庭木の剪定作業に重宝するマキタ製エンジンヘッジトリマー(EH451)の整備を行います。
ある日突然エンジンがかからなくなりました。
長年、点検もクリーニングもされずに酷使され、キャブレター周りに汚れがこびり付いています。
キャブレターのオーバーホールを中心に整備作業を進めます。
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キャブレター(気化器)の取り外しと分解
キャブレターは本体の右側面に外付けされています。エアクリーナーと一体に組み付けられており、簡単に取り外して
整備できるよう設計されています。
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エアクリーナーの樹脂製カバーを開けると、スポンジ製のフィルターとキャブレター部組み付け用のネジが見えます。2本の
長ネジを緩めていきます。
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エアクリーナー、キャブレター、スロットルワイヤーブラケットが同時に外れてきます。スロットルワイヤーも邪魔にならないよう
ドラムレバーのスリットから外しておきます。
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ご覧の通りキャブレターの外周はオイルまみれの汚れがびっしりこびり付いています。4本のネジを緩めてから、まず手動燃料
ポンプ部を分解します。
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ポンププレートと共にプライミングポンプ(キャップ)が外れると内部のゴム製バルブが見えます。さらにポンプ樹脂部を外すと
中間ダイキャストの上にダイヤフラムがセットされています。
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中間ダイキャストも外し、最後に手に持っているのはガスケットの残った本体ダイキャストと
スロットル機構部です。ダイヤフラムの裏側すなわち中間ガスケット内部のシーソー板や
バルブピンにも錆などトラブルの可能性がありますが、交換用ダイヤフラムやガスケットが入手
できてから点検・補修を行うことにします(後日分解したところ錆などもなく全く綺麗でした)。
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キャブレターの洗浄
キャブレター内部はスラッジの集積もなく非常に綺麗な状態です。ガム状の汚れ落としには専用のクリーナー(キャブレター
クリーナー)を使用しますがその必要もなく、外側の泥汚れは住居用洗剤で十分です。ブラシをかけながら丁寧に清掃します。
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簡単に汚れが落ちてこの通り綺麗な状態が蘇りました。ここまではドラムレバーを組み付けたままで作業してきましたが、
その中にあるドラム本体やジェットニードルなどデリケートな部分の汚れが気になります。
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ドラムレバーの固定ネジを緩めます。同時に、ジェットニードル(元部分がネジ加工された一体部品)も緩めておきます。
この時、ジェットニードルの締め込み具合を確認し損なったため後で少し面倒なことになります。
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スロットルドラムが抜けてきました。洗浄時の水分が残っていますが、特に汚れなど問題はありません。ジェットニードルの
先端部分とニードルジェット(燃料の噴射側)の汚れも確認します。念のためキャブクリーナを吹いておきます。
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余分なクリーナーと残っていた水分をエアを吹き付けて飛ばします。ドラム本体はウェスで丁寧に拭き取っておきます。
割と単純な構造なので、奥まったところに砂粒などが詰まっている可能性は低いと思われます。
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組み上げとシリンダーブロックへの取り付け
洗浄を終え元通りに組み上げていきます。ドラムレバーをネジ止めし、ポンプにゴム製バルブを組み付け、各部を正確に重ねて
ポンププレート外側から4本のネジを締め込みます。
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各部品を正確な位置にバランス良く組み付けるため、ネジは対角方向の順で均等に締めます。綺麗に洗浄され元通りに組み上げ
終了したキャブレターです。
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キャブレターの取付口(エンジン燃焼室の吸気口)にも汚れが付着しているので、シリンダ内にゴミを落とさないよう布で慎重に
拭き取ります。先にドラムレバーにスロットルワイヤーを引っかけておきます。
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エアクリーナー、キャブレター本体、スロットルワイヤーブラケットを一体に保ったまま、長ねじを通しシリンダーブロックに固定します。
洗剤を使って綺麗にしておいたエアフィルターをセットします。
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燃料供給チューブ(黒)と余剰燃料のリターンチューブ(透明)を接続します。プライミングポンプ(キャップ)を数回押して、燃料が
循環することを確認します。
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エアクリーナ部のキャップを嵌めて、キャブレターの分解整備作業の終了です。
もうキャブレター周りに、油まみれの汚れのこびり付きはありません。
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点火プラグの点検
キャブレターがリフレッシュされたにもかかわらず、エンジンが全くかかりません。この場合、点火プラグの点検は整備作業の
中でも定石です。プラグキャップをはずしレンチを入れてプラグを抜いてみました。
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ここまで酷いとは思いませんでした。先端が黒く汚れているばかりか、湿った感じの付着物が見られます。ワイヤーブラシを
かけた後、細いドライバーを中に差し込んで掻き出してみると・・
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黒い炭化物のような錆のようなものが大量に出てきました。溝の奥まで丁寧に掻き出し、再度ワイヤーブラシをかけてから
ねじ込みました。本来ならこの点火プラグは交換するべきですが、しっかり火花が飛んでいるので再利用します。
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試運転をするもエンジンが相変わらずかかりません。キャブレター内に直接ガソリンを注入
すると何とか始動します。燃料の循環は確認されているので、残るはジェットからガソリンが
噴射されてない(吸い出されてない)可能性です。ダイヤフラム裏側の点検も含めて再度分解
作業を行った後、「ジェットニードルを最後まで締め込んだ」ことを思い出しました。数回転戻した
ところでエンジンを始動させ、一定のスロットルで最も高回転になる位置に調整しました。
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