工房の主力印刷機レーザープリンタです。元の職場で廃棄になったものを
譲り受けてきました。元々紙が詰まりやすく定着器のゴムローラに深刻な
損傷がありました。未使用のトナーカートリッジが残っているので、再生品の
定着器ユニットを手に入れ、感光体ユニットのタイマーを偽装しながら何とか
使い続けてきました。工房のチラシを大量作成中にトラブルが発生しました。
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2005年12月発売のEPSON製ビジネスプリンタ
OffirioLP-S4500、3パスのカラーレーザーです。
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印字品質や速度ばかり追求される中、ようやく
ペーパーハンドリングが重視され始めた頃の機種です。
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連続して数十枚印刷すると、途中で紙詰まりを
起こします。同時に本体が異常に熱くなります。 |
「紙を取り除いてください」と表示が出ますが、
異常な発熱に関しては警告等何も出ません。
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詰まっている紙を取り除くため、
上部と手前2か所のカバーを開けます。
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先に定着器の隙間に挟まっている紙を取り除きます。
定着器の本体および周辺は異常に過熱しています。
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定着器をスムーズに通過できなかったため、トナーの定着にムラがあり
ます。また、触れないほど紙が熱くなっており、一部は焦げ始めています。
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用紙カセットを出たところで、もう1枚次の
用紙が詰まっているので取り除きます。
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転写ベルトに用紙に転写され損なったトナーが残っています。
連続時に問題が発生するのは、異常過熱と関係しそうです。
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定着器を取り外して点検するため、外装部品を中心に分解を
進めます。操作パネル固定パーツの止めネジを緩めます。
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固定パーツが外れると、操作パネル
および周辺部品は簡単に分解できます。
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操作パネルを上に引き上げ、
根元の爪を解放して外します。
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操作パネルへの信号ケーブルと
アース線がコネクタ接続されています。
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ケーブル・アース線とも丁寧に
コネクタごと抜き取ります。
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操作パネルの下に、漏斗のような形状を
した一体成型部品が収められています。
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本体右サイドに開口するクーリング
ファンからの気流導入用フードです。
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フードの上下を通りケーブルが数本
コネクタで接続されています。
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定着器を取り外すには、予め
コネクタ接続を全て抜いておきます。
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右コーナー部の内側に、もう
1本コネクタ接続があります。
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定着器の取り外しにかかります。
先に左側の外装部品を外します。
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外装部品の下に上カバーの固定と高圧
コネクタを保護するパーツが見えます。
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パーツの内側に打たれている
固定ネジを緩めます。
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パーツを外すと上カバーの固定が
解かれて取り外し可能になります。
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印刷済用紙スタッカ手前の上カバーを取り外します。
用紙送りの補助機構が複雑に取り付けられています。
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定着器ユニットは通常のネジによる固定ではなく、
金属製スリーブを介して正確に位置決めされる方式です。
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左右に2本ずつあるネジを、途中まで緩める
だけでユニットを取り出すことができます。
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右側上段のネジを緩めます。内部に
トナー粉末がかなり散乱しています。
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定着器に高電圧を供給するコネクタを抜きます。
十分に絶縁対策が施されています。
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定着器がユニットごと外れてきました。かなり重量があり突起部や
数本のケーブルを従えているので、損傷させないよう留意します。
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作業しやすいよう作業台の上に移動させてきました。電源を
切ってから時間が経っているので「熱く」はありません。
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下側からヒートロールとプレッシャーロールの状態を確認
します。トナーが少し付着していますが良好な状態です。
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疑わしいのはこのセンサーです。ローラー
表面の温度を監視する熱電対だと思います。
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右端に1個と中央部に1個の
計2個が取り付けられています。
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このセンサーに問題があると、ローラー表面温度が
限度を超えてもヒータへの電力供給が制限されません。
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まず、中央部に取り付けられて
いるセンサーを外してみました。
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特に問題ないようです。僅かにトナーが
付着しているので清掃しておきます。
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次に右端のセンサーを外して点検
します。手前方向に抜き取ります。
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酷い状態です。得体のしれないやや粘性のあるゴミが付着し、カビのような色に
変色しています。厚みが1mm近くあり、断熱材のような役を果たしています。
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消毒用エタノールを用いて
清掃(拭き取り)します。
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センサーは耐熱性ポリイミドフィルムに表面
実装されているようで、拭き取りは簡単です。
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完全に汚れを除去できました。これで
センサー感度の問題は解消すると思います。
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ローラー表面の汚れもエタノールを
用いて丁寧に清掃します。
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定着器をプリンタ本体に戻します。各部が
入り組んでいる中に正確にセットします。
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先に定着器の左側を位置決めし、後から
右側を落とし込むと上手くいきます。
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この金属バーは手前カバーの開閉によって前後します。
カバーを閉じぎみにしないと定着器がつかえます。
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気流導入用フードを元に戻し、
ケーブルを全て差し込みます。
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操作パネルを元に戻します。前もって
内側のケーブルを接続しておきます。
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開閉軸を合わせて上カバーを取り付けます。
左側の固定・保護パーツを元に戻します。
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最後に左側の外装パーツを取り付けます。定着器ユニットは
この程度の分解でアクセスできるよう設計されています。
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上カバーと手前カバーを閉じて電源を入れます。完全に
閉じないと定着器系統に電力が供給されません。
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テスト印刷してみます。数枚程度であれば
問題なくスムーズに印刷されてきます。
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問題は数十~数百枚を連続印刷した場合です。センサーが機能しているので
極端な過熱の心配はなくなったようです。しばらく様子をみることにします。
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