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ラジコンヘリ送受信デバイス(2019.9.4)


今年度より守谷おもちゃ病院に新しい活動拠点が加わりました。本町にある守谷市
保健センターで、毎月第4金曜日9:30より(11:30まで)おもちゃ修理を行ってい
ます。まだ地域の皆さんに知られていないのか、なかなかおもちゃが集まりません。
5・6月は受付0、7月開催日に最初に舞い込んできたのがこのラジコンヘリコプター
です。故障原因究明が難航し、1か月以上もお預かりしてようやく修理を終えました。
 

ヘリ本体の電源を入れてみます。
機首下部にあるLEDが点灯します。

 

LEDは青と赤が交互に点灯します。
制御チップは機能しているようです。

 

送信機とチャンネルを合わせるも、ヘリは
無反応で一切の操縦ができません。

 

おもちゃのヘリとは言え、恐ろしく
精密に組み立てられています。

 

断線とか接触不良のような簡単な
故障であれば良いのですが・・

 

精密ドライバーを用いて極小のネジを緩め、
左右のカバー(金属プレート)を外します。

 

機首下部のLEDは、回路基板に
直接取り付けられています。

 

基板後端はマイクロモーターのピニオンと
ローターの大ギヤに近接しています。

 

基板後端から何やら端子のようなものが3本出ており、下向きにほぼ
180度折り曲げられて本体下部プレートの穴から外に突き出ています。
 

電子部品のリードのような金属線で、絶縁保護用
なのかビニルチューブが被せられています。

 

リードだけ取り付けられる訳はありません。
元は何か電子部品が付いていたようです。

 

本体下部プレートごと
回路基板を取り外します。

 

リードを見た時にうすうす気づいていましたが、
無線通信用の受信デバイスが見当たりません。

 

この手のラジコン玩具にはほとんど
赤外線通信が採用されています。

 

この3本足は赤外線受光素子のリードです。
遊んでいるうちにリードを折ってしまったのでしょう。

 

断線や接触不良ほど簡単ではありませんが
新しい受光デバイスに交換するだけの修理です。
 

通信用デバイスやモジュールは
やはり秋月が在庫豊富です。

 

おもちゃ病院のドクターが秋葉原に出向いた際に
OSRB38C9AA(2個入)を買ってきてもらいました。

 

残っていたリードを取り除き
新しいデバイスを半田付けします。

 

電源を入れます。機種のLEDが点滅するので
回路全体は正常に動作しているようです。

 

ですが・・、送信機を操作してもヘリは
相変わらず無反応です。まだ問題があります。

 

受信側ではなく送信機に問題は
ないのでしょうか。点検します。

 

赤外線LED(発光素子)です。デジタル
カメラを通せば発光の有無を確認できます。

 

LEDが発光していませんでした。つまり
送信機から信号が送られていないわけです。

 

信号の到達距離を伸ばすため3個のLEDが
直列に接続されています。1個ずつ良否を調べます。

 

1個目は問題ありません。3個全部が
損傷しているわけではないようです。

 

2個目も問題ありません。そうすると
1個だけが損傷しているということに・・

 

3個目が完ぺきに損傷しています。デバイス
チェッカーが「damaged part」と表示しています。

 

これもまた秋月にて調達します。OSI5LA5A33A-B
肉眼で点灯が確認できるよう僅かに赤色を発光させます。

 

正常なLED2個は再利用し、破損した
1個のみ新しいものに交換します。

 

3個ともしっかり発光しています。送信機側の
問題も解決したのでこれで修理完了かと・・

 

一向にヘリは飛び立つ気配がありません。ローターが全く回転し始めないので
やはり根本的な問題がまだ残っているようです。ここから先はこのチップ部品
による微細な回路との闘いになります。回路形のテスト棒も当て難い世界です。

 

もう一度受光デバイスに戻り、デバイスが
間違いなく動作しているか確認します。

 

データシートによるとOSRB38C9AAの動作電圧は
2.7~5.5Vです。実測値は1Vを下回っています。

 

受光デバイスの選択を間違えたのか、しかし
1V以下で動作する製品があるのでしょうか。

 

電源のリチウムバッテリーは3.6Vほどあるので、
大き目の抵抗器でデバイスの電源をプルアップします。

 

もちろん回路構成部品の中に何か不具合が生じている可能性はありますが、
探し出すのは困難です。1kΩでプルアップする分には周囲に影響はないと
思います。実測すると3V強の電圧がかかっています、動作するはずです。

 

1/8Wの抵抗器もこの回路基板に
とってはとても大きいです。

 

抵抗器のリードを切り詰めて
何とか基板上に収めます。

 

電源スイッチの根元と受光デバイスの
電源端子(3番)を抵抗器で接続します。

 

ヘリ本体を元通りに組み
上げ、電源を入れます。

 

送信機の昇降スティックを操作すると、ローターが強力に回転し始めます。
スティックをさらに倒すと機体が一挙に浮き上がります。その先はヘリを
墜落に追いやる(操縦が下手過ぎる)だけなので止めておきます。

 
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