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ミッキーAMラジオが鳴らない(2018.9.16)


御祖父様からいただいたラジオだそうです。ミッキーマウスがデザインされた
愛らしい子供用の製品で、ご依頼主が小さい頃に買ってもらったものでしょう。

 

ナショナル(現パナソニック)製R-81、昭和50年代の製品で
オークションではアンティーク品として出品されています。

 

予め不具合状況を伺っておりましたが、
乾電池を入れて動作確認を行います。

 

ミッキーの両耳に違和感なく
ダイヤルが配置されています。

 

右耳は電源スイッチと音量調整です。
電源を入れると、瞬間両目が点灯します。

 

間もなく左目の点灯が消えて右目のみ
点灯します。LEDが内蔵されているようです。

 

左耳は同調(選局)用ダイヤルです。回してみると所々で
チューニングが合うのか、ミッキーの左目が点灯します。

 

伺っていた通りの不具合で、チューニングが
合っても放送の音声が聞こえてきません。

 

おそらく音声出力系の問題だろうと思い
ながら、ネジを緩めて裏カバーを外します。

 

無駄なく綺麗に部品が詰め込まれ、
内部空間が有効に利用されています。

 

分解途中、このラジオにはイヤホン端子が付属している
ことに気づきました。ヘッドホンを差してみると・・、鳴ります

 

これは回路基板の配線パターン側も点検する
必要があります。両耳のダイヤルを抜きます。

 

配線パターン側です。当時はまだ片面基板
ですが、SONYのようなこってり感は薄いです。

 

イヤホンジャックの裏側部分です。イヤホンに
信号が出ているので、この辺りの接触不良でしょう。

 

スピーカーの接続を調べます。
スピーカー自体はまだ元気です。

 

イヤホンを差し込んでいない状態では、ジャック内の
接点を通り出力がスピーカーへ接続されるはずです。

 

何度か確認するも、接続に問題はありません。
そのはずです、電源を入れるとラジオが鳴ります。

 

イヤホンジャック内の接点で接触不良が起こっていたようです。先ほど
ヘッドホンを差し込んだ際に、接触が回復したと考えられます。おそらく
イヤホンをお使いになる機会がなく、接点部分で金属の酸化が進んだ
ことが接触不良に至る原因だと思います。ジャックの中を洗浄します。

 

写真にはありませんが、周囲を十分
養生してから洗浄剤を吹き込みます。

 

イヤホンのプラグを何度も抜き差しして
接点を擦り合わせ、接触を復活させます。

 

音量調整の際に、スピーカーからガリガリと雑音が
出ます。可変抵抗器の接触も回復を図ります。

 

洗浄剤を入れた後は、基板上に残って
いる分を高圧エアで吹き飛ばします。

 

元通りに組み上げます。ほとんど
修理にはならない簡単な作業でした。

 

スピーカーからしっかり音声が聞こえてきます。
やはり一流メーカー品、上質なものづくりが光ります。

 

昨今のポ〇モンだかワ〇ピースだか訳の分からないキャラクターと異なり、大人が子供に
対して責任を持って与えることができた、古き良き玩具的製品のひとつです。子供の心や
夢を育むどころか、破壊・暴力・いじめ・殺人の場面が多くを占めるTVアニメのキャラクター、
それらが100円ショップの粗悪な買い捨て商品と結びついて大量に供給・使い捨てされる
現在の社会です。御祖父様の大人の優しさとともに、ラジオを長く大事になさって下さい。

 
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