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ヘアアイロン外装の修復(2018.11.3)


既に何台も修理しているヘアアイロンです。今回は発熱機能には
不具合がないものの、本体外装のクロスが傷み部分的に剥がれて
出しています。守谷工房で何とか修復できないかとのご依頼です。

 

皮革のようなフェルトのような、材質は不明ですが
発熱部の外側を覆うクロスがかなり傷んでいます。

 

全体的に擦り切れかかり、変色も進んでいます。
元のクロスを全て取り除く必要があります。

 

既に接着剤が固化しており、手で剥がせる状態ではあり
ません。カッターナイフを使い削り取るように剥がします。
 

接着力が失われている部分は割と
大きな破片で剥がれてきますが・・、

 

どうしてもクロスの下地が残ります。プラスチック片を
スクレーパー代わりにして、少しずつ削り落とします。

 

クロス片を取り除いても、固着した
接着剤跡がまだ残っています。

 

ウェスに溶剤を含ませ、残った
接着剤を溶かしながら取り除きます。

 

あまり気は進みませんが、手っ取り早さで
アセトンを使います。みるみる落ちていきます。

 

綺麗になりました。本体の左右カバー間に隙間があります。固定ネジが
脱落し組み付けがずれたためです。補修作業の前に調整します。

 

補修用のクロスに何を使用すべきか、見当が付きません。
美観、肌触りに加え、かなりの耐熱性が要求されます。

 

発熱部表面の最高温度は180℃程度です。
入手可能な範囲から、天然皮革を試してみます。

 

天然皮革の耐熱温度は120℃ほど、ぎりぎりでしょうか。
接着剤にはそれ以上の耐熱性能が要求されます。

 

市販接着剤で耐熱性を謳っているのはセメダイン社スーパーX
です。本体とクロスの両方に薄く塗り付け、しばらく放置します。

 

指にべとつかない程度に乾燥させ、一挙に貼り付けます。
強い粘着力を生かし、本体の曲面形状に馴染ませます。

 

周囲にはみ出た部分を、カッター
ナイフと鋏で丁寧に切り取ります。

 

接着剤を完全に固化させるため1昼夜ほど放置します。その後、180℃で10分間
程度の通電テストを行ったところ、特に異常は見られませんでした。本体外装側の
到達温度は、180℃よりもかなり低いようです。ただし、長時間・長期間にわたる
実使用に耐えるかどうかは分かりません。美観・肌触り的には悪くないと思います。

 

ヒンジ部分の化粧キャップが、片側脱落しています。
外装修復のご依頼なので、ここも何とかします。

 

残っている側のキャップ形状を計測し、
CADでデータ化、3Dプリンターに送ります。

 

それらしい(無いよりもマシ程度)
形状のキャップが出力されました。

 

プラサフを吹いて成形痕をある程度
(無いよりもマシ程度)潰します。

 

艶消し黒を吹いてそれなりに
本体色に馴染ませます。

 

取り付けも両面テープで
簡単に接着しただけです。

 

もう一つ気になる点は、手元リモコンに
巻き付けられ劣化したセロハンテープです。

 

使用中に設定が動いてしまうためテープで固定して
いるそうです。取りあえず古いテープを除去します。

 

電源スイッチと温度調整ツマミを
固定するカバーをデザインします。

 

1mm厚のアクリル板から
パーツを切り出します。

 

電源スイッチ、温度調整ツマミとも
設定位置に切り抜きが一致します。

 

先日導入・使用開始したアクリル折り曲げ機です。
両側に飛び出た耳の部分を下方に折り曲げます。

 

内側に若干入り込むよう
やや鋭角に折り曲げます。

 

両側の耳を折り曲げたところで
リモコンに取り付けて確認します。

 

耳の先端近くをさらに内側に折りこみ、カバーが
自分でリモコンを抱きかかえるように調整します。

 

上手く嵌まりました、しかも脱着も
簡単です。保護シートを剥がします。

 

電源スイッチON、温度調整ツマミ180℃に固定するアクリルカバーの完成です。
本体外装のクロスに戻り、皮革による修復が有効か否かは、ご依頼主に実際に
使用してもらって判断をいただくしかありません。後日、耐熱フェルトやスパッタ
シートの市販品を見つけるも、厚みやあまりの価格に折り合いが付きません。

 
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