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サーキュレータ温度ヒューズ交換(2016.12.29)

サーキュレータ(扇風機)が全く回転しません。スイッチの動作不良、コードの
断線、誘導電動機ではほとんど聞きませんがモータの寿命、いくつか原因を
想定しながら修理にかかります。低価格の製品なので費用をかけられません。
 

アイリスオーヤマ製サーキュレータ
EAC-2、中国での製造です。


シンプルな筐体です。が、本体の
組み立て構造も簡単とは限りません。
 

本体両サイドにある送風機
支持部のカバーを外します。
 

底部カバーを外します。計8本の
ネジで固定されています。
 

8本のうち4本分のネジ穴には
ゴム足がはめ込まれています。
 

ゴム足を抜いた奥に
ネジが打たれています。
 

底部カバーが外れてきました。
内部には電線以外何も見えません。
 

電源コードの引き込み部です。
風量切り替えスイッチを経由します。
 

簡単なところから、コードに断線
箇所がないか点検します。
 

配線系統には特に問題ありませんが、
モータを経由する回路に導通がありません。
 

モータ本体およびモータ周りの不具合が
疑われます。さらに分解を進めます。
 

固定ネジを緩め軸受部の
留め具を外します。
 

送風機本体が外れました。作業
しやすいようコードを引き出します。
 

前面カウルとモータ収納部を
相互に固定しているネジです。
 

両者を分離させるため
固定ネジを緩めます。
 

モータに直結された3枚羽
ファンが組み込まれています。
 

前面カウルの内側です。一面に綿埃が絡まって
いるのでクリーナで吸い取っておきます。
 

ファンの回転を点検します。
抵抗があり重たく感じます。
 

軸受部の状態が劣化しているよう
です。モータを外して点検します。
 

3本の長いタッピングネジで
固定されています。
 

軸受の周囲が埃だらけです。
回転軸の表面に錆も見られます。
 

軸受部に潤滑剤を
入れてみます。
 

軸受金具の隙間にも
軽く吹き付けます。
 

反対側の軸受金具にも吹き付けます。隙間が
狭いのでゴミが絡んでいるかも知れません。
 

もう一度ファンの回転を
確認してみます。
 

潤滑剤によりいくらか改善しましたが
軽く回り続けるほどではありません。
 

もっと丁寧な手入れが必要です。
クリーナで埃を取り除きます。
 

軸受金具を組み付けている
長ネジを緩め分解します。
 

やはり状態が良くありません。回転軸の
接触部に幾筋も摺動痕が見られます。
 

#800程度の耐水ペーパで
回転軸の前後とも研磨します。
 

軸受部の劣化はモータが回転できないほどでは
ありません。もっと致命的な問題があるはずです。
 

耐熱性保護チューブの1本を抜くと、
小さな温度ヒューズが出てきました。
 

温度ヒューズが切れています。その前後で
モータ巻線には導通があり問題ありません。
 

軸受の劣化により回転抵抗が増加し、モータに
過大な負荷がかかり発熱を招いたと思われます。
 

お世辞にも丁寧な実装とは言えま
せん。温度ヒューズを取り外しました。
 

115度C、250V、2Aの温度ヒューズです。
同スペックの補修部品がなかなか見つかりません。
 

Amazonでようやく見つけ翌日配送されるつもりで
注文すると、中国からの発送で3週間の納期でした。
 

1本あれば間に合うのに
10本入りで送料無料です。
 

溶断温度が115度Cではなく130度Cです。実際には
10%前後の誤差があるのでこのまま使用します。
 

ビニルコードの先端を半田処理し
熱収縮チューブを入れておきます。
 

端子を短く切り詰めて、ビニル
コード端と半田付け接続します。
 

半田付け部分に熱収縮チューブを
引き戻して被せ、熱収縮させます。
 

発熱源の巻線(コイル)に密着するよう固定
位置を決定し、他方の巻線の長さを調整します。
 

巻線(エナメル線)の端を処理します。
先にエナメル被覆を削り取ります。
 

銅線を露出させ半田で
コーティングします。
 

巻線(エナメル線)側も半田付け接続し
耐熱性保護チューブを引き戻して被せます。
 

配線をひとまとめにしビニル
テープで巻線全体を覆います。
 

不具合の根本原因、溶断した温度ヒューズの交換を
終えました。これでファンは問題なく回転するはずです。
 

モータ収納側に元通り
モータを取り付けます。
 

ファンの羽にこびり付いた汚れが
あります。コンパウンドで落とします。
 

完全に汚れが落ちて
光沢が戻りました。
 

カウルを組み付けます。

 

送風機本体の角度を調節する際、中間
位置で半固定するための爪を仕込みます。
 

軸受固定用の部品を取り付けます。
刻まれた6か所の溝で半固定されます。
 

温度ヒューズ1本のために長く
修理の中断を余儀なくされました。
 

ようやく底部カバーを組み付け
ゴム(ウレタン)足をはめ込みます。
 

ご依頼主をお待たせしてしまった穴埋めに、本体表面をコンパウンドで
クリーニングします。深く入り込んだ汚れや傷もほとんど消えました。

 
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