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外装破損部品の修復(2016.7.8)


守谷おもちゃ病院にて修理したおもちゃ2点です。
いずれも外装部品が著しく破損しており、まるで
外科手術(整形外科)のような修復作業になりました。


 
・ピアノ脚取り付け部の破損

実際に演奏ができるグランドピアノのおもちゃです。
脚の取り付け部周辺が大きく破損しています。
 

内側から見ると、脚取り付け部が本体内部に
くい込み、割れが進行して脱落寸前です。
 

脱落しかかった部品を元の位置に戻し、
傷口を半田鏝で加熱して溶融接着します。
 

縫合跡がなるべく目立たないよう
丁寧かつ強固に接合します。
 

一部材料が欠損している部分がありますが
接合部周長があるので十分かと思います。
 

縫合部をエポキシ接着剤で覆い、
縫合部に化粧と補強を加えます。

 

エポキシ接着剤が固化する
のを待って修理完了です。

 
・クレーンゲーム背面プレートの変形

人気があるのかクレーンゲームの
修理が少なくありません。
 

側面ドアから覗き込むと、背面プレートの上側が
歪んでいます。「本体の破損」とはこれでしょう。

 

動作させてみるとクレーンの動きが異常です。
ボールチェーンが1本垂れ下がっています。
 

スプロケットのすぐ外でボールチェーンが
破断していました。何とかつなぎ合わせます。
 

背面プレートの上端が恐ろしいことに
なっています。大きく変形しています。
 

何か熱源に近づけたことにより、熱可塑性
樹脂の塩ビ板が軟化・変形したようです。
 

この変形がクレーンユニットの走行を
妨げています。熱を加えて修復します。
 

変形が著しいためヒートガンでかなり
広範囲を加熱し材料を軟化させます。
 

板材を押し当ててプレートを平面に
保ち、冷えて固化するのを待ちます。
 

平面を出すことを優先した結果、あらたに
加熱による材料の収縮が生じています。
 

クレーンの走行障害の問題は解決したので
シールを元に戻して修理完了です。

 
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