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ジェットバスユニットのビルトイン化2(2023.8.17)
ジェットバスの組み込み作業のどこかで、浴槽の壁面に穴を開け
なければなりません。開けたら最後、しばらく浴槽にお湯を溜める
ことができなくなるので、穴開けの工事はシャワーで済ますことが
できる夏場に限られます。先にポンプユニット周りの改造を完了
させようとして、そのうち夏が過ぎてしまい中断。そしてやる気が
失せてまた来年。そんなこんなで早や3年が過ぎています。
作りながら考える・改良するを繰り返すものだから、
非効率的ですが徐々に構造が改善されてきます。
ポンプユニットを固定するベースプレートを作り直し
ました。アクリル材の厚みも10mmに変更します。
ポンプユニットが動作する際に生じる
強烈な振動に耐えなければなりません。
ところで、お湯を取り込む塩ビ管は
まだポンプに固定されていません。
元々は水中に没した状態で動作しますが、
浴槽の外に取り出すとお湯が駄々洩れします。
塩ビ管をポンプユニットに押し付けて
密着する簡単なフランジを製作します。
水密性を持たせるため充填率
100%で3Dプリントします。
フランジの内径を塩ビ管の直径に対してきつめに
仕上げ、接着剤を十二分に入れて固定します。
塩ビ管を差し込むと、フランジとベースプレートの
間に僅かに隙間ができる位置に固定しています。
接合部(
←
)にシール材を入れた状態で、フランジをベース
プレートにネジで強く固定することで水漏れを防ぎます。
ポンプユニット全体を載せるボードを用意します。浴槽
外壁面にはもう一枚合板を重ねて取り付ける予定です。
ポンプユニットのロケーションを決定することが
目的なので、強度はさほど必要ありません。
ベースプレートを所定の
位置に接着します。
ベースプレートから少し離れた位置に、ポンプ
ユニットの上部を支えるプレートを取り付けます。
アクリル材の小口面を接着するだけでは
強度が小さいので、三角材で補強します。
プレートとボードの接合部両側
から三角材を接着します。
手で力を加える限りかなりの強度が出ています。しかし、
ポンプユニットがフル回転する振動に耐えられるか否か、
実際に動かしてみるまで分かりません。できればPCや
POMで製作できるに越したことはありませんが、レザー
加工機を使用したアクリルの加工のしやすさが勝ります。
ポンプユニットを当ててみます。CADに
よる設計通り、各部がピタリと合います。
吸込みダクトと噴き出し口はこのような
ジオメトリで配置されます。設計通りです。
ベースプレートと補助プレートにポンプ
ユニットを固定しなければなりません。
補助プレートと接触する周に沿って
硬質スポンジシートを貼り付けます。
スポンジシートを介して補助プレートに載せ、外側の半周に
タイラップを掛けて固定する作戦です。スポンジシートは
振動を吸収する役割を果たします。ボードの表面に開いて
いる穴は、ボードごと合板に固定するためのネジ穴です。
浴槽壁面にダクトや噴き出し口用の
穴を開ける段階が少し見えてきました。
塩ビ継手のネジ部分が壁面を貫通します。
内外からゴム製パッキンで挟みます。
真鍮製大径ナットで内外を密着させます。塩ビ製ねじ込み
キャップは、後でゴミフィルターを取り付けるつもりです。
ある事を思い付き、エルボ管の
下面にドリルで穴を開けます。
リモコン受光部に黄色コードで
接続される水位センサーです。
浴槽内に水が張られていないと、フロートが
浮き上がらずポンプが作動しない仕組みです。
水位センサーの取り付け場所を決めかねていましたが、
ここならば邪魔にもならず確実に水位を検出できます。
エルボ管の内側から差し込み、穴の
周囲とネジ溝にグルーを塗り付けます。
グルーが溶けているうちに
ナットを締め込みます。
取り付けてみると何となく不安が漂うものです。
激しい水流で押し下げられたりしないでしょうか。
水位センサーの取り付けも完了し、浴槽壁面に取り付ける
ための合板も用意します。試行錯誤を繰り返し、より良い
方法を思いつく度に部品を作り直し、組み立て直し、現状に
至ります。今度こそ浴槽の穴あけ工事に進めるでしょうか・・
と、大幅な設計変更です。浴槽に穴を開けてしまって
から、もしダクトの位置がずれていたらどうしましょう。
開口部位置の僅かなずれを吸収させるため、
PVC製フレキカップリングに急遽変更します。
塩ビ管用の製品なので口径等の規格は同一
です。振動の吸収にもいくらか有効でしょう。
塩ビエルボ管とは嵌め合いの長さが異なる
ので、浴槽壁面との間合いを変更します。
ネジ式のクランプが付いているので、後で簡単に脱着可能です。
塩ビ管やエルボを接着剤で固定してしまうと、後で引き抜くことは
ほぼ不可能です。色々な部品が(翌日配達で)揃う世の中です。
解決すべき課題はまだ山ほどあり、壁面の穴あけ作業は
当分先です。次にリモコン配線の引き回しを整理します。
