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100円ショップのクイックバークランプ改良(2017.12.13)


100円ショップで写真のような(見た目)立派なクイックバークランプが
販売されています。メーカー品はホームセンターで400円もするので
何本も必要な場合には重宝します。試しに数本を購入してみました。



本体の黒とパッドのオレンジは、メーカー品と同じ
配色です。クランプを開閉させる機構も同じです。

 

メーカー品と同じ製品が、異なるルートで
100円ショップにも供給されているのでしょうか。

 

工房で使用しているメーカー品(右側)と並べて
みます。各部の形状・大きさとも全く同等ですが、

 

よく観察すると、細かな点で相違が見つかります。
クランプの開放ボタンの形状が小さくなっています。

 

加えて、パッドの形状が微妙に異なります。
台座の形状と正確に合っていません(左側)。

 

クランプを締め込んでみるとパッド面どうしが
正確に合わず、間に隙間が生じています。
 

さらに決定的な問題があります。メーカー品では強く
材料を挟むと、レバーが途中で動かなくなります。

 

しかし、100円ショップ版では突き当たるまで
動き、その後レバーが滑り圧着力が強まりません。

 

外観的にほぼ同じなのに、クランプとしての
性能がまるで認められません。なぜでしょう?

 

外観が同等なので違いは内部にあるはず
です。ネジを全て緩めて分解してみます。

 

違いを見つけるため、メーカー品も
同時に分解し比較してみます。

 

左側がメーカー品、右側が100円ショップ版です。バーに
沿って前進させる金属製プレートの枚数が異なります。

 

メーカー品は金属プレートが2枚挿入されています。
レバーを操作するとプレートがバーを噛んで引きます。

 

プレートが1枚では噛み込む力が弱く、
バーが滑って圧着力が十分に発生しません。

 

金属プレートにはバーを貫通させる穴があります。バーの断面に合わせて
噛み込みやすい形状に開けられています。プレートの枚数以外、内部にも
相違はありません。メーカー品のようにプレートを2枚に変更してみます。

 

簡単にプレートを複製するにはアクリル材が
便利です。プレートのサイズと形状を把握します。

 

CAD上に同一形状の
部品平面を再現します。

 

レーザー加工機でプレートを切り出します。
アクリル材で事足りれば有難いのですが。

 

プレート部品が出来上がりました。
同時に数枚を作っておきます。

 

心配な点はクランプの力にアクリル材が耐えるかどうかです。
プレートにどのような応力が加わるか、細かく考えていません。

 

金属製・アクリル製2枚のプレートを重ねてバーに
通します。構造的にはメーカー品と同じになります。

 

レバーを引いてみると・・、だめです。やはりアクリル材では簡単に撓んで
しまいます。強く力を入れると、あっけなく中間部分で折れてしまいました。
メーカー品と同じように金属板でプレートを製作しなければならないようです。

 

このサイズで正確な金属加工は非常に面倒です・・が、
その前に、2枚のプレートを接着してみるのはどうでしょう。

 

金属とアクリル材は瞬間接着剤でかなり強力に
接合します。アクリル材の撓みが無くなるはずです。

 

金属プレートの厚みが増したことになります。プレート穴と
バーの間で、十分な摩擦力が生ずれば良いわけです。
 

元通りカバーを組み付けます。金属プレートの
枚数以外、本当にメーカー品と変わりません。

 

レバーを操作してみます。以前と比べ進み方がかなり違っています。
「クイックバー」らしく、小気味良く確実に前進するようになっています。

 

材料を挟んでみます。締め切ったところでレバーが十分に重くなりしっかり
材料を固定しています。メーカー品と同等の圧着力には達していないよう
ですが、小型クランプの圧着力としては十分実用域にあります。金属で
プレートを複製する手間を考えると、この程度の改良で良しとしましょう。

 

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