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THE指揮官ミサイル砲(戦車おもちゃ)の修理(2015.10.11)

 守谷市おもちゃ病院に持ち込まれていた自走式ミサイル砲のおもちゃです。
カルテ(申込書)には「ミサイルは発射するが、砲台が回らない、走らない」と
記入されていました。実車を元に設計されたのか、ディテールまでよく再現
されていてなかなか迫力のある模型です。リモコンが付属しています。

 
・故障・破損状況の把握

元の箱にきちんと梱包されてきました。外箱に
製品の概略が印刷されているので助かります。
 


中箱は戦車形状に合わせてフォームされた発泡
スチロール製です。破損の心配がありません。
 

中身を取り出してみます。戦車本体の他にリモート
コントロールボックス、ミサイル3発が入っています。
 


先にリモコンから調べてみます。裏側に
1本のネジでカバーが留められています。
 

カバーを取ると9Vのバッテリー(6P)が入っています。
ここは明らかにバッテリーボックスです。しかし、
 


リモコンの内部から赤・白のリード線が出ていますが
バッテリーを接続するスナップホルダがありません。
 

リモコンボックスの上部からケーブルが出ています。
ケーブルの被覆が裂けてビニル線が飛び出ています。
 


戦車本体の底面にカバーがあります。
やはり1本のネジで留められています。
 

カバーの内側はバッテリーボックスです。
色とりどりのUM3バッテリーが6本入っています。
 


カルテの通りモーターが動作しないのでバッテリーの
電圧を確認します。6本中2本が完全に寿命です。
 

作業しやすくするため両輪とも
キャタピラを外しておきます。
 


本体内部にアクセスするため分解します。
底面に4本のネジで固定されています。
 

本体が上下部分に分かれました。随分複雑な印象を受ける配線です。配線の取り回しに
統一性がなく、長さもまちまちで雑な感じがします。メーカーによる作業なのでしょうか?
 

砲台も動かないそうなので、本体の
上半分から砲台まわりを分解します。
 

減速ギヤから出たピニオンギヤで砲台下部の大きな
平ギヤを回転させる構造です。特に問題ありません。
 

不思議に思うのはこの中継基板です。8芯ケーブルの
ビニル線をいったんここに落としてから各部に中継します。
 

ビニル線が無駄に取り回されているだけです。
むしろ中継しない方が綺麗にまとめられそうです。
 
・リモートコントローラの修理、ケーブル交換

リモコンボックスを分解し、被覆の
裂けたケーブルを先に修理します。
 

裂けている部分の少し先でケーブルを
切断し、リモコン内部に引き込みます。
 

内部のビニル線8本を丁寧に取り出し
芯線を処理(捩り・半田引き)します。
 

元の配線通りに間違いなく接続するため
1・2本ずつ順に取り換えていきます。
 

配線が終わりました。被覆が裂けていた
部分は内部に引き込まれて解消されました。
 

バッテリーに伸びる赤・白ビニル線は、何故か正面の
タクトスイッチに配線され、ONにするとショートします!
 

9Vバッテリーは全く不要です。配線もスナップホルダも必要
ありません。このリモコンボックスは他製品の流用でしょう。
 

タクトスイッチの配線を辿ると、中継基板を
経て砲台の中へ延びていきます。
 

砲台もカバーを外して内部を点検します。このモーターは
ラチェットを開放してミサイルを発射するためのものです。
 

焦げた臭いがする原因が分かりました。ノイズ低減用の
セラコンが焼けています。9Vがかかったのかも知れません
 

作業のため取り外していたスイッチ基板を
リモコンボックス内部に再実装します。
 

スイッチレバーに干渉しないようケーブルを
取り回しリモコン上部に導きます。ところが・・
 

8芯ケーブルの内部で、茶色のビニル線がどこかで
断線しています。断線箇所を特定したいところですが、
 

断線箇所を見つけ出すには、最悪ケーブル長の半分を
失うことになります。ここは新しいケーブルに交換します。
 

折角スイッチ基板表面に配線実装用の穴が
あるので、表側からの配線に変更します。
 

新たに問題を見つけました。スイッチの
1つで固定側接点が付いていません。
 

電子部品のリード線を曲げて
相当部品を作ります。
 

半田付けで固定します。砲台の回転用スイッチ
なので、無くてもいいのかも知れません。
 

リモコンボックスを組み上げます。ケーブル取り出し口は
通常ラジコン用のアンテナが付いているのでしょう。

 

元々ラジコン送信機用のリモコンだとすれば、不要
とはいえ9Vバッテリーボックスも理解できます。

 
・本体内部の配線、ピニオンギヤ交換

中継基板まわりの配線の取り回しを
ケーブルの交換に合わせてやり直します。
 

結局、配線はこれだけです。すっきり分かりやすくなり
ました。中継基板のデザインも何とかして欲しいものです。
 

本体内部の再配線作業を終えたところです。各ビニル線の長さも
適切に切り揃えました。作業前・作業後を比べてみて下さい。

 


配線作業が終わり走行系のテストをしてみると、
モーターは回るのにギヤに回転が伝わりません。
 

ピニオンギヤの位置がずれています。
モーターシャフトの先端近くに付いています。
 

ピニオンギヤの取付位置を正しい位置に修正
します。シャフトの根元近くまで下げます。
 

原因不明ですがピニオンギヤがずれたことは
事実ですから、瞬間接着剤で固定しておきます。
 

その直後に真の原因が分かりました。ピニオンギヤの
中でシャフトが空転します。ギヤが割れていました。

 

新しいピニオンギヤに交換します。シャフトが
固く入り空転の心配はありません。

 

修理完了


走行時には前面のライトが点灯します。また後進時には右側の駆動
スプロケットが自動的に空転するため右方向に曲がりながら後進します。
他製品用リモコンが流用され、使用しない9Vバッテリーが入って
いたりそこに配線が延びていたり、謎の多いおもちゃでした。
ミサイルの装填が面倒ですが、ランチャーのように連続発射される様は
なかなか迫力があります。もしかするとラジコン版があるのかも知れません。

 
 
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