
元から取り付けられていたCD・MDオーディオ 新たに取り付けられた社外品カーナビゲーション
自家用車にカーナビゲーションを取り付ける依頼を受けました。
ナビゲーションの取り付けは過去に5・6回作業の実績があり、いずれも問題なく作業を終えています。
元から取り付けられていたオーディオを取り外し、同じスロットに社外品のナビゲーションを取り付けなければなりません。
また、取り付けに先だってナビゲーション本体を手に入れなければなりません。
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1.既存オーディオの取り外し |

カーナビゲーションを取り付ける「三菱アイ」。
平成18年式、25,000km、660ccターボ、5ドア。
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アイに元から取り付けられているCD・MDオーディオ。
三菱の純正ですが実際にはAZZEST製です。
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このオーディオ、使い方が非常に分かりづらく
しかも耳を疑うほど音質がチープです。
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オーディオの取り外しにかかります。空調吹き
出し口の下からダッシュカバーを引き上げます。
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ツメで嵌め込まれているだけなのでダッシュ
カバーは丸ごと簡単に外れてきます。
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2DIN相当のスロットが完全に露出します。
上部も開いているのでアクセスが容易です。
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オーディオを固定しているネジを緩めます。ダッシュパネル
一体成型の基部にタッピングネジで留められています。
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計4本のネジのうち左側の2本は金属板を介して
留められ、電源のマイナス側をアース接続します。
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4本のネジを取り除くとオーディオ本体が簡単に
外れてきます。それなりの重量があります。
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取り外した三菱純正扱いAZZEST製CD・MDオーディオ。各部とも
機能は正常でほとんど使用感もなく綺麗です。どこかで再利用します。
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2.新たに取り付けるカーナビゲーションユニット |

カーナビゲーションを探し求めます。カロッツェリアの
メモリナビAVIC-MRZ05IIの中古品に的を絞ります。
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MRZ05IIのスペックです。同系列製品としてほぼ完成域に
あり、ぎりぎりこの10月までMap無料更新の対象です。
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オークションで手頃な価格の出品を見つけ
ました。あの手この手で競り合います。
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12年製MRZ05II。11年製MRZ05も
ほぼ同機能ですが価格が変わりません。
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付属品はこれだけで、ハーネスはトヨタ車
用、GPS・TVアンテナはないようです。
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2.取り付けステーの移行 |

取り外したオーディオから本体の取付ステーを
外します。ナビの取付に再利用します。
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側から4本のネジで固定されています。オーディオ
本体とステーの位置関係を確認しておきます。
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ステーが外れてきました。左側のステーのみ
熱対策なのか、折れ曲がって上部に被る形状です。
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取り外したステーをナビゲーション本体に当てて
みます。ネジ穴の位置は同規格のようです。
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取り外したネジを使ってステーを固定します。ネジ穴
位置に微妙なずれがあり最後の1本が入りません。
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無理をせずステーはネジ3本で固定します。
ここでいったんスロットに収めてみます。
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ダッシュカバーも取り付けてみます。2DIN規格なので問題なくぴたりと収まります。
ナビとインサイドフレーム間に僅かに隙間がありますが後でスポンジ等で充填します。
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2.ハーネス加工 |

