SONY製ポータブルラジオSRF-M807の修理を受けました。
今年は台風が関東寄りの進路をとりがちで、ラジオは必帯品です。
誤って落下させてしまい、以来音声が出なくなっているそうです。
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さすがにSONY製、洗練されたデザインの中に
必要な機能が使いやすく組み込まれています。
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電源SWを入れると、音声が出る時と出ない時が
あります。本体を軽く叩くと状況が再現します。
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同製品は既に生産終了していますが、SONYの
WEBにはまだ製品仕様が掲載されています。
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取扱説明書をお持ちでないそうですが、
WEBからダウンロードできます。
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軽い衝撃で状況が再現するということは、おそらく
内部で結線が切断しかかっていると想像できます。
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バッテリーホルダの内部に小さな止めネジが
1本見つかりました。取り合えず外します。
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SONYほどのメーカーは筐体の造り込み、
部品の嵌め合わせが非常にシビアです。
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ドライバの先を少しずつ差し込みながら、
筐体を損傷しないよう慎重に分離させます。
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上下の筐体に実にバランス良く基板・部品が配置されて
います。両者は2枚のFケーブルで接続されています。
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作業性を向上させるため、フラット
ケーブルは2枚とも抜いておきます。
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故障の原因が判明しました。バッテリーホルダの金具端子から
内部に電源を引き込むビニルコードが外れかかっています。
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ピンセットでつまむと、この通り簡単に外れてきます。
リング状の金具に辛うじて引っかかっていました。
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軽く叩く度に電源が入ったり
切れたりするのはこのためです。
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ビニルコードの先端を少し切り詰め、内部での
取り回しを修正しながら半田付けし直します。
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製造段階でこの部分は手作業でしょうから、
僅かながらも半田付け不良があったと思われます。
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2枚のフラットケーブルを元の位置に戻します。
途中でへし折らないよう丁寧に差し込みます。
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高精度に成形されている上下の筐体部品を合体させ
ます。操作ツマミが全て所定の位置にあるか確認します。
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最後はパチンという小気味良い音がして
筐体が隙間なく嵌まり込み合体しました。
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修理完了です。問題なく動作することを確認し、ダウンロードした
取扱説明書のプリントアウトを添えてご依頼主にお返しします。
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