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元気のないアンパンマン(2018.10.31)


4週ぶりのおもちゃ病院参加です。縫いぐるみ系は何かと不得意ですが、
自走するはずのアンパンマンが全く動かないそうです。大方、電源の配線が
どこかで断線でもしているのでは・・、などと勘ぐりつつ修理にかかります。
 

底面に走行機構が組み込まれています。障害物に
当たると次々と方向を変える自在走行メカです。

 

乾電池を確認します。3本ともほぼ新品
状態です。内部に断線がありそうです。

 

縫いぐるみ系とは言え簡単な着せ方です。本体最下部の
裾周りに、タイラップを入れて固定しているだけです。

 


タイラップは新しいものに交換すれば
良いので、ロック部で切断します。

 

袋縫いされた部分からするりと
タイラップが抜けてきます。

 

縫いぐるみの中からドーム型の
機構部分を取り出します。

 

比較的精密に成型加工された外側
カバーです。固定ネジを緩めます。

 

ドーム部分は前後2ピースのカバーで構成され、
底部プレート上に各部品が固定されています。

 

先に目に付いたのが、スピーカーへの配線が1本切れている
ことです。しかし、走行できない不具合の原因ではありません。

 

自在走行ギヤボックスのカバーを開けてみます。軸受周りに髪の毛を含むゴミが
まとわりついています。強固に絡んでいるようで、手で車輪を回すことが出来ません。

 

走行できない原因はこれだけのようです。
車軸を外すとクラウンギヤが回転します。
 

車軸にまとわりついたゴミを取り除きます
・・が、絡み方が強く簡単ではありません。

 

ピンセット、カッターナイフ、ペンチを駆使してようやく
取り除きました。写真右上が絡んでいたゴミです。

 

ギヤボックス内に残るゴミも
ピンセットで丁寧に取り出します。
 

ウェスの小片を入れて内部を綺麗に拭き上げます。
再度ゴミを引き込みかねないのでグリスアップは控えます。

 

切れているスピーカーへの
配線を半田付けし直します。

 

低品質のビニル線は芯線の金属表面が
酸化しやすく、半田付けに難儀します。

 

ドーム型のカバーを前後
合体させ、ネジで固定します。

 

院長先生から新しいタイラップをもらいました。
このサイズを持ち合わせているところが凄い。

 

ロック部に通して余分を切り落とします。
このままでは外に飛び出てしまいますが、

 

本体に角型の穴があり、ロック部が
入り込むよう工夫されています。

 

走行できず元気のなかったアンパンマンが「元気いっぱい」走り出しました。
修理前に撮影した写真と比べ、どこか表情が明るくなったような気がします。

*修理前のアンパンマンへ

 
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