工房で使用している年代物の三菱製電気掃除機です。確か学業を終えて就職した
直後に購入したもので、独身時代からの付き合いです。一度廃棄するも取り戻して
きて、あちこちメンテしながら使ってきました。かなり以前に片側の走行ホイールが
破損し、接着や溶接で何度も修理してきましたが、先日ついに破局を迎えました。
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車軸の周囲が完全に破断しています。これまでに半田ごてや小型バーナーで
溶接を繰り返したため、破損部周囲の肉厚が損なわれもはや修復不能です。
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40年近く昔の製品なので、補修部品があるわけがありません。同等の
部品を自製することにします。無傷の反対側ホイールから採寸します。
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掃除機本体に嵌まる爪部分も正確に再現します。
全体的に単純な形状で、製作は難しくありません。
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久しぶりに3Dプリンタの登場です。製作前に
Z軸昇降用フランジナットの形状を調整しました。
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成型テストしてみます。Z軸の偏心とX軸方向の
ぶれが改善され、幾分成型が安定しています。
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出力を開始します。エクストルーダをダイレクト型に
変更しているので、フィラメント射出が安定しています。
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1st・2ndレイヤともに隙間や欠損が全く見られ
ません。非常に順調です、がここで帰宅します。
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出力完了まで4時間ほどかかっています。
翌朝、成形の結果を確認します。
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掃除機のホイールとして十分な品質です。
PLA樹脂とはいえ強度も十分です。
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爪部分はオーバーハング構造のため
サポート材が形成されています。
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ニッパでサポート材を取り除きます。
接着剤を浸透させ爪部分を補強します。
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出来上がったホイールを破損側に装着して補修完了です。
PLA樹脂の元の色のままですが、あえて塗装などしません。
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片側だけホイールが付いていない掃除機は、見ていて不自由そうで不憫でした。
三菱用の紙パックは100円ショップでも販売されています。まだまだ現役です。
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