守谷工房のリペア3へ                守谷工房Topへ

BOSEプレーヤーSMDキャパシタの不良2(2019.3.14)


海外サイトで見つけたBOSEプレーヤーWMSの修理記事は、メイン基板に使用
されている中国製低品質SMDキャパシタ(コンデンサ)の劣化が、動作不良の
原因であることを指摘しています。2枚の基板上にある全SMD(40個)の交換が
必要とされていますが、CPU基板側に不具合があることが分かっており、作業上の
リスクも考慮した結果、部分的・段階的に交換作業を進めています。CPU基板の
金属板によりシールドされた部分を除き、他のSMDの交換を終えた段階で、まだ
不具合は解消されていません。気は進みませんが、内部の部品交換に挑みます。

 

シールドの金属カバーを取り外します。CPUを含む
デジタル回路から生じるノイズを遮断しています。

 

シールド部分の内部です。左側のLSIが制御用
プロセッサでしょう。6個のSMDが含まれます。

 

デバイスの不良が不具合の原因となっている
ことを確認するため、パーツを冷却してみます。
 

不良が疑われるSMDに冷却スプレーを吹きかけて
みます。モードの切替が完全に機能しなくなります。

 

逆にヘアドライヤーを使用して
パーツを温めてみます。

 

不安定さは残るものの、何とかモード切替やCD再生が
できるようになります。SMDの不良が明らかです。

 

チップ部品が密集する中、サイズの
大きい100μFから取り外してみます。

 

引きちぎった後、配線パターンの
半田面を綺麗に整えます。
 

半田をごく少量盛り付けて、新しい
コンデンサの取り付けに備えます。

 

普通のアルミ電解コンデンサを
横に寝せた状態で取り付けます。

 

品質に問題のないSMDに交換することも可能
ですが、手作業による半田付けは困難です。

 

コンデンサの頭がシールドケースの
高さを超えていないか確認します。

 

ここでも動作を確認してみます。
まだ不具合が解消しません。

 

記事にあった通り、本当にSMD不良が
不具合の原因なのか不安がよぎります。

 

次に、ペアで取り付けられている
10μF16Vコンデンサを交換します。

 

ケミコンのサイズが小さく、周囲にスペースが
あるので簡単に取り付けることができます。

 

右上に取り付けられている47μF6Vを取り
外します。押さえ付けた状態でひねります。

 

以前は、先を細く加工した半田ごてで半田を溶かして
外していましたが、この方法は安全かつ確実です。

 

新しいアルミ電解コンデンサに交換します。
取り付けスペースに問題はありません。

 

再び動作を確認します。リモコンの信号を受信して
いますが、まだ動作が不安定です。もう後がありません。

 

残るは最後の22μF6Vだけです。この2個が
不具合の原因である確率は・・かなり低いです。

 

もしこれで不具合が解消しなかったら、既にメーカー修理の
道も途絶え、ご依頼主に何とお詫び申し上げたら良いのか。

 

しかし、現時点で打てる手は全て打ちました。結局、CPU基板上のSMDコンデンサは
全て新しいケミコンに交換されました。これで不具合が解消しなければ、作業は振り出しに
戻ります。ここまでのめり込み、実際に手を加えてしまった以上、1から原因を探り直します。

 

CPU基板から取り外されたSMDです。潰れて
いるので劣化の有無を確認することはできません。

 

シールドの金属カバーを
元通りに被せます。

 

CDドライブユニットも
取り付けます。

 

電源を入れてみます。モード切替を操作すると、
まずラジオ受信のモードにすんなり切り替わります。

 

次にAUX入力に切り替えてみます。
問題ありません、再起動は起こりません。

 

そして、CD再生に切り替えてみます。BOSEプレーヤーの
致命的な不具合が解決しました。安定して切り替わります。

 

ピックアップユニットに問題がなければCDは正常に
再生するはずです。スピーカーユニットを取り付けます。

 

表示部をスピーカーユニット
前面に取り付けます。

 

あらためてCDを再生してみます。TOCを読み込むと間もなく再生が始まります。
非常に安定した再生です。シーク音は全く聞こえてきません。トラックの移動も
全くスムーズです。BOSEらしいパワフルでかつ品のある再生音が響きます。
不具合の直接原因は、最後に交換した「2個の22μF6Vコンデンサ」ということに
なります。このSMDの劣化が、リモコンによる操作の不具合、およびCDドライブの
サーボ制御不良をもたらしていたといえます。BOSE社の製造欠陥となりましょう。

 

工房内の他のBOSEプレーヤーも一挙に修理を
進めます。これ以上お客様をお待たせできません。

 

ところで、このグレーメタリックの1台は
後から発売された新型で新色のようです。

 

スピーカーコードの保護材が、変質しそうに
ない新しい材料に変更されています。

 

表示基板の上辺に、本体カバーとアースを取る
金属クリップのような部品が追加されています。

 

製品プレートを確認するとWAVE music system Ⅲです。
この1台はピックアップユニット交換だけで修理完了です。

 

試しにCPU基板、および金属
シールド内部を確認してみます。

 

不具合の直接原因と目される、最後に交換した2個の22μF6Vコンデンサが
無くなっています。周辺の回路が設計変更されています。何故変更されたか?
この2個のSMDが致命的な不具合を引き起こすことが明らかだからです。日本は
おろか世界中で販売された高名なBOSEプレーヤーが、世界中で同じトラブルを
巻き起こした結果、マイナーチェンジにより基板の設計が変更されたのでしょう。

 

BOSE社自身が製品の欠陥を認めた動かぬ証拠です。BOSE社は明らかに欠陥のある
製品に対して何ら購入者に救済措置を採っていません。工房から直営店に確認したところ
修理は有償で、一律19440円(税込み)に送料が加わるとのことです。担当者の対応は
非常に親切で丁寧でしたが、そうではなくてBOSE社は無償で修理に応ずるべきです。

 
守谷工房のリペア3へ                守谷工房Topへ