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バスルーム水栓ハンドル交換(2015.06.20)
 

バスルーム内にはシャワー栓とは別にバスタブ給水(湯)用の水栓が取り付けられていることがあります。
シャワー栓は配管が壁面に露出しておりユニットごと交換できるため作業は比較的簡単です。
給水栓では配管が壁面内に埋没しているため大型の工具が必要で、代替部品もあまり出回っていません。

25年以上経過する水栓は、材質の劣化が進み汚れが落ちにくくなっています。
ハンドルだけでも新品にしようとホームセンターで交換用のハンドルを入手してきました。
ところが、僅かな規格の違いのため取り付けることができず、一部の部品を独自に製作して対応しました。

 
 ハンドルの取り外し

内部で腐食が進み外側をクリーニングしても
綺麗にならず、キャップも紛失しています。
 

ハンドルを引き抜くとスピンドルに樹脂製の
インサートがねじ止めされています。
 

ハンドルの内側は水垢がこびり付いています。
インサートと噛み合う溝が刻まれています。
 

ネジを緩めてスピンドルから
インサートを引き抜きます。
 

インサートの内側にはスピンドルと
噛み合う溝が刻まれています。
 

インサートの外側にも溝が刻まれており
ハンドル内側の溝と噛み合います。
 
 交換用ハンドルの問題

ホームセンターで汎用品として販売
されている交換用ハンドルです。
 

家庭用によく見かけるタイプですが、新品
ならではの透明感や輝きがあって綺麗です。
 

内側には予めインサート(金具)が挿入されて
いますが、何故かスピンドルに嵌りません。
 

インサート金具を取り外して調べると
内側に刻まれている溝の数は19です。
 

元のインサート(樹脂製)に戻ってスピンドルと
噛み合う溝の数を調べてみます。
 

元のインサートには溝が20刻まれています。つまり
スピンドルの外周に刻まれている溝が20ということです。
 

購入した交換用ハンドルには、規格の違うスピンドルに
対応できるよう計4個のインサート金具が付属しています。
 

パッケージの裏面にそのような説明があります。
しかし試してみると・・・何と4個とも合いません。
 
 インサートを独自に製作する

外周溝20のスピンドルに合うようインサートを独自に
製作します。外径10、内径9の間を9度で分割します。
 

2mmのアクリルを5枚重ねて元のインサートと同じ高さ
10mmにします。下端の1枚にはつばを付けます。
 

DXFファイルに変換後、レザーカッターで部品を
切り出します。1個当たり4枚用意します。
 

つば付きの部品も切り出します。接着に
備えて保護紙をはがしておきます。
 

5枚の部品を垂直方向に正確に揃える必要が
あります。いったんスピンドルに通して重ねます。
 

隙間なく重ねた状態で隙間に接着剤を流し
込みます。不足分は取り外してから補います。
 

出来上がったインサートです。金具が望ましいのですが
ハンドルのトルクに耐えられれば良いので十分です。
 

ハンドル内部に挿入してみます。

 
 新しいハンドルの取り付け
 
ガタが大きいとトルクに耐えられず破損する
心配がありますが、ぴったり嵌っています。
 

先にスピンドルにインサートを
嵌めておきます。
 
 
ハンドル本体をインサートと溝が
正確に噛み合うよう嵌めます。
 

固定用のネジを締め込みます。

 

ネジ穴の上に化粧キャップを嵌め込みます。
冷水用に青色、温水用に赤色を使用します。
 

インサートが合わず一度は諦めようかと
思いましたが、無事作業終了・完成です。
 
   
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