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電子レンジのドアが開かない(2018.11.12)


週のおもちゃ病院、ままごと用の電子レンジ玩具の担当でした。猫のキャラクターが
あしらわれています。液晶によるタイマー表示、いくつかの調理メニューがあり、調理
終了時にはベル音(チーン)、内部の調理テーブルは回転までします。恐れ入ります。
 

おもちゃ病院所定のカルテで不具合を
確認します。ドアが開かないようです。
 

OPENボタンを押しますが、
確かにドアが開きません。
 

少し力を加えれば何とか開きます。OPEN
ボタンによりラッチが出入りする機構です。
 

OPENボタンの動作を確認します。ボタンを押し
込むことができず、結果ラッチが引き込みません。
 

OPENボタンからラッチへの連動が上手く
働かないようです。ドアを分解します。
 

家電製品並みの組み付けです。
ドアの開閉機構も本物と変わりません。
 

ドアの内側カバーが外れました。覗き
窓には透明樹脂板がはめられています。
 

ドアのラッチ機構部分です。簡単な
構造ですが家電製品も同じ機構です。。
 

ボタンが押し込まれると、斜めにカットされたツメがラッチバーを摺動させます。ボタンの
上下動にラッチの左右移動が連動する仕組みです。この摺動が上手く機能していません。
 

樹脂材料どうしは、意外と摺動しにくいものです。
柔らかく摩耗・変形しやすいことが原因です。
 

ラッチバーがボタンのツメに接触する
面に、軽くペーパーをかけて整えます。
 

動作確認するには裏側カバーを
取り付けなければなりません。
 

開閉動作が復活しました。注油は樹脂材料を
浸食し新たな固着を招きかねないので避けます。
 

ドアの開閉感触は本物の電子レンジと変わりません。外観こそ可愛らしく
おもちゃ然としていますが、ここまで実物に近い使用感触を与えるとは
恐るべき玩具設計技術です。子供さんたち、お目が高いのでしょうか。

 
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