塩ビエルボをフレキカップリングに変更した時点で、
水位センサーの取り付け方法は振り出しに。
黄色のコードを引き抜き、制御ケーブルの
束の中に同居させることにします(赤・黒)。
ポンプユニットモーターへの電力ケーブルです。元は制御
ケーブル束と同居し、受光部内で分岐していただけです。
引き抜いたケーブルの先に、後で脱着
できるようコネクターを取り付けます。
電源ユニットからのケーブルを途中で切断し、受光部と
モーターへの各ケーブルにコネクタを取り付けます。
これで浴室の内外でケーブルを引き回す
作業が、かなり楽になるはずです。
リモコン受光部の背面は、制御ケーブルの束
一本のみです。使用しない穴はグルーで塞ぎます。
水位センサーの配線がそのままですが、取りあえず短絡しておきます。
センサーが強制的にONとなり運転可能です。室内つまり水中ではなく
空気中で運転してみます、空転による過熱など危険が伴いますが・・。
あれ? 予想に反してポンプの動作音はえらく静かです。水中であれ
だけ激しいジェットを作り出すのに、水がないと逆にほとんど振動しない
ようです。しばらく運転してみるも、特に過熱するわけでもありません。
この時点で、水位センサーは取り付けを見合わせることにします。
元の本体から取り出たリモコン受光部ですが、どこに
どのように設置するか、考えなければなりません。
本体内に組み込まれていたので、単体に
するとまるで「座り」が悪くなります。
アクリル材をカットし、簡単な
箱型に組み立てます。
平面部分にU字型の
切り込みを入れています。
受光部を収めるケースを製作することも考え
ましたが、防水性を確保することが面倒です。
元のケースを再利用する方が無難です。箱型の
部品を3個、受光部の底面に接着します。
ホームセンターで
購入した吸盤です。
U字型切り込みに吸盤の
首を差し込みます。
これで浴槽の脇にでも張り付けておくことができます。
常時水がかかる環境で、簡単に外すこともできて風呂
掃除の際も便利です。本体に組み込まれた状態では
手前の窓部分のみ外に出ていたので、底面や背面は
突起だらけです。削り取って体裁を良くすることも可能
ですが、水の侵入を招きかねず諦めることにします。
これだけダラダラ作業していても、機は熟すものです。
3年目にしてポンプユニット周りの改造をようやく終え、
浴槽への取り付け段階、つまり大胆にも浴槽に穴を
開ける段階に進みます。万一失敗した時の代償は・・
築年数からして浴室のリフォームになりかねません。
ポンプユニットをボードごと固定する合板を接着します。
以前に計測済みの穴あけ位置ですが、念を入れて
確認します。配管のジオメトリをCAD上に再現し
周囲と干渉がないか何度も確かめます(図版は
浴槽内側から見た開口部の配置です)。
行きます
。多分FRP製のバスタブなので
穴あけ位置さえ間違えなければ楽勝のはず・・
ですが、電動ドリルを回して直後、浴槽本体が
コンクリート製であることが判明します。
電動ドリルのパワーではとても歯が立たないので、
電気ドリル(100V)に変更して作業します。
安物のホールソーは、みるみる歯が擦り減って
いきます。歯がなくなる直前に2個とも貫通です。
噴き出し口の周囲に、フランジを
固定するためのネジ穴を開けます。
浴槽外側から穴の位置を確認します。フランジの
形に合わせて保温シートを取り除いておきます。
吸い込み口の浴槽外側には、塩ビ継手に含まれる
六角のフランジ部分が当たります。密着させるために
六角の形状に合わせて保温シートを欠き取ります。
ゴムパッキンを介して
継手を差し込みます。
フレキカップリングは脱着が自在なので、
継手部分だけを先に取り付けます。
ネジ部分を浴槽内側に
引き込みます。
内側にもゴムパッキンを入れて
真鍮製大径ナットを回し入れます。
大径ナットを締め込むとネジ部分の先が出ます。
ここに樹脂製キャップを追加することで、ゴミを
キャッチするフィルターをセットすることができます。
噴き出し口の取り付けにかかります。フランジの
外形に合わせてゴムパッキンをカットしておきます。
ゴムシートはレーザーとの相性が悪く綺麗に
カットできませんが、用を成せばOKです。
ゴムパッキンを介して
浴槽壁面に密着させます。
浴槽内側からステンレス製の
ネジを3本入れます。
同じくステンレス製ナット
(錆が心配)で固定します。
吸い込み口、噴き出し口とも取り付けた
ところで、ポンプユニットを設置します。
両配管とも脱着可能にしておいて正解です。ポンプユニット本体は
プレートごと合板にネジ固定しますが、その直前に配管を接続します。
ポンプユニット上部はタイラップで簡単に固定しています。支持プレート
と接触する周に沿って硬質スポンジシートを挟み込み、振動を吸収
させます。残る作業は電源および信号線の配線ですが、浴室内外を
行き来することになり、どこをどう通して良いものやら工夫が要ります。
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