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コイルスプリングの組み戻し(2019.1.17)


しばらく前から各地の美容室よりヘアアイロン修理のご依頼が続いております。
今回は神宮前にあるトレンディな美容室まで、ヘアアイロン2台を引き取りに
出向いて参りました。美容師さんたちがお使いになるプロ仕様の道具です。

 

2台とも電源が付いたり切れたりするそうです。
いつものようにコードの内部断線のようです。

 

電源コードの本体付け根部分を動かすと
一時的に付きます。修理は楽勝のはず・・です。

 

メーカーが異なってもヘアアイロンのアーム
構造はほぼ同じです。キャップを外します。
 

キャップ内に上下アームを連結する
ピンと固定ネジが隠れています。

 

ピン・ネジとも外します。使用時にネジが
緩まないよう固く締め込まれています。

 

アームを引き離すと、バチッと音がして
内部のコイルスプリングが勝手に外れました。

 

アームを開いた状態に保つスプリングなので、
本体から外れると解放状態に戻ってしまいます。

 

電源コードが接続されている側のアームをさらに
左右に分解し、コードの接続部分を引き出します。

 

電源コードと内部配線の接続部を
覆う保護チューブを取り除きます。

 

半田ごてを当て半田による
接続を切り離します。

 

電源コードの保護カバーを引き抜きます。幸い
モールド成型ではないので簡単に抜けます。

 

内部断線している部分を
多少余裕をみて切断します。

 

保護カバーはそのまま再利用します。
コードがすんなり通れば良いのですが・・

 

保護カバーは電源コードの被覆と別個に
成型されているので、簡単に通ります。

 

電源コードの先端を処理します。5mm
程度被覆を取り去り、半田上げします。

 

先に熱収縮チューブを入れて
から、半田付けで接続します。

 

元々製品が採用していた
接続方法と全く同じです。

 

熱収縮チューブを被せ、熱を加えて
接続部の周りに密着させます。

 

ここでいったん動作確認を行います。問題なく通電しており、コードを動かしても切れる
ことはありません。いつもはここで作業の90%が終了し、本体を組み付けるだけです。

 

分解する時に大きな音を立てて開放状態に
戻ったスプリングです。見るからに硬そうです。

 

スプリングを組み込みアームを重ねます。ドライバーの
先でスプリングを引き寄せるも、この位置が限界です。

 

ドライバーを交換し力を込めても、この位置まで移動させるのがやっとです。
力を抜くとスプリングの先は一瞬で元に戻ってしまいます。本来は左側に
あるツメを乗り越えて、写真中矢印のある位置に掛けなければなりません。

 

スプリングを掛けるため、ドライバーやラジオペンチを使うも失敗すること数十回。
製造段階では特殊な冶具を使って組み立てているようです。そこで、スプリングを
縮めてくる途中にシャフトを通し、いったんこの位置でスプリングを支えます。

 

大き目のマイナスドライバーに持ち替え、満身の力を込めてツメの山を乗り越え
させます。スプリング端が外れると、ドライバーの先で手を怪我しかねません。

 

ツメの表面が傷だらけになりましたが、何とかスプリングが掛かりました。
強烈な弾力により、ストッパー代わりのシャフトが途中まで折れ曲がっています。

 

1台は差し込みプラグの根元にも
コードの内部断線があります。

 

交換用の差し込みプラグに付け
替えます。圧着端子を使用します。
 

こちらも電源の接続不良が
完全に解消されました。

 

再度、通電確認とアイロン面の温度上昇も
確認します。2台とも修理完了です。

 
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