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歩く柴犬縫いぐるみの修理(2017.5.20)


愛らしい柴犬のおもちゃの修理依頼が直接工房に届きました。人気の
あるおもちゃのようで、守谷おもちゃ病院でもしばしば見かけます。

 

手触りの良い仕上げは縫いぐるみのようですが、電動により「歩く」→
「尾を振る」→「キャンキャンと鳴く」を繰り返すなかなか精巧なおもちゃ
です。最後の「頭を動かしながらキャンキャン鳴く」だけが動作しません。

 

修理するには縫いぐるみを剥がす必要があり、
布地の扱いは正直なところ不得意です。

 

後で元に戻す際に縫製作業が伴わないことを
願いながら、最小限の切り離しで済むよう進めます。

 

腹部にある電池ボックスの周囲を切り離します。
幸い、弱い接着剤が少なめに使用されています。

 

ドライバの先を使いながら、布地を破ら
ないよう1辺ずつ丁寧に切り離します。

 

4辺とも切り離しました。この開口部から縫いぐるみを剥がすことができれば
良いのですが。製造時はいくつかのパーツを縫製しているはずです。

 

後足から縫いぐるみを抜きます。
力を加えると何とか外れてきます。

 

後足の左右とも抜けました。柔らかい
ポリエステル製なので無理がききます。

 

縫いぐるみを背中方向にめくり上げます。
胴体の後部(お尻)が露出しました。

 

できるだけ前足をたたみ、縫いぐるみを
やや強く引きながら前足を抜きます。

 

前足の片方が抜けました。まだ、縫い目を
ほどいたり布地を一切切断していません。

 

頭部が大きく首回りが狭いため、布地を
切断せずに進められるのはここまでです。

 

左右の胴体を組み合わせているネジがあります。
頭部をそのままにして胴体のみ分離してみます。

 

頭部と胴体のサイズ比率からして
一定の隙間は得られるはずです。

 

頭部を分解せずに開けられる隙間はこの程度です。
開腹手術ではなく腹腔鏡下手術ができないものでしょうか。

 

開いた隙間から内部の機構を注意深く観察します。頭部を動かす
リンクが回転軸から脱落しています。頭部が動かない原因はこれです。

 

隙間からピンセットを伸ばしてクランク軸の
一部を掴み、回転軸に差し込みます。

 

何か力を入れた際に抜けたのでしょう。どうも差し込みが
緩いようでモーターを回転させると再び抜けてきます。

 

差し込み部分に接着剤を入れることにします。
隙間の奥なので細いノズルをセットします。

 

半分差し込んだ状態で接着剤を
入れ、すぐに完全に差し込みます。

 

修理を終えて元通りに組み上げます。
胴体を合体させるネジを締めます。
 

剥がした時と逆の手順で縫いぐるみを
被せていきます。先に前足を通します。

 

尾を振る芯棒を通してから
胴体後部全体に被せます。

 

後足をたたみながら、力を加えて
縫いぐるみを引き寄せると入ります。

 

一切縫い目をほどいたり布地を切断することなく、つまり不得意な裁縫に
直面することなく、電池ボックス周囲の引き剥がし段階まで戻ってきました。

 

再修理のことを考えると、強力な接着剤は
使いたくありません。グルーガンを使います。

 

1辺ずつ接着剤を塗り付けてから
縫いぐるみを押さえていきます。

 

電池ボックスの周囲は内側に向いた溝なので、
ドライバの先で布地の端を入れ込みます。

 

元の愛らしい柴犬の子犬に戻りました。安易に
縫い目をほどくと顔の表情が損なわれます。

 

リンクが正しく機能して、頭部を振りながらキャンキャンと鳴きます。
(写真がブレているのではなく実際に鳴いているところを撮りました)


 
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