ご依頼主もダメモトで問い合わせて下さったようです。既に新しい電子レンジを購入し
使用されています。新しいものは出力500Wの小型で、以前に使用していた中型
900Wのものがやはり便利とのことです。また使えるようになると嬉しい・・そうです。
|
SHARP製RE-SV27-H、2004年8月の発売
です。900Wを出力するために1400Wを消費します。
|
現在もネットから取扱説明書を
ダウンロードすることができます。
|
使用中に「バチッ」という音がして、それ
以来うんともすんともいわないそうです。
|
外側の金属カバーを外して各部分をざっと
確認します。特に損傷は見当たりません。
|
一度ドアを開いて閉じるとLCDに「0」が現れ、制御系が
スタンバイ状態になります(誤操作防止対策でしょう)。
|
「あたためスタート」ボタンを押してみます。間もなく
エラーコード「U01」が表示され停止してしまいます。
|
エラーコードが表示されるケースは状況として悪くありません。SHARPのWEBサイトに
故障診断ナビがあります。庫内に丸皿をセットしないと、重量センサーにより検知されて
「U01」が表示されます。もしくは重量センサーの再調整を要求しています。実際、丸皿が
セットされていません・・ということは、特に故障などしていないということでしょうか。
|
重量センサーの再調整には、まず「とりけし」ボタンを押し
ます。しかし全く反応しません。ボタンに不具合があります。
|
「とりけし」ボタンが機能しないとは、かなり深刻な
状況です。同時に、ありがちな故障でもあります。
|
「バチッ」という音は、食品と一緒に何か金属が紛れ
込み、瞬間的に高圧電流が生じたためでしょう。
|
操作パネルに組み込まれているスイッチを
修理するため、操作部をひたすら分解します。
|
WEB記事にするため写真を撮影しているので、
コネクタ類は躊躇なく引き抜いてしまいます。
|
操作スイッチとLCD表示の制御基板を取り外します。
基板の裏側がスイッチの接点部になっているはずです。
|
その前に、LCDに信号を送るフラット
ケーブルをコネクタから引き抜きます。
|
基板を引き上げてみると・・、
何とスイッチ部がありません。
|
樹脂成型されたスイッチパネル部のカバーです。LCDへの配線がスリットを
通り表側に出ています。スイッチ部は樹脂製パネルの表側にあるようです。
|
表側に張り付けられているフィルムシートです。
この下にスイッチが組み込まれているはずです。
|
僅かでもフィルムを折ると、傷が残り外観を著しく損ないます。
両面テープの粘着力に逆らいながら徐々に剥がします。
|
フィルム側にスイッチの接点があります。
樹脂パネル側は導電性プレートです。
|
「とりけし」のスイッチを短絡しているプレートを
探します。導通不良を起こしているはずです。
|
カーボンペンで導電性プレートを修復します。
テレビやエアコンのリモコン修理と同じ要領です。
|
ついでに他にも動作の怪しいボタンを
いくつか修復しておきます。
|
フィルムシートを元に戻し、操作部パネルを元通りに組み上げます。
「とりけし」ボタンをはじめ、全ての操作ボタンが確実に反応します。
|
故障発生以来、長く放置されていたこともあり全体的に
汚れています。食品のカスなども一緒にクリーニングします。
|
ハンドル部のメッキ光沢が蘇ると、もはや廃棄
寸前の老朽品ではありません。現役復帰です。
|
|
|