
洗濯機の蓋が壊れたと連絡をいただきました。滅多に壊れる
ものではありませんが、取り急ぎ状態を確認しに伺います。
ランドリー室に衣類乾燥機とセットで設置されている1台です。
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上蓋の奥の方が部分的に欠けています。そこから
手前方向にかけて、大きくひびが成長しています。
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上蓋は既に脱落しています。
ヒンジが機能していません。
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幸いなことに職員の方が、欠け落ちた
破片を保管しておいて下さいました。
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破断面が一致します。脱落
した破片に間違いありません。
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ヒンジの中心的部分で、開閉の度に相当の荷重が加わります。
繰り返される荷重により、徐々に破壊が進行していたようです。
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ヒンジ部分をロックする
ピンが残っています。
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ヒンジを嵌め込んでから挿入される
ものなので、いったん抜き取ります。
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軽く力を加えひびを広げて
その範囲を確認します。
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破断面が元通り完全に
一致する位置に戻します。
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欠け落ちた破片も破断面を
当てて元の位置を確認します。
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ABS樹脂なのでアクリル用接着剤
(二塩化メチレン溶液)を使用します。
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先に大きくひびが成長した部分を修復します。
表側を汚損しないよう裏側から接着剤を入れます。
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ヒンジ部分の破片修復には十分な
強度を与えなければなりません。
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裏側・表側の両方からやや
多めに接着剤を入れます。
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圧着すると溶融した破断面の樹脂がはみ出して
きます。破断面どうしが融着し合っている結果です。
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破断面が細かく壊れている部分は、どうしても隙間が残ります。
接着剤により融着した樹脂が固化するのを待ち、瞬間接着剤を補います。
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接着が完了するまでの間、上蓋
全体を清掃(水洗い)します。
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開閉補助バネを組み込み、ヒンジを
合わせてロックピンを差し込みます。
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洗濯中は蓋をロックする機構なので、正確に作業する必要が
あります。元通りスムーズに開閉します。修復完了です。
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メーカーで修理を受けると上蓋全体の部品交換となり、相当の
金額になるでしょう。守谷工房にご依頼いただいて光栄です。
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