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ドレミでダンスDX(2019.4.10)


おもちゃ病院をしばらくご無沙汰しておりました。休んでいるうちに新年度が
スタートしています。今年度最初の修理は、鍵盤を叩くと音階+メロディが流れ、
動物の人形が色々な動作をするこのおもちゃです。サクッと片付けたいものです。

 

カルテ(修理依頼票)には、「動かない」にチェックが入っています。
どこがどう「動かない」のかまるで分かりませんが、不具合状況を
特定し、故障個所を探し当てることも修理作業の一部です。

 

故障診断は必ず電源の点検から始めます。
乾電池が古くなっていただけ・・少なくありません。

 

乾電池が入っていないので、病院保有の
新しい乾電池(UM-3)を4本入れます。

 

電源スイッチを入れますが、何も
動作する気配がありません(動かない)。

 


内部を調べるため、固定ネジを
緩め底カバーを外します。

 

本体が上下カバーに分離しました。内部の
装置は底カバー側に実装されています。

 

手前の鍵盤とファンクションボタン、
回路基板、奥側は人形を動かす機構です。

 

乾電池ホルダー金具に必要な電圧が
出ているか確認します。OKです。

 

ファンクションボタンを取り付けている
基板を外します。回路基板はこの下です。

 

ファンクションボタンの下を、人形を
動作させるリンクバーが通ります。

 

回路基板の電源端子に回路形を当て
ます。正常な電圧が加わっています。

 

回路に電源が供給されていて動作しない場合、制御
チップの不良が疑われます。修理方法はありません。

 

ところが、特定の鍵盤を押すと音階と賑やかな
メロディが流れ、人形の駆動モーターが作動します。

 

回路基板は無事です。鍵盤に連動する
キースイッチに動作不良があります。

 

鍵盤を取り外すと、その下にキー
スイッチ基盤が取り付けられています。

 

スイッチ基盤を固定して
いるネジを緩めます。

 

12個のゴム製接点を挟み、樹脂版と
プリント基板が2枚重ねになっています。

 

隙間にドライバーの先を入れ、
樹脂版を強引に引き剥がします。
 
 
ゴム製接点のカーボンコーティングが
基板上の端子両極を短絡する構造です。

 

家電製品のリモコンに多用されている方式で、端子や
カーボンコーティングが劣化しやすく、頻繁に故障します。

 

まず基板側端子をアルコールで清掃します。
必要によりサンドペーパーで軽く研磨します。

 

ゴム製接点の側は、カーボンペンを使用してカーボンコーティングを作り直します。
コーティング面がひどく荒れている場合は、一度完全に除去してから塗り直します。

 

しばらく乾燥させてから、もう一度重ね塗りします。なお、
動作の如何にかかわらず、全キースイッチを補修します。

 

調子の悪いリモコン等もこの方法でほぼ直り
ます。スイッチ基盤を元通りに組み付けます。

 

同じ構造なので、ファンクションキーに
不具合があっても不思議ではありません。

 

ゴム製部品の一部に突起があり、基板の穴に差し込まれて
固定されます。取り外してカーボンをコーティングし直します。

 

上下カバーを元通りに合体させます。人形の
駆動機構が正確に連結するよう留意します。

 

軽く鍵盤にタッチするだけでスイッチが入り、
音声が再生され人形が軽快に作動します。

 

ゴム製接点(ゴムパッド)方式のスイッチ機構は、家電製品のリモコンを中心に
広く普及しています。しかし、その耐久性はとても低く、家電製品の中で最初に
故障するのはリモコンだったりします。低コストのカーボンではなく、何か金属の
蒸着膜のようなもので、もっとしっかりした製品にしてもらえないものでしょうか。


 
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