
以前に修理した三菱製電気掃除機はモーターの整流ブラシを交換しました。
前回とは逆に本体モーターには問題なく、ヘッドに内蔵されているパワー
ブラシが動作しません。電気店に問い合わせたそうですが、修理代が高額に
なるため買い替えを勧められたそうです。購入されてまだ3年未満です。
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東芝の定番商品トルネオ(TORNEO)ミニ、
軽量高性能のサイクロン式掃除機です。
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型式「VC-C3」、東芝の現行製品です。
ホース部分を除く本体質量は2.3kgです。
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動作確認を行います。本体モーターは
強・弱とも正常に回転しています。
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ヘッドに内蔵されているパワーブラシが動作
(回転)しません。お聞きしていた通りです。
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この小さな車輪が床面に接し、中に押し込まれる
ことでパワーブラシが回転しますが、固着しています。
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ヘッド手前の延長ホース端に電源が供給されているか
確認します。手元スイッチを入れると電圧がかかります。
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明らかにヘッド内部に問題があります。
分解して原因を究明し、修理します。
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ヘッド裏側(床面側)の端にメンテ用の
カバーが付いています。簡単に外れます。
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カバーを開けるとモーターからパワーブラシに回転を
伝達するベルトが現れます。埃が集積しやすい部分です。
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ヘッドを構成している上下のカバーを
分離するため、固定ネジを緩めます。
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先にパワーブラシ自体を
ヘッドから取り外しておきます。
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上下カバーは一部爪による篏合が
あるようで、固く噛み合っています。
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塩ビ製の化粧カバーに隠れて
左右に1個ずつ爪がありました。
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ヘッド左端にブラシ回転用の小型モーター、右端に
バランスを取るウェイトが組み込まれています。
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電源供給コードとモーターの間に
簡単な回路基板が入れられています。
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基板上にはノイズキラー用のコンデンサ、裏側に
ON・OFF用のマイクロスイッチが取り付けられています。
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ヘッドが床面から離れていると、小型車輪は外に
出たままで、マイクロスイッチはOFFになります。
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分解の途中で引っ掛かりが取れたのか、小型車輪は
中に入るようになりました。スイッチがONになります。
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車輪が外に出た状態での
ヘッド内側にある爪の位置です。
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車輪が押し込まれた状態での位置です。実際にマイクロ
スイッチを動作させるのは、写真上方にある別の爪です。
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修理作業をしやすくするためにも内部を一度清掃します。
集積している塵や埃は掃除機で簡単に取り除けます。
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おそらく水分を含んだゴミも通過しているのでしょう。
内部全面にこびり付いた汚れが残っています。
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ブラシを使って水洗いする必要があります。
濡れると支障のある部品は取り外しておきます。
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油分を含んでいるのか水洗いでも落ちない
汚れがあります。中性洗剤を使用します。
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固着していた汚れも完全にこそぎ落しました。
パワーブラシ軸受部の収まりも改善されるでしょう。
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ヘッド下側(床面側)カバーの上面です。通過するゴミに常に晒されている
下面に比べ汚れの程度は小さく、ほとんどが吹き込んだ軽い埃です。
ここでいったんヘッドを組み上げて動作確認をするも、パワーブラシの
動作が非常に不安定です。モーターが確実にON・OFFされていません。
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今回も楽勝の修理とは行かないようです。
このマイクロスイッチに問題があります。
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厳しい環境下(掃除機ヘッドの内部)で使用
されるため、防塵仕様の堅牢な構造です。
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4隅にある小さな篏合に、カッター
ナイフの刃先を入れて僅かに広げます。
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分解と同時に内部の部品が本体から脱落・
落下し、構造が分からなくなることがあります。
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注意深くスイッチ本体を上下に分離
します。幸い部品の落下はありません。
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意外と簡単な構造をしています。スプリングを
兼ねたON・OFF切片が1枚だけです。
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NO(Normal Open)側の接点が
黒く汚れています。研磨しておきます。
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内部に小さな破片が残っています。
切片の一部が破断したものです。
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切片の一部が破断したため、スプリングとしての機能が失なわれ、
内部で切片として自立することができなくなっています。新しい
部品に交換すべきですが時間と費用が必要です。応急的修理と
して、切片の根元をコモン端子に半田付けにより固定します。
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銅合金製の切片自体が弾性に富んでいるので、金属疲労による破断が
起こらない限り当分の間使用できるはずです。NC(Normal Contact)側は
使用されていないので、接触状態を憂慮する必要はないと考えられます。
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切片を修理したマイクロスイッチを
元通りに組み付け、ON・OFFを確認します。
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本体側も全体の清掃、排気口のエアフィルターを
交換し、再度動作確認を行って納品します。
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