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乳児用のホームシアター(2018.11.24)


乳児用のホームシアター、最近は乳飲み子も映画鑑賞するのでしょうか・・。
乳児用とはいえ、Audio+Visual機能を装備した驚きのおもちゃです。
 

ネット検索すると、製品名は「ディズニーキャラクターズ
天井いっぱい!!おやすみホームシアター」です。

 

子守歌のメロディーを奏でながら、天井面に
プロジェクターでキャラクターを映し出します。

 

いやはや乳児用玩具も凄いことになっています。
が、電源を入れても全く動作しません。

 


おもちゃ病院の出番です。ツマミをスライドさせると
上部蓋が跳ね上がり、中にカートリッジが入っています。

 

カートリッジには映し出すスライドが組み込まれており、
交換していくつかのタイトルを楽しむことが出来るようです。

 

この円形窓を光源が通り、上部蓋に取り付けられた
レンズにより天井面に映像が投影される仕組みです。

 

カートリッジにはICチップも組み込まれており、記録
された音源データは本体側端子から読み込まれます。

 

感心しているばかりでは問題は解決しません。
不具合の原因を探るべく本体を分解します。

 

本体外装は大きく2ピースに分離します。組み
付け構造が分からないので慎重に引き離します。

 

乾電池ホルダー側を引き離します。
電源コードが相互に跨っています。

 

本体外装を開けた瞬間、動作しない原因が判明します。電源コードの片側、
黒色なのでマイナス側の配線が切れています。単純な故障でほっとします。

 

回路基板側の接続箇所を探します。赤色
プラス側配線の隣に半田付け跡があります。
 

半田付けのし直しで簡単に修理出来そう
ですが、ビニルコードの長さがぎりぎりです。

 

さらに、直接半田ごてを当てられないので、
基板を固定しているフレームを外します。

 

モールドされた表面実装LSIが2個取り付けられています。
1個は全体の動作制御用、1個は音源再生用でしょう。
 

ビニルコードを継ぎ足して延長します。
長さに余裕のないことも断線の原因です。

 

半田付けを終え、ビニルコードの
接続部をテープで保護・絶縁します。

 

あらためて電源を入れてみます。投影レンズからスライドの画像が映し出されます。
乾電池とランプによる照射なので、数~数十ルーメンでしょうか。乳児を寝かしつける
には丁度良い明るさです。であれば「ホームシアター」の名称はどうかと思います。

 

小出力とはいえ、光源のジャケットは放熱対策されたしっかり
したものです。隣接してモーターユニットが組み込まれています。

 

モーターユニットの機能が分からず、動作している様子も
確認できません。モーター端子に電力は供給されています。

 

動作確認も含め、モーターユニットを分解してみます。内部は
おそらくギヤ減速機構でしょうが、かなり厚みがあります。
 

ユニットの裏側に出力軸が2本あり、高さの
異なるスプロケットが平ギヤで連動します。

 

ユニットのカバーを分解します。
電気製品レベルの精巧な造りです。

 

内部が姿を現します。モーター軸から初段プーリーにゴム
ベルトが掛けられ、その先は大減速比のギヤが連なります。

 

モーター自体は問題なく回転します。減速ギヤにも問題ありません。
分解時に確認し損ないましたが、もしかするとモーター軸と初段
プーリーに掛かるゴムベルトが脱落していたかも知れません。
 

モーターユニットを組み直し電源を入れてみます。減速比が
大きいので、スプロケットは極めて低速で回転しています。
 

高さの異なる2個のスプロケットは、本体の
カートリッジ装填部の端に顔を出す構造です。

 

一方、カートリッジに内蔵されているスライドは2枚の
円形のフィルムで、周囲に歯が刻まれています。

 

この時点で凝った機構にようやく気付きました。2枚の円形
スライドが逆方向に回転し、異なる映像を重ねて投影します。

 

映像に奥行き・深みを与える工夫です。ゴムベルトが外れて
いたとすれば、不具合をもう一つ解決したことになります。
 

もしかすると回転が低速なあまり、正しく動作して
いることに気付かなかった可能性もありますが・・。

 

全体の組み付けを終え、カートリッジを
装填して再度動作を確認します。
 

上下2枚の円形スライドの歯が、高さの異なる
スプロケットにそれぞれ噛み合っています。

 

玩具のメカニズムがここまで完成度を高めると、ここから先は再生する映像と
音楽、すなわちコンテンツの勝負になるでしょう。ですが、世界的なエンター
テインメント会社とタイアップしている製品です。それは愚問であります。

 
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