接続されているケーブルを全てコネクタごと抜きます。

 

これで本体が解放され、シンク内に
場所を移してじっくりと作業します。

 

大きく上下に分割された鋳物製の筐体が
6本のボルトで強固に合体されています。
 
 
粉砕刃は間近に見えていますが、筐体を分解しないと
投入口の面積は取り外す前と変わりありません。

 

ボックスレンチを使用してボルトを全て緩めます。
筐体表面の硬い塗装が一部剥がれ手に刺さります。

 

この2枚の粉砕刃が、高速回転するディスク上で共に回転し、周囲に規則正しく
刻まれた溝との間に残渣を挟み込み、遠心力と衝撃で粉砕する機構です。1枚は
軽く回転しますが、もう1枚は強烈に固着しており手で押してもびくともしません。

 

玄能で叩いてみます。あっけなく固着が解けました。よほど
固着性の高い油分のようなもので張り付いていたようです。

 

固着は解けたものの回転がスムーズではありません。
摺動面に残る固着物を丁寧に削り落とします。

 

ディスクの下はブラシレスモーターがあるだけで、
モーターは正常に回転しており他に問題はなさそうです。

 

本体をお預かりすることは迷惑になるので避けたいもの
です。いったん元通りに組み上げて動作を確認します。

 

ディスポーザーは投入口に蓋を嵌め込み、蓋を45度ほどひねると
粉砕シーケンスが開始されます。写真はディスクが十分回転した後、
蓋を外して惰性で回っている状態を撮影しています。問題は解決しました。

 

最終的な動作試験として、ご依頼主様から
バナナの皮をいただいて投入してみます。

 

問題なく処理されました。ところで、蓋を外すとディスクの
回転にブレーキがかかる機能があって欲しいものです。

 
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