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車椅子ブレーキハンドル修理(2017.9.1)


高齢者施設で利用されている車椅子です。携行や折りたたみの必要がないため、
スチール製の部品で組み立てられ、座面や背もたれにはしっかりしたクッションが取り
付けられています。かなり重量がありますが、走行安定性が高く座り心地も良好です。

 

介助者が背面から操作するブレーキハンドルが、写真の通り破損し脱落して
います。ブレーキが使用できず、この車椅子は長い間使われずにいたそうです。



本来ならばこのような位置関係で
ハンドルが取り付けられています。

 

ハンドルの回転により、右端に取り付けられた
ワイヤーが引き上げられ、ブレーキを作動させます。

 

しかし、ワイヤーの取り付け位置が不自然です。
背もたれの隙間を出ると大きく曲げられます。

 

左端は取り付けに必要なネジ類が全て
紛失しており、保持しようがありません。

 

施設内に同型の車椅子があると
聞き、見せてもらうことにしました。

 

右端はこのように組み付けられています。ワイヤー
端のリングは固定ネジの右側にセットされています。

 

補助プレートが2本のボルトで固定され、ハンドル
先端に埋め込まれた金属ピンを軸に回転します。

 

左端の組み付け状況です。ボルトを延ばして回転軸に
しています。あり合わせのネジで修理されているようです。

 

不足している部品を用意します。ハンドル左端の回転軸にするヘキサゴンボルト、袋ナット、
つば付きナット。右端の補助プレートを固定するヘキサゴンボルト、バネワッシャなどです。

 

補助プレートを取り付けます。ワイヤーの引き込み
位置補正のため、本体ステー右側に変更します。

 

紛失していたもう1本の
ヘキサゴンボルトを追加します。

 

介護用品は安全性と堅牢性が極めて重要です。
六角レンチを入れて十分にトルクをかけます。

 

ハンドル右端の回転軸となるピンが、
奥で折れたのか抜けてきます。

 

現場対応ではスポット溶接などとても用意できない
ので、次善策としてエポキシ接着剤を使用します。

 

ピンが埋め込まれていた穴に
奥まで接着剤を入れます。

 

ハンドル左端で左右に動かない固定方法を
とるので、ピンを抜く方向に力は加わりません。

 

実用強度に達するまで
接着剤の固化を待ちます。

 

ハンドル左端の組み付けを修復します。
70mmのヘキサゴンボルトを通します。

 

本体ステーに入る手前で、ステーに
向かってつば付きナットを入れます。

 

ステーを左側に出る長さを
調整し、袋ナットを入れます。

 

スパナと六角レンチで強烈に締め付けます。
ボルトの頭側も剛性的にステーと一体化します。

 

接着剤が固化したので、続いて
ハンドル右端を組み付けます。

 

こちらも袋ナットを強烈に締め込みます。ナットの
奥行き一杯に締めて、僅かに隙が残ります。

 

市販部品を使ってほぼ原状通りに修復することができました。ネジを十分
締め付けるなど確実な作業を心掛けながらも、作業自体は簡単なものでした。

 

簡単な作業でしたが、職員の方は大変喜んで下さいます。最近の車椅子は軽量で
高性能で折りたたむこともできますが、どっしりとして安定感のあるこのような
旧型が使い良いのだそうです。最後に可動部全体に注油して作業を終えます。

 
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