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コードレスフォン子機修理(2017.4.3)

家庭用コードレスフォン、と言いましても今どきコード付き電話は珍しくなり
ましたが、子機の押しボタンが反応しなくなりました。テレビやエアコンの
リモコンと並んで非常に多いトラブルです。リモコンならば電器店にある
安価な汎用品で代替できますが、電話機ではそうはいきません。製造
元に修理に出す、同等品をあらためて購入する、いずれも高くつきます。


主に携帯電話を利用しているので、いっそ
廃棄してしまおうとお考えだったそうです。
 

ボタンのいくつか(実際にはほとんど)が
機能しません。操作しても無反応です。
 

内部のスイッチ接触不良が原因です。
裏カバー(電池カバー)を開けます。
 

2台の子機いずれにも同じ不具合が
あります。2台を同時に分解します。
 

2本のネジで本体カバーが固定されて
います。ネジ溝が星型の特殊ネジです。
 

特殊ドライバービットのセットです。
最近、登場場面が少なくありません。
 

不用意な分解やいたずら防止用の特殊ネジ
ですが、ビットが噛み合うと確実に回ります。
 

一般的な十字溝よりもネジ山を
損傷する危険性が小さいです。
 

隙間にマイナスドライバーの先を差し込み
上下カバーの篏合を慎重に外していきます。
 

傷防止のため樹脂製カードや専用ツールの
使用が推奨されますが、既に開いてしまいました。
 

篏合部周囲4か所の爪で嵌まっています。大概
ここまで来るのに半分くらいの時間がかかります。
 

いい加減な作業をするとカバー表面に
傷を残したり爪を折ることがあります。
 

発話用のコンデンサマイクを外します。
基板から出るリード線で接続されています。
 

上部の受話用スピーカの近く、2本の
ネジで基板が固定されています。
 

さらに基板中ほどの位置で、もう
2本のネジで固定されています。
 

基板の裏側に押しボタンのスイッチ端子を
構成するプリント配線が広がっています。
 

銅箔面の状態は悪くありません。
念のためエタノールで清掃します。
 

こぼした飲み物などが入り込み銅箔が腐食する
ことがあります。その場合は軽く研磨します。
 

基板に重なるラバーシート側に、端子を
短絡させる導体が形成されています。
 

導体として塗り付けられているカーボン材が
汚れたり劣化することで接触不良が起こります。
 

カーボン塗料を含む専用ペンで導体を形成し直します。
完全に乾燥するのを待ち2~3回重ね塗りします。
 

本体を組み上げる前に
動作テストを行います。
 

付属のバッテリーを
一時接続します。
 

全ての数字・記号・機能
ボタンの動作を確認します。
 

組み上げに入ります。充電用外部
端子になる金属部品を入れます。
 

上下のカバーを元通りに
正確に嵌め合わせます。
 

充電端子の金具はカバー下部の
スリットに入り込みます。
 

ネジを締めて上下カバーを
しっかり固定します。
 

あらためてバッテリー(充電式電池)を
装填します。標準のNi-Cd電池です。
 

電池カバーを戻します。退色のため
2台の子機間で色合いが異なります。
 

再度全機能について動作を確認します。
軽くボタンを押すだけで正しく動作します。
 

2台とも修理を終えました。メーカーに修理を依頼すると、おそらくラバーシートが交換される
のでしょう。さもなくば子機自体の買い替えを勧められます。守谷工房もご検討下さい。

 
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