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SONYポータブルラジオ修理(2016.8.22)



SONY製ポータブルラジオSRF-M807の修理を受けました。
今年は台風が関東寄りの進路をとりがちで、ラジオは必帯品です。
誤って落下させてしまい、以来音声が出なくなっているそうです。

 

さすがにSONY製、洗練されたデザインの中に
必要な機能が使いやすく組み込まれています。
 

電源SWを入れると、音声が出る時と出ない時が
あります。本体を軽く叩くと状況が再現します。
 

同製品は既に生産終了していますが、SONYの
WEBにはまだ製品仕様が掲載されています。


取扱説明書をお持ちでないそうですが、
WEBからダウンロードできます。
 

軽い衝撃で状況が再現するということは、おそらく
内部で結線が切断しかかっていると想像できます。
 

バッテリーホルダの内部に小さな止めネジが
1本見つかりました。取り合えず外します。
 

SONYほどのメーカーは筐体の造り込み、
部品の嵌め合わせが非常にシビアです。
 


ドライバの先を少しずつ差し込みながら、
筐体を損傷しないよう慎重に分離させます。
 

上下の筐体に実にバランス良く基板・部品が配置されて
います。両者は2枚のFケーブルで接続されています。
 


作業性を向上させるため、フラット
ケーブルは2枚とも抜いておきます。

 

故障の原因が判明しました。バッテリーホルダの金具端子から
内部に電源を引き込むビニルコードが外れかかっています。
 

ピンセットでつまむと、この通り簡単に外れてきます。
リング状の金具に辛うじて引っかかっていました。
 

軽く叩く度に電源が入ったり
切れたりするのはこのためです。
 

ビニルコードの先端を少し切り詰め、内部での
取り回しを修正しながら半田付けし直します。
 

製造段階でこの部分は手作業でしょうから、
僅かながらも半田付け不良があったと思われます。
 

2枚のフラットケーブルを元の位置に戻します。
途中でへし折らないよう丁寧に差し込みます。
 

高精度に成形されている上下の筐体部品を合体させ
ます。操作ツマミが全て所定の位置にあるか確認します。
 

最後はパチンという小気味良い音がして
筐体が隙間なく嵌まり込み合体しました。
 

修理完了です。問題なく動作することを確認し、ダウンロードした
取扱説明書のプリントアウトを添えてご依頼主にお返しします。

 
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