昨年9月3日にアップした「全自動ドラム式洗濯乾燥機の現実」の続編です。その後、
しばらく本来の性能が続いていましたが、半年ほど経過した頃から、以前と同様の
不具合が出るようになりました。洗濯終了時間が近付くと、洗濯時間の延長が何度も
繰り返され、例えば2時間半程度の洗濯時間が4時間近くもかかります。後半の乾燥
工程に異常に長い時間を要するのです。今回は分解範囲を広げ不具合を解消します。
お断り:その後、奥さんは取扱説明書にあるお手入れ手順を完全に守ってきました。
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2013年発売の日立製ドラム式
洗濯乾燥機、BD-V9600です。
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本格的な分解整備を行うため、設置場所
から手前のスペースへ引き出します。
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大きく移動させるため、排水口から排水
ホースを引き抜かなければなりません。
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本格的な分解に備え、工具箱や
電動ドライバーを持ち込んでいます。
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上部化粧カバーを取り外します。化粧
シールの下に固定ネジがあります。
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左右の固定ネジを緩めます。電動
ドライバーを積極的に使用します。
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前後パネルの接合部隠蔽と、洗剤
などを置くトレイの機能を備えています。
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背面側上部を覆うカバーを取り外します。
深い溝の底に3本のネジがあります。
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カバーを上に引き上げます。
前回の分解はここまででした。
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本体前面の大パネルの
取り外しにかかります。
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乾燥フィルターと洗剤
ケースを引き抜きます。
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右側にだけもう1本ネジがあります。が、
これは電源ボタンパネルの固定ネジでした。
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前回も試みましたが、前面パネルの
取り外し方が分かりませんでした。
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左右のコーナーを覆うカバーに
僅かな隙間が見られます。
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カバーを上方に引き上げると、ツメによる篏合が解けあっけなく外れてきます。
これだけの大型家電製品も、巧妙な篏合により組み上げられています。
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反対左側のコーナーカバーも
同様に取り外します。
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コーナーカバーを固定しているツメです。
複雑な形状の中に巧みに作り込まれています。
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ドアを取り外します。重量があるので
強固にボルト固定されています。
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取り付け作業のしやすさを考慮し
一時的にドアを吊るフックがあります。
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次に本体前面下部の
スカートを取り外します。
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スカート下部の目立たない箇所に
固定ネジが打たれています。
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左右のネジを緩めてから
手前に強めに引きます。
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本体前面パネルを外すには、先に
スカートを外しておく必要があります。
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前面パネルは左右4本の
ネジで固定されています。
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投入口の周囲にも8本の固定
ネジがあります。全て緩めます。
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可能ならばドラム(洗濯・脱水槽)
周囲の状況も点検したいところです。
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本体前面の大パネルが外れてきます。優美な
外形もこのような部品で構成されています。
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ドア電磁ロック機構と開閉
センサーへの配線を抜きます。
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配線と並行して何やら紐のような
ものがロック機構から出ています。
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機能は不明ですが、底部フレームにテープ固定
されている部分を剥がし、上側に付けておきます。
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左右の固定ネジを緩めると、上部
フレーム(金属製)が外れてきます。
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その前に、ドラムと上部フレームの投入口を連結
するドアパッキンを取り外さなければなりません。
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ドアパッキンはスプリング付きワイヤーにより、
ベロの部分が投入口の縁折りに沿って密着します。
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スプリングを緩め、パッキンを傷付け
ないようワイヤーを取り外します。
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パッキンを破損しないよう
丁寧に投入口から外します。
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ドラムが姿を現しました。実際には内側のドラムと、その外側を覆うコンテナから構成されて
います。両者の隙間部分の状態が心配ですが、確認するには周囲のボルトを緩め手前の
キャップ部分を外さなければなりません。コンテナは上下で数本のスプリング(サスペンション)
により支えられており、不用意に分解するとサスペンションの釣り合いバランスを崩してしまう
可能性があります。外観的に深刻な問題がなさそうなので、これ以上の分解は見合わせます。
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本体前面パネルが外れたことで右上部の
温風循環路にアクセスすることができます。
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ブロア吹き出し口から、温風を
ドラム内へ導くエルボを外します。
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エルボの管内に特に汚れは
ありません。綺麗なものです。
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エルボとドラム入り口を連結する
ゴム製フレキシブルダクトです。
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ドラムの温風取り入れ口から内部を
点検します。ここも特に汚れていません。
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反対側、温風の吹き出し口から内部を確認します。
金属メッシュに埃がこびり付いているのが分かります。
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前面からのアプローチに区切りをつけ
背面側から温風循環路を分解します。
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ここは前回も分解した範囲内です。前回ほどでは
ありませんが、1年弱で既に埃の集積があります。
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前回は針金を伸ばして埃を回収したダクトの
奥底も、分解して直接点検・補修します。
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金属製の背面カバーを取り外します。やはり、
従来の縦型洗濯機とは構造が大幅に異なります。
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背面カバーは下部3分の2を占める大型カバーと、
上部3分の1程度の小型カバーに分かれます。
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本体背面を垂直に降りる循環ダクトは
上部小型カバーにネジ固定されています。
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上下の背面カバーが外れ、ダクト
全体を確認することが出来ます。
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ダクトを伝うハーネスを外します。ダクト表面に
ケーブル固定用のフックが成型されています。
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循環ダクトに洗濯水を流入させるチューブが
接続されています。機能不明のまま引き抜きます。
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脱落防止クリップの仕様からして空気チューブでは
ありません。何故ダクト内に注水するのでしょう?
