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4WDジープの不具合(2018.4.3)


3月末開催の守谷おもちゃ病院で、この4WDジープが回ってきました。
時間内に故障原因を解明できず、工房に持ち帰って修理することに。
水陸両用(防水仕様ということ?)を謳うワイルドなラジコンカーです。

 

裏返して底面を確認します。重心を低く保つ
ため本体最下部に電池ボックスがあります。

 

カバーを開けると単3アルカリ
乾電池が6本、9Vの電源です。

 

上部車体と下部シャシーを分離します。
込み入った所に固定ネジがあります。

 


狭い隙間をくぐり、ネジの頭に
何とかドライバーが届きます。

 

ネジ4本のみの固定ですが、上部車体は
張り子構造で軽量なので十分です。

 

下部シャシー、走行部の構造が凝っています。制御部を
内蔵するボックスの前後に足回りを連結しています。

 

実車でいうメンバーを介してホイールが懸架されて
います。メンバーがコイルスプリングを支える構造です。

 

ネジを緩めるとメンバーを前後に退避させることが
できます。これでボックス本体にアクセス可能です。

 

ボックスの組み付けも防水対応で、全周の
深い溝に突起が嵌まり込み、水密を保ちます。

 

隙間からボックス内部の制御基板が見えて
います。配線に阻まれて十分開きません。

 

制御基板を固定している2本のネジを、
ボックスのカバーをずらしながら緩めます。

 

これで基板を取り出せるはずです。防水のため
ボックスの篏合溝にはグリスが入れられています。

 

玩具に組み込まれている回路基板は、
例外なく引き出し線の配線が雑です。

 

ほとんどの部品が配線パターン側に表面実装
されており、表側はRFコイルを含めこれだけです。

 

不具合(全く走らない)の原因を探るよりも先に、あまりにも雑な引き出し線の配線を整えます。
切れかけている半田付けをやり直し、長さが不足したり太さが不十分なビニルコードを交換します。
こういった作業中に意図せず故障個所に触れていることもあり、気が付くと直っていたりします。

 

外観的に疑わしい部分の処置を終え、
ようやく電源系統の電圧確認に入ります。

 

防水コーティング(ただのゴム系接着剤)を避けながら
点検します・・が、回路に電圧が印加されていません。
 

ボックスの横に飛び出て付いている電源スイッチ
です。劣化しやすい代表的なメカニカル部品です。
 

玩具に使用されるのは開放型の最低ランクの
部品です。潤滑剤を吹いて接点を復活させます。

 

動作確認もせずこれで組み付けてしまいます。
この範囲にない不具合は手に負えないからです。

 

例えば表面実装部品のどれかに損傷があったとして、
部品の特定および交換作業は極端に難しいものです。

 

また、基板に実装されている電子部品の
故障は滅多に起こるものではありません。

 

玩具に限らず、製造メーカーが回路基板を修理した
話など聞いたことがありません。ほとんど交換です。

 

ボックスの組み付けを終えメンバーを固定します。駆動輪
およびステアリングへの配線引き出し部も防水仕様です。

 

防水仕様とはいえ、ぬかるんだ地面を泥を
跳ね上げながら走行できる程度でしょう。

 

上部車体を合体させます。ルーフ内側の銅シート
(アンテナ代わり)にアンテナ線を接続します。

 

狭い隙間を縫ってネジを締め付けます。リブの
大きなタイヤが高い走破性を発揮しそうです。
 

ようやく動作試験にかかりますが、動く気配が
ありません・・・。重要な設定を忘れています。

 

このラジコン送受信機にはペアリング機能が組み込まれて
います。プロポビット列のどれかで識別しているのでしょう。

 

ペアリング機能により、3台を同時に走行させることができます。子供たちには
嬉しい機能でしょう。乾電池の電圧が低下しているとペアリングが成立しない
ことがあるようで、乾電池の劣化は駆動力不足をもたらすだけでは済みません。

 

修理完了ですが、何となく直ってしまった感じです。電源スイッチに
不具合があったものの、最小限の修理であればお預かりした当日に
作業を終え、持ち主にお返しできたはずです。しかし、ラジコンカーに
搭載される四駆機構を詳しく観察することができ大変参考になりました。

 
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