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LASER VELOCITY稼働へ 後半(2021.4.23)


本格的な稼働を目指して本気で整備を進めているLASER VELOCITY
レーザー加工機AQLV-400です。奮発してキードングルを購入したので、
制御用アプリケーションのLaserCut5.3がネイティブで動作するようになり、
ステッピングモーターを駆動するドライバモジュールやPulse Unitの調整に
より、ほぼ本来の動作が復活しつつあります。残るは、出力が心なしか弱々
しいレーザー管を交換したいものです。購入前の使用時間、交換の有無など
一切不明で、本来の出力(40W)が低下している可能性は極めて大です。

 

本体背面のレーザー管収納部カバーを開けます。
以前に清掃したとはいえ、薄汚れたチューブが見えます。

 

レーザー管はダイキャスト製マウントの上に
金属製ベルトを介してネジ固定されています。
 

狭い空間内でネジの頭が上を向いて
おり、ドライバーを使用できません。

 

止むを得ずペンチで頭を
挟み少しずつ緩めます。

 

繊細なガラス管の近くでペンチを
操るのは危険が伴います。

 

片側のネジを外すだけでは
金属ベルトが十分に緩みません。

 

加工機の前面に回り、加工室内
から手前側のネジを緩めます。

 

冷却水を循環させるシリコンチューブです。
タイラップでレーザー管に括りつけられています。

 

本体右奥のカバーを外します。レーザー管の長さが
本体横幅を超える場合、ここから外に出します。

 

シリコンチューブの接続部が細い
タイラップで固定されています。

 

タイラップを切断しレーザー管からチューブを引き抜きます。
内部に残留している冷却水がこぼれるので注意します。

 

続いてアノード側高圧ケーブルの接続を外し
ます。金属製の接続スリーブが使われています。

 

ケーブル固定用の極小6角ネジを緩める
レンチがありません。ラジオペンチで回します。

 

AC15~30kVが印加されるラインなので、
接続はこのくらい厳重であるべきでしょう。

 

再び背面に回りレーザー管カソード
側のシリコンチューブを抜き取ります。

 

カソード側高圧ケーブル
(アース側)も外します。

 

ここまで固定を解除し、ケーブルを取り外した
時点でレーザー管を引き出すことができます。

 

くたびれた印象はありますが、レーザー管自体から
使用時間や劣化の程度を知る術はありません。

 

新しいレーザー管(40W)は既に
購入済みで工房に届いています。

 

厳重な梱包を解きます。外側の
エアパッキンも含め3重の梱包です。

 

真新しい40Wレーザー管です。送料込みでUS90$くらいの
製品もありますが、あまり安いものは避けます。性能や品質は
ほぼ同じでも出荷前検査が不十分であることが原因で不良品に
当たることがあり、後で返品や交換で面倒なことになります。
かなり高くてもAmazonnあたりで購入した方が無難でしょう。

 

レーザービームの発射口です。冷却系統の
配管も含め見事なガラス細工で製造されています。

 

新しいレーザー管を横穴から
本体内に組み入れます。

 

左右のマウント上に均等に
位置するよう調整します。

 

先に冷却水循環用の
シリコンチューブを配管します。

 

無理に力が入り、ガラス管にひびなどが
生じないか心配しながらの作業です。
 

十分にきつく接続されていますが、万一にも
抜けることがないよう新しいタイラップをかけます。

 

反対側のシリコンチューブも
タイラップをかけて確実につなぎます。

 

今回購入したレーザー管は、電力の接続端子が
金属ピンではなくビニルコードが引き出されています。

 

接続スリーブを使用するのであれば
金属ピンによる端子の方が確実でしょう。

 

接続スリーブの前後をビニルチューブで
完全に覆い、テープを巻いて固定します。

 

アノード側も接続します。超高圧がかかるので
周辺にリークしないよう確実に接続します。

 

ビニルチューブで完全に覆い
さらにテープで保護します。

 

固定前にレーザー管の位置を再度確認し
配管や配線の取り回しを調整します。

 

レーザー管に金属製ベルトをかけ、
ネジを少しずつ締めて固定します。

 

手で力を加えてもレーザー管が
動かなくなる時点で止めておきます。

 

ガラス管にストレスが加わっていることに気づかず、
ネジを締め過ぎて割ってしまってはいけません。

 

レーザーをテスト発射してみます。パープルの
ビームが太く力強く(・・印象)出ています。

 

レーザー管を交換した以上、本当はスタンドの
高さも含め厳密なアライメント調整が必要です。

 

ですが、レーザー加工機の光軸調整は、ミラーごとにかなりの範囲を
カバーできるので、レーザー管の取り付け位置自体はあまり気にする
必要がありません。第1~3のミラー調整に時間をかけることにします。

 

ひと通りミラー調整を終え、早速6040
改造用のアクリル部品をカットしてみます。

 

6040よりも大きい切断速度、やや小さい
レーザー出力で全く変わらない切断状況です。

 

AQLV-400は40W、6040は50Wなのに切断能力は
逆転しています。しかも切断面が明らかに美しくシャープです。

 

LASER VELOCITY、AQLV-400がついに
その本来の性能を取り戻した!・・のでしょうか。

 

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