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PC液晶パネル交換&扇風機首振り修理(2018.10.10)


先週中頃に市内の老人ホームに出向き、ノートPCの液晶パネル交換修理、
続いて翌日はデイケア施設に出向いて、浴室で使用している大型扇風機の
首振り機構を修理してきました。いずれも現場での作業対応となりました。

 

まず、老人ホーム事務室で使用されている、
職員用ノートPCです。液晶パネルが壊れています。

 

画面の下4分の1辺りに水平方向に走る帯状の陰があり、
途中にその元となる楕円形の損傷が4か所あります。

 

何か固いものをぶつけたか、キーボード上に何かを
置いたままパネルを閉じたのではないでしょうか。
 

衝撃によりガラス製の透明電極が割れ、封入されていた
LCMが漏れ出して黒いシミを作ります。グリルを外します。

 

液晶パネルを外側カバーに固定している
フレームです。周囲の固定ネジを緩めます。

 

パネルの背面側に接続ケーブルがあります。
パネルを手前側に倒すと作業が容易です。

 

背面下部にケーブルが接続されています。標準的な
極薄フラットコネクタです。透明テープで保護されています。

 

透明テープを慎重に剥がし、フラット
コネクタを水平に引いて抜き取ります。

 

ノートPC機種はLenovo製G500、Core i5-3230M搭載の
堅実な事務室用機です。2013年発売、Win8-64bit版。

 

G500交換用液晶パネルは、ネット通販等で
簡単に入手できます。価格はピンキリです。

 

あまり安価なものはコントラストや発色が今ひとつで、中でも納期が遅い
製品は国内に在庫がなく、つまり売れ筋ではないということです。また万一
不良品だった場合のことを考え、返品・交換が容易な販売元を探します。

 

パネルの交換作業は簡単なものです。ネット上に作業
手順を説明する動画もあります(危なっかしいものもあり)。

 

パネルを大まかに固定した時点で、表面の保護シートを
剥がします。できるだけ手垢を付着させないようにします。

 

作業完了です。元の液晶パネルより発色が良いように思います。最近はタブレットPCや
スマートフォンを中心に、損傷したパネルの交換サービスが広まっています。パネルを
破損するトラブルが日常化してきたのでしょう。以前のように高額ではなくなりましたが、
それでも2~3万円のようです。是非、守谷工房にもお見積もりをご依頼下さい。

*カメラを持参し損なったため、携帯のカメラにて撮影しました(画質に難あり)。

 

翌日、同じく市内のデイケア施設に出向きました。浴室で使用している(正確
には入浴終了後に浴室内を乾燥させるために使用している)大型の扇風機が、
首振り機構に不具合を起こしています。元は壁面取り付け用の扇風機で、板に
固定し床に置いて利用しているので、本来とは取り付け方向が異なっています。

 

数年前に購入され、決して旧式の製品ではありません。
ですが、リビング扇とはとても似つかぬ武骨な造りです。

 

背面のカバーを外します。首振り機構の
ON・OFFツマミを抜くのに難儀しました。

 

扇風機の首振りはほとんどがこの方式です。
回転する大ギヤでリンクを前後させます。

 

リンクの先がヘッド下部に自在固定され、
小さなクランクを構成するので首を振ります。

 

首を左側に振り切った位置から引き返してくることが出来
ません。しかし、特に部品等の損傷は見当たりません。

 

大ギヤとヘッドを接続するリンクが変形し、ジオメトリが狂って
いるようです。別に保管してあった未使用品を確認します。

 

扇風機の取り付け方向を変えたことで、首振り時にヘッドの重量が
リンクに集中し変形させたようです。押し曲げられた状態から、元の
形状に修正します。実際に首を振らせながら調整を繰り返します。

 

首を左端に振った位置から戻るようになりました。重量が
集中したままなので、再び変形する可能性があります。

 

金属製の4枚羽根、同じく金属製のガードを
合わせヘッド全体でかなりの重量があります。

 

壁面に取り付けられていれば、ヘッドは斜め下方を向くためリンクには引張力が
作用します。リンク部品は、この引張力の設計値に合わせて強度計算されたので
しょう。リビング扇のように立てて使用すると、逆に押し曲げる力(圧縮力)が加わり、
その応力をリンクの曲げ強度が下回っていたことで変形が生じたと考えられます。

 
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