100円ショップで写真のような(見た目)立派なクイックバークランプが
販売されています。メーカー品はホームセンターで400円もするので
何本も必要な場合には重宝します。試しに数本を購入してみました。
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本体の黒とパッドのオレンジは、メーカー品と同じ
配色です。クランプを開閉させる機構も同じです。
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メーカー品と同じ製品が、異なるルートで
100円ショップにも供給されているのでしょうか。
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工房で使用しているメーカー品(右側)と並べて
みます。各部の形状・大きさとも全く同等ですが、
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よく観察すると、細かな点で相違が見つかります。
クランプの開放ボタンの形状が小さくなっています。
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加えて、パッドの形状が微妙に異なります。
台座の形状と正確に合っていません(左側)。
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クランプを締め込んでみるとパッド面どうしが
正確に合わず、間に隙間が生じています。
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さらに決定的な問題があります。メーカー品では強く
材料を挟むと、レバーが途中で動かなくなります。
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しかし、100円ショップ版では突き当たるまで
動き、その後レバーが滑り圧着力が強まりません。
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外観的にほぼ同じなのに、クランプとしての
性能がまるで認められません。なぜでしょう?
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外観が同等なので違いは内部にあるはず
です。ネジを全て緩めて分解してみます。
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違いを見つけるため、メーカー品も
同時に分解し比較してみます。
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左側がメーカー品、右側が100円ショップ版です。バーに
沿って前進させる金属製プレートの枚数が異なります。
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メーカー品は金属プレートが2枚挿入されています。
レバーを操作するとプレートがバーを噛んで引きます。
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プレートが1枚では噛み込む力が弱く、
バーが滑って圧着力が十分に発生しません。
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金属プレートにはバーを貫通させる穴があります。バーの断面に合わせて
噛み込みやすい形状に開けられています。プレートの枚数以外、内部にも
相違はありません。メーカー品のようにプレートを2枚に変更してみます。
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簡単にプレートを複製するにはアクリル材が
便利です。プレートのサイズと形状を把握します。
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CAD上に同一形状の
部品平面を再現します。
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レーザー加工機でプレートを切り出します。
アクリル材で事足りれば有難いのですが。
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プレート部品が出来上がりました。
同時に数枚を作っておきます。
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心配な点はクランプの力にアクリル材が耐えるかどうかです。
プレートにどのような応力が加わるか、細かく考えていません。
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金属製・アクリル製2枚のプレートを重ねてバーに
通します。構造的にはメーカー品と同じになります。
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レバーを引いてみると・・、だめです。やはりアクリル材では簡単に撓んで
しまいます。強く力を入れると、あっけなく中間部分で折れてしまいました。
メーカー品と同じように金属板でプレートを製作しなければならないようです。
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このサイズで正確な金属加工は非常に面倒です・・が、
その前に、2枚のプレートを接着してみるのはどうでしょう。
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金属とアクリル材は瞬間接着剤でかなり強力に
接合します。アクリル材の撓みが無くなるはずです。
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金属プレートの厚みが増したことになります。プレート穴と
バーの間で、十分な摩擦力が生ずれば良いわけです。
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元通りカバーを組み付けます。金属プレートの
枚数以外、本当にメーカー品と変わりません。
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レバーを操作してみます。以前と比べ進み方がかなり違っています。
「クイックバー」らしく、小気味良く確実に前進するようになっています。
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材料を挟んでみます。締め切ったところでレバーが十分に重くなりしっかり
材料を固定しています。メーカー品と同等の圧着力には達していないよう
ですが、小型クランプの圧着力としては十分実用域にあります。金属で
プレートを複製する手間を考えると、この程度の改良で良しとしましょう。
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