取り外したオーディオの背面に、
変換用ハーネスが付いています。
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オーディオ側はAZZEST製
16Pのメス型コネクタです。
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車両側は三菱車仕様14Pの
三菱製オス型コネクタです。
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車両から出ている三菱車14Pメス型コネクタ、
4Pのリバース信号、ラジオアンテナです。
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ナビゲーションに付属する取り付け説明書(電源・スピーカー関係の配線)
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ナビゲーションに付属する取り付け説明書(センサー関係の配線)
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オーディオ付属のハーネスの再利用も考えましたが、
手間暇や仕上がりから市販の変換ハーネスを使います。
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ナビにはトヨタ車用のハーネスが付いています。
ギボシを抜いて1本ずつ配線対応を確認します。
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車速パルスなどセンサー類の配線はギボシを介さず、
応急的な結線で別の3Pコネクタに接続されています。
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ビニルテープを解くと剥き出しの
芯線が撚り合わされています。
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過酷な車上環境では、接続コネクタや分岐
コネクタなど確実な接続方法が必要です。
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バックランプのヒューズ抵抗は
カバー内部で接続し直します。
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ビニル線を適切な長さに切り詰めて
ヒューズ抵抗の端子に半田付けします。
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カバーを元通りに嵌め
直しておきます。
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車体側14Pコネクタのピンアサインです。有難い
ことに12番ピンに車速パルスが来ています。
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P&A CAR AUDIO製の三菱車専用ハーネス
「PA-331M」の14Pコネクタ配線図です。
使い道のないアンテナコントロール端子がある
一方で、折角車体側コネクタに配線されている
車速パルスを受ける12番ピンが空いています。
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14Pコネクタを経由しないセンサー類の配線は
新たにギボシを取り付けて抜き差し可能にします。
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微小電力の信号伝達なので小型の
ギボシを使って綺麗にまとめました。
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ナビゲーションからの配線に新しいハーネスを接続
しました。ここまではビニル線の配色が同じです。
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センサー類3本の配線には誤配線を
防ぐためタグを付けておきます。
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3.GPS+ワンセグTVアンテナの取付と配線 |

かつてナビゲーションのアンテナは、取付・配線作業が非常に
面倒なものでした。現在はこのような製品を利用できます。
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横10cmほどのフィルムをフロントガラスに貼り付ける
だけです。しかもGPS・TVが一体になっています。
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アルコールを使ってガラス表面を脱脂後、空気が入ら
ないようフィルムを貼り付け、保護シートを剥がします。
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助手席側の左上に貼り付けたところ
運転席側からはほとんど気になりません。
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車体外側から眺めてみます。当然のことながら車外には
何も突起物はありませんし、配線の出入りもありません。
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アンテナケーブルを配線します。
GPSと1セグで2本に分かれています。
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左側ピラーに沿って配線することになりますが、
できればピラーの内部を通したいところです。
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多くの車種でピラーやトリムカバーは樹脂製の
ピンで嵌め込む方式で取り付けられています。
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中には強固に嵌りこんでいるものもある中、
アイは極めて素直に外れてきてくれます。
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車体トップ(屋根)に取り付けられている
ラジオアンテナへの配線に絡ませます。
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ピラーカバーを元通りに嵌め込みます。
ケーブルの配線が全く見えません。
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ピラーを降りてきた後、グローブボックスを
うまく迂回してコンソールへ向かいます。
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ピラーから延びる左側ウェザーストリップに
ケーブルを押さえてもらいます。
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最後は針金を使ってグローブボックスの
裏側からコンソールへ引き上げます。
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余っているアンテナケーブルは
このようにまとめてテープで留めます。
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ナビゲーション本体に接続するには付属の変換ケーブルを
介して、F型からモジュラー型にコネクタを変換します。
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4.ハーネス実装・組み込み |

ハーネスの準備が全て整いました。ギボシの
接続間違いがないか入念に確認します。
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車体側14Pコネクタと接続します。また、
センサー類とアースを個別に配線します。
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ナビゲーション側のコネクタを残して
余分な配線をスロットの奥に収めます。
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奥側の配線を噛まないように
ナビ本体を慎重に収めます。
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アース側ステーのみネジ止めしていったん電源を入れて
みます。無事起動して現在地が正確に表示されます。
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各メニュー画面も表示させてみます。CDや
TVが再生されオーディオ系も正常です。
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4.動作確認・取り付け完了 |

アンテナやセンサー類の接続状況を確認します。
少し走行させると車速パルスもカウントされます。
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残りのネジを締め込み、奥側の配線を再度
確認してからダッシュカバーを取り付けます。
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半日を費やした作業が終了しました。DIN規格や信号の共通化、
汎用・専用ハーネスなど市販パーツの充実により、取り付け作業が
大幅に簡易化されています。社外品のナビゲーションであっても
ほぼ純正品と変わらない結果を得ることができます。
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ナビゲーションの設定がいったん初期化されていましたので、車速パルスや
内蔵ジャイロの動作、位置情報の補正など学習動作がしばらく続きます。
走行距離に従って位置精度がより向上してくるものと思われます。
近日中にSDカード経由でMapを最新のものに更新しなければなりません。
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