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計3本のチューブを引き抜きます。残念ながら
チューブの機能を調べ上げる時間がありません。
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洗濯機のほぼ底面近くに、ダクトと並行するホースが
あります。ダクトに引き寄せているタイラップを外します。
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ダクトの垂直方向中間のあたりに
もう1本チューブが接続されています。
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並行するホースは、その上でダクトから分岐している
ものです。前回の針金ではとても届かない部分です。
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分岐部の固定ネジを緩めエルボを引き抜くと・・・、前回味わった衝撃の再来です。
分岐部の周囲およびエルボの内部は、湿って固まった埃でほぼ全閉状態です。
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元は衣類から出た埃が集積したものです。
乾燥用の温風が通過できるわけがありません。
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ダクト最下部は太いフレキシブルダクトでドラムに
接続されています。やはり洗濯水も通過するようです。
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ダクトの途中に、水流もしくは水位を検知する
のでしょうか、センサーが取り付けられています。
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ダクトから分岐した先の、エルボと
ホースを分離します。タイラップを切ります。
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隙間にドライバーを差し入れ
接着を引き剥がします。
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引き抜いてみると、エルボやホースの内側
壁面に、埃が薄皮状に張り付いています。
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集積し水を吸って固まった埃もさることながら、同時にカビが黒く成長した跡も多く見られ
ます。取り外した部品を全て浴室に運び込み、洗剤を使用して徹底的に水洗いします。
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ダクトは接着合体されているので、ここでも針金を
使い奥に引っ掛かっている汚れを掻き出します。
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最後にカビ取り洗剤を内部に流し込み、
残っているカビ菌を完全に排除します。
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しばらく放置した後、シャワーで水流を
送り込み汚れや洗剤を洗い流します。
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分岐したホースの内部を覗いています。
壁面に奥まで汚れが張り付いています。
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前回も使用した洗濯機に付属のノズル
です。ホースの内部を吸い取ります。
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さらに奥が詰まっている可能性は低いと思い
ます。ホースの行先は排水口に続いています。
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背面側循環ダクトのメンテを終え、
再び前面側の温風循環路に戻ります。
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金属メッシュ表面の埃は、ノズルを当てても
取り除けません。温風ブロアユニットを分解します。
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上部金属製ステーとの固定ネジを緩めると、何とか
ユニットごと背面側に引き抜くことが出来ます。
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本体右肩部分の空間に合わせ
実に巧みに形状設計されています。
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周囲を取り囲む固定ネジをひたすら緩め、ユニットを
上下に分離させます。SF映画の宇宙船のような・・。
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上側筐体に薄型のターボファンが取り
付けられ、他の大部分は導風路です。
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上部筐体の導風路端に、外側から見えて
いた金属メッシュが取り付けられています。
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金属メッシュを取り外すと、その下は
温風(熱風)を作り出すヒーターです。
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金属メッシュもヒーターも埃がこびり付いており、熱変換効率が
低下していた可能性があります。掃除機で完全に吸い取ります。
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ユニット内部を全面的に掃除します。これで
背面側ダクトを含む循環路全体に手が入りました。
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ここまで分解してしまった洗濯機を
元通りに組み上げなければなりません。
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組み立て途中で気付きましたが、上部循環路の奥は
横方向から取り外し可能なカバーが付いています。
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前面から吸い込みノズルを差し込み、定期的に埃を
取り除かなければならい部分に簡単に手が届きます。
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山ほどのネジをひたすら締め付け、ようやく元の状態に戻りました。
ネジの締め忘れ、ケーブルの接続し忘れなど、皆無のつもりですが。
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乾燥フィルターの取り付け口から内部を覗くと、埃が完全に
取れています。ノズルによるお手入れでは不可能でしょう。
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試運転にかかります、とはいえ乾燥まで含めると
通常の洗濯量でも2時間半程度かかります。
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問題は2時間半の洗濯時間が、悪くすると倍以上にも延びていたことです。あのダクトの
詰まりからすると当然の結果でしょう。特に、猛烈に電力を消費する乾燥工程で時間が
延びるので、月の光熱費を跳ね上げます。温風が循環できないため、ヒーターが発生する
熱が洗濯機内部に蓄積し、そういえば洗濯中に洗濯機全体が熱くなっていたことを思い
出します。繰り返し申し上げますが、前回のメンテ以降、奥さんは取扱説明書にある日常の
お手入れ・定期的なお手入れ・警告表示によるお手入れを、全て必要以上に確実に実行
してきました。結論、取扱説明書の指示は適切ではありません。指示通りに間違いなく
使用しても、想定範囲外で製品保障の対象となる故障などではなく、そうなるよう設計
されていたように埃が集積して不具合を引き起こす・・、これが最新家電の現実です。
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