DENON製CD・MDレシーバD-A03の修理依頼です。症状は「CDが聴けない・・」と
だけ伺っております。このところCDやカセットプレーヤ、ラジカセ類の修理を多く依頼され
ますが、周囲で見かけるほとんどのものが、どこか故障していてそのまま保管されている
ように思います。多くの場合、簡単なメンテで復活します。守谷工房にお問い合わせ下さい。
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「ラピシア」の名称で2001年8月に発売、上下
するCDクリアドアなど洒落たデザインです。
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スタイルが重視され、背面側の端子類も
引き込まれてフラット化が図られています。
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先代のD-A3からモデルチェンジされた機種で、
現在もDENONのサイトに詳細が残っています。
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CDが再生されないとのことなので、取りあえず
ピックアップのレンズをクリーニングしてみます。
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CDをセットすると自動的に回転してTOCが表示され
ます。そして付属のリモコンで問題なく操作できます
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しかし、本体の操作ボタンで操作すると
非常に反応しづらく、時に全く反応しません。
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この本体上面に並ぶ操作ボタンに問題があるようです。
厄介なピックアップのトラブルではなくひと安心です。
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操作ボタンにはマイクロスイッチが使われ、
その接点の劣化が進んでいるのでしょう。
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本体の分解を進めます。ネジが多用され
全体的にがっしりと組み付けられています。
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ネジを全て緩め筐体を前後に分離します。
隙間にドライバの先を入れこじ開けます。
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まだネジが残っているのでは、と思わ
せるほど固く組み付けられています。
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ネット上に同型機の分解例を見つけました。
ネジに加えシームテープが使われています。
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両面テープによる接着を剝がすため、
時間をかけゆっくりこじ開けていきます。
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ようやく隙間が広がり、
前後が分離してきました。
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テープの粘着力をある程度挫くと、
後は一挙に分離していきます。
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出力段のパワートランジスタと大きな放熱器が見えます。スピーカー
には左右とも8cmウーハーと2.5cmツィーターが使用されています。
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やはり操作ボタンの正体はマイクロスイッチです。
スイッチユニットとしてネジ止めされています。
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左右の固定ネジを緩めて
取り外そうとしますが・・
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真下に広がる回路基板やドライブユニットに
阻まれ、とても取り出すことができません。
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大がかりな作業になるので、できれば
避けたいのですが止む無く先に進みます。
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大きな回路基板が外れました。コネクタに
よる多くの配線も、全て抜いておきます。
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続いて、回路基板の下に位置するCDとMDの
ドライブユニットを取り外さなければなりません。
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スイッチユニットの直下にある
固定ネジを左右とも緩めます。
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ここまで作業した時点で・・、ドライブ類を取り外しても
スイッチユニットは簡単に外れないことに気づきました。
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合体した操作ボタンモジュールとスイッチ基盤が、
不可逆的(一方向的)に本体に嵌め込まれています。
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試しに、1個だけ独立している電源スイッチを無理に
取り出すと、操作ボタン基部が損傷してしまいます。
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マイクロスイッチの交換ができても、操作
ボタンを破損させては結果はマイナスです。
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完璧な修理にはなりませんが、潤滑剤を
注入してスイッチ接点の回復を図ります。
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スイッチユニット部は隙間が限られており、潤滑剤スプレーのノズルが
ぎりぎり入る状態です。マイクロスイッチの頭部を狙い数回吹き付けます。
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操作を繰り返すことで酸化膜形成部分に徐々に
潤滑剤が浸透し、接点が回復してきました。
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本体を開けたついでに
内部をクリーニングします。
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奥まったところに綿埃が
大量に集積しています。
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アクリル製のCDスライドドアは、ステンレス製六角
ネジでスタイリッシュに固定されているのですが・・
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錆が噴き出て外観を大きく損なって
います。取り外して研磨します。
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上面を耐水ペーパーに押し当てて
丁寧に研磨し、錆を落とします。
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軸部をドリルに咥えさせて
回転し、側面も研磨します。
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取り外したアクリル製スライドドアです。
表面が汚れ隙間に埃が入り込んでいます。
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円盤部を外して内側を清掃し、
コンパウンドで汚れを落とします。
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光沢を取り戻したステンレス製六角ネジと、
クリアなアクリルドアが本来の印象を引き立てます。
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付属のリモコンも問題を抱えていました。カバーの
爪が折れ、セロテープで留められていました。
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接着剤で補修します。手前の小さな爪は
アクリルで自製して取り付けておきます。
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