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ガーデンフェンスの改修工事(2016.5.1)

千葉県柏市常磐高速道近くの個人宅から、ガーデンフェンス(外塀)の
改修工事の依頼をいただきました。総延長22mほどの木製フェンスで
35年ほど経過して補修が効かないほど老朽化しています。個人事業の
工房にとっては大工事になります。現地調査に伺ったのが3月上旬で、
4月に入り本格的に工事を進め連休に入ったところで完成を見ました。
*写真をクリックすると完成状態をご覧になれます。
 

現地調査時の様子です。何度も再塗装された
そうですが横木・縦板とも腐蝕が進んでいます。
 


コンクリート製支柱に固定されています。
損傷もなく頑丈なので再利用します。
 

フェンスの改修に加えて植栽の手入れも必要
です。少なくとも枯れ木は全て撤去します。
 

伸び放題の枝葉がフェンスを押し広げて
います。通風もよろしくありません。
 

老朽化していた横木・縦板を全て撤去します。ほとんど道具を使うこと
なく取り外すことができました。フェンスの役を果たしておりません。
 

撤去した古材を積み上げています。
細かく刻んで可燃ゴミで処分します。
 


庭内の土が流れ出ないようブロックが
並べられています。これらも撤去します。
 

枯れ木を伐採し枯れ枝も大胆に剪定しました。
フェンスとの干渉を可能な限り回避します。
 


家屋西側の壁面です。茂みがなくなり
通風状況がかなり改善されると思います。

 

露出したコンクリート支柱を補修します。ハンドグラインダで
古いアンカーボルトを切り落とし、全体を白で塗装しました。
 

新たにビーム(横木)を渡すため、ビットでネジ穴を
開け、建築金具をコンクリートネジで固定します。
 

建築金具には予め錆止め塗装をしておきます。
450mmの間隔で上中下3段分を取り付けます。
 

レーザー水準器により正確な水平が出ています。
建築金具を固定した上から再度白で塗装します。
 

何本かのコンクリート支柱は垂直が出て
いません。基礎部を叩いて修正します。
 

支柱(再利用)の補修を終えました。コンクリートに混入されている
砂利が非常に硬く(良質)、振動ドリルによる穿孔に時間がかかり
ました。またコンクリート用ドリルビットを10本近く使用しました。
 

2本の古い松はどうしても干渉を回避できません。
中継用の支柱を2本追加することにしました。
 

ビーム(横木)を取り付けていきます。防腐処理
済みの90mm×40mmヒノキ材を使用します。
 

1800mm長の材料を相欠きで継ぎながら渡します。
コンクリート支柱と合体して強固な構造体になります。
 

追加した支柱を利用しビームを一部
切り欠いて松との干渉を回避します。
 

ビームの取り付け作業を終えました。手前コーナー
部の造作は、後で現物合せにて切断・成形します。
 

ビーム材を白で塗装します。縦板を張り付けた後では
無塗装部分が大きく残るため前もって作業します。
 

丁度季節の変わり目にあたり、庭木が
一斉に色付き緑を増してきました。
 

コーナー部分の造作です。箱組みに近い
構造をしているので一段と強固です。
 

ビームの塗装を終え、外周の風景がかなり変わって
きました。庭木も含めた景観が一挙に向上しています。
 

縦板(20mm×90mm防腐処理済みヒノキ材)を
用意します。現場搬入前に予備加工しておきます。
 

クランプで固定し木端・木口面を塗装します。さらに張り付け
裏面も塗装し、必要サイズ(1200mm)で剣先カットします。
 

予備加工を終えた縦板を現場搬入し、ステンレス製コーススレッドにて
ひたすら固定していきます。隙間55mm、縦板間隔145mmの設定です。
 

コーナー部分での張り付け仕舞いに備え、縦板の
間隔は140mm~150mmの範囲で調整します。
 

剣先の角度は無難なところで120度です。1枚
当たり上・下段各2本、中段1本で固定します。
 

2本のうち南側の松との回避部分です。ここに
地面の高低差を吸収する段差を設けました。
 

北側の松との回避部分です。中・下段のビームを
切り欠き、縦板を1枚略すことで干渉を避けています。
 

縦板(120枚強)を全て貼り付け終えました。表側はこの状態を待って塗装
します。作業姿勢的に都合が良いことと、コーススレッド跡を隠蔽するためです。
 

100mmのローラー刷毛を用いて縦板表(おもて)面を
塗装します。ブルーシートで縁石を養生しています。
 

大きめの平刷毛を用いた方が塗料を密着させ
易いのですが、この面積なのでローラーです。
 

ブルーシートを移動しながら塗装を進めます。コーナー部の
傾斜が気になり、補正するため一部縦板を外しています。
 

陽が傾き始める頃、2回目の塗装に入りました。
重ね塗りにより発色や耐久性がはるかに向上します。
 

張り付け作業から時間が空き、変色が進んで褐色が
強くなっていましたが、重ね塗りでほぼ潰れています。
 

剣先部分は防腐剤塗布の後、厚めの塗装を3回
繰り返しました。白が映えて爽快な印象です。
 

ようやく完成致しました。定期的な補修(再塗装)を前提に、防腐処理済みのヒノキ材の
耐用年数は10年ほどです。工房にご依頼下さればもう少し長持ちさせられると思います。
*写真をクリックすると元の状態をご覧になれます。

 
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