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LEDライトの改造(守谷市おもちゃ病院)
・ほぼ週に1回、守谷市の市民活動「守谷おもちゃ病院」に出向き、先輩諸氏と共に活動しております。
・定例のおもちゃ修理とは別に、夏休み期間には小学生対象の工作教室を開催しているそうです。
・市内の小学校などを会場にして、開催時にはかなりの数の小学生が参加するとお聞きしています。
・今夏企画の一つとして、院長先生がLEDライトの改造を提案されました。
・100円ショップで販売されている「ブザー付LEDライト」を元に、LEDを7色変化のタイプに変更し、ブザーをメロディICに変更します。
・防犯用ではなく楽しいアクセサリーとして改造を加えておき、参加する子どもに本体を分解して内部を観察してもらいます。
・予め電池を抜いておき、電気製品に電池を正しく入れる方法を体験してもらいます。
・また、当工房からの提供で、キーホルダー部にアクリル製の小さなタグを取り付けてもらいます。
100円ショップで販売されているLEDライト。白色
高輝度LEDと大音量のブザーが内蔵されています。
ブザーは70~80dBの音量を発すると説明があり
本来は防犯用・緊急時に利用されるようです。
有名な100円ショップ「ダ○ソー」の製品です。
部品調達・組立ていずれも中国製です。
元のケースに入れた状態で参加者に配布
したいので、ホチキス止めを丁寧に外します。
サイドの隙間から取り出します。作業
終了後に逆の手順で元に戻します。
本体を取り出したところです。LED・ブザー・スイッチが
バランスよく配置され手の平に握りやすい形状です。
本体中央の白いボタンを押すとLEDが
点灯します。かなりの輝度です。
サイドの赤いボタンを押すと警報音が鳴ります。
そのけたたましさは防犯用としてほぼ十分です。
院長からいただいた指示は、LEDを自動的に色が変化するタイプに
変更し、警報音ではなくメロディが奏でられるICに変更することです。
上図は院長が説明用に描いて下さった回路図です。
製品の元の回路図を起こしました。2個のプッシュスイッチで
それぞれLEDと電子ブザーに通電し、ブザーの出力はTr1個を
用いて増幅し、さらに昇圧コイルを通してSPを駆動します。
院長の指示に従い、LEDを交換し、Tr・昇圧コイルを取り外し、
ブザーICは基板上に固定されているためそのままにします。
裏蓋を開けるためにネジを緩めます。
簡単に裏蓋が開きました。内蔵の
ボタン電池(3個)が見えます。
小学生たちには裏蓋を外して電池を内蔵させる
作業をしてもらうので、ボタン電池を取り出します。
電池ホルダの金具がすぐに外れてきます。
面倒を避けるために接着剤を入れておきます。
改造作業中にサイドのボタンが外れてくると
厄介なのでテープで止めておきます。
SPへの配線を外します。半田を始めてすぐに中国
品質に気付きます。リード線の処理が非常に雑です。
半田付けされたリード線はいきなり90°あるいは
180°折り曲げられて違う向きに配線されています。
昇圧コイルとTrを取り除くために
バキュームで半田を除去します。
基板ホール周りの半田が除去されれば
部品は簡単に外れてきます。
ボタン電池プラス側からの配線も
半田を溶かして外します。
元のLEDを取り外す準備として、
半田を吸引して除去します。
ここで、基板をケースに固定
していたネジを緩めます。
LEDのレフレクターとともに
基板が外れてきました。
レフレクターをいったん
外しておきます。
基板の表側を見てみます。本体中央とサイドの押しボタンで
ON・OFFするマイクロスイッチが2個取り付けられています。
既に半田が除去されているため、部品は
2・3回左右に揺すると取れてきます。
取り外したLEDです。プラス(アノード)側に
絶縁チューブが被せられています。
この絶縁チューブは再利用しますので
外してから保管しておきます。
院長から支給された交換用部品です。
7色に自動変化するLEDとメロディICです。
メロディIC「UTC UM66T08LK」。
データシートは
こちら
です。
新しいLEDに保管しておいた絶縁チューブを
リードの長い方(アノード側)に被せます。
元のLEDの長さを参考に、リードを
適切な長さに切り揃えます。
元々LEDが取り付けられた位置に
新しいLEDを取り付けます。
基板を裏返して作業しやすいよう
クリップスタンドに固定します。
最小限の半田で手早く付けます。元の半田の
融点が比較的低く作業しやすいです。
次にメロディICを取り付けます。Trが付いて
いたホールをそのまま再利用します。
こちらも手早く作業を片付けます。ボタン
電池プラス側からの配線も戻しておきます。
メロディICの余分なリードを切り揃えます。
後で説明するパターンカットとジャンパー線を
用いることで、ICをしっかり綺麗に固定できます。
ケース内での干渉を防ぐためにICを
90°横方向に折り曲げておきます。
リュータを使ってブザーICの出力とTrの
ベースを接続していたパターンをカットします。
パターンカットのついでにメロディICの電源端子(2番)を
プッシュスイッチに配線するためのランドを用意します。
間にある2本のパターンを回避するためジャンパー線を
用います。ICから切り離されたリード線を使用します。
両端を適当な長さに折り曲げておきます。
スムーズに半田付けするために少量のホワイトペーストを使用しています。腐食の
危険があるとされていますがこれまでに深刻な影響は経験したことがありません。
この時点でボタン電池をセット
して動作確認します。
これも院長のご指示で、新しいLEDはつばの
部分がレフレクターを通りません。穴を拡大します。
ドリルはモータを回すのではなく、手で少し
ずつ回します。貫通する直前で止めます。
レフレクターを嵌めてみます。
レフレクター・基板を本体内に収めます。
余分な配線はケース内の隙間に押し込みます。
元通りに裏蓋を当て、ネジを
締めて作業終了です。
今回指示された5個の改造が完了しました。
元のパッケージに収めた状態で子どもの手に
渡ります。ボタン電池は別に保管して配布します。
チェーン部分に付けてもらう
アクリル製のタグをデザインします。
DXF形式ファイルに変換し、レザー
カッターで60枚ほど切り出します。
1か所にリングを通す穴を開けてあります。ラジオペンチを
上手に使ってチェーンの一部にタグを通してもらいます。
再びリングを閉じると自分なりの作品が完成します。
小学生に是非経験しておいてもらいたい作業です。
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