
スチーム洗浄機や高圧洗浄機で有名なケルヒャー社(ドイツ)製のバキュームクリーナーです。
市内の児童館の備品で、使用中に電源が入ったり切れたりを繰り返し使用できないそうです。
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消費電力が1000W、ハイパワーの頼もしい
掃除機です。イタリアで組み立てられています。
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電源コードをコンセントに接続しスイッチを入れてみます。
モーターが勢いよく音を立てていったん起動しますが・・
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スイッチの反対側から出ている電源コードを手で
揺する度、電源が切れたり再び入ったりします。 |

引き込み部で電源コードが内部断線していることが
分かります。コードの根元は何も保護されていません。
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留め金を外してモーター部を引き上げます。
内部は清掃されゴミが残っていません。
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電源コードの引き込み元にアクセスする必要があります。
モーター部を逆さに置いて組み付け具合を確認します。
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中型のクリーナーにもかかわらず、ネジ4本に
よる割と簡単な組み付け構造をしています。
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組み立てラインの電動ドライバに合わせているのか、
センターに穴のあるマイナスネジが使用されています。
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40mmほどのタップネジです。樹脂(ABS?)
パーツに深く潜り込み締結力を生むようです。
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この段階で内部の電源コードにアクセスできるようになり
ました。白いクッションシートは排気通路の防音材でしょう。
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クッションシートを捲り上げると、カバー裏側の
壁面に沿って電源コードが引き回されています。
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作業しやすいように引き込み口のコード
固定部品を先に取り外しておきます。
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この固定部品をくぐり抜ける辺りに内部断線が
あるはずです。思い切って手前側を切断します。
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続けて内部に引きまれた先でも切断します。
固定具に締め付けられていた跡が残っています。
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切り出した(内部断線があると思われる)電源コードの一部です。
カッターで被覆に切り込みを入れ、芯線を取り出してみます。
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ありました、断線箇所の発見です。
白色のビニル被覆が一部焦げています。
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焦げた部分で簡単に切れてしまいました。
断続する度に発熱していたようです。
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電源コードを無駄にしないため、切断した
部分で互いに繋ぎ合わせて修復します。
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外側のビニル被覆をそれぞれ
30mmほど取り除きます。
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芯線のビニル被覆(白・黒)をそれぞれ15mmほど
芯線(銅線)を傷つけないように取り除きます。
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絶縁および保護用に、熱収縮
チューブを先に入れておきます。
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芯線どうしをきつく撚り合わせて接続します。熱収縮
チューブが反応するので半田引きは見合わせます。
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先に入れておいた熱収縮チューブを、
撚り合わせた部分に移動させます。
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ライターの火で軽く炙り、熱収縮
チューブを十分に収縮させます。
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芯線の周りに密着しています。
絶縁性・耐久性ともに十分でしょう。
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さらに外側被覆に入れておいた熱収縮
チューブを接続部分に移動させます。
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ライターで炙り外側のチューブも収縮
させます。耐久性がさらに向上します。
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電源コードを無理のないよう内部で引き回し、
ネジを締め付けて固定具を元に戻します。
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フィルターを取り付ければ作業終了のはず
ですが・・、まだ綿埃が残っているようです。
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掃除機にブラシノズルを取り付けて
フィルター表面全体を吸い取りますが・・
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フィルター(ペーパー製)の襞を開いてみると
折り込みの奥まったところに綿埃が見えます。
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他の部分も確認すると、全ての折り込み
内にぎっしりと綿埃が詰まっています。
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掃除機のノズルを隙間ノズルに交換し、奥まった綿埃を一箇所
ずつ丁寧に吸い出します。折り込みは全部で100以上あります。
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全ての折り込み部分を清掃し終えました。
吸い込み効率が格段に向上するはずです。
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本来ならば補修部品で新しいフィルターに
交換すべきですが、これでほぼ新品同様です。
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ネジを締め込んでモーター部の
カバーを元通り組み付けます。
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綺麗に蘇ったフィルターを
元の位置に嵌め込みます。
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フィルターを固定するねじ込み式
キャップを取り付けます。
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電源コードの出口に保護がないままなので、
再び内部断線が起こる可能性があります。
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修理完了です。電源スイッチをON・OFFして動作を確認します。
スイッチ操作に従ってモーターが確実に動作・停止します。
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