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ノートPCクーリングファン清掃(2018.2.21)


15.6インチLED液晶ディスプレイを装備した、Corei7搭載のパワフルな
ノートPC、東芝ダイナブックです。程度の良い中古品を購入されたそうで、
最近になり冷却ファンのエラーメッセージ(過熱)が出るとのことです。

 

冷却ファン周りに埃がたまり効率が低下していると考えられ
ます。ご自身で排気口から埃を吸い出したこともあるそうです。

 

本体裏カバーを開けて清掃するには不安があり、
工房に依頼下さいました。T552/58FWMです。

 

2012年製、8GBのメモリに1TBのHDD、
型番末尾のMは特別仕様のようです。
 

バッテリーパックを外します。公称5.2時間の
駆動時間を誇るリチウムイオンバッテリーです。

 

HDDユニットやメモリのアクセスカバーを外します。
交換や増設がしやすいよう固定ネジは1本です。

 

5400rpm・SerialATA対応のHDD、PC3-12800
(DDR3-1600)SDRAMはデュアルチャネル対応です 。

 

裏カバーの取り外しにかかります。周囲のネジから順に
緩めます。ゴム足やシール内の隠しネジはないようです。

 

アクセスカバーの内側にも数本の
ネジがあります。全て緩めます。

 

HDDユニットを外すのを忘れていました。
いずれSSDへの換装をお勧めします。

 

ネジを緩めるだけでカバーが外れてくることは
稀です。さらに突起や爪による篏合を解除します。

 

組み立て時にカバーを嵌め込む工程は「パチン」の一瞬でしょう。しかし、逆の分解は
何か所もの篏合を少しずつ解除するしかなく、少しでも無理をするとカバーの周囲や
爪を破損してしまうので、カバーの作業浮き具合を確認しながら根気よく慎重にします。

 

バッテリーパックの電極端子周囲も複雑な篏合
構造です。ドライバーの先で爪の位置を探ります。

 

それでもノートPCの中では比較的
簡単な構造です。何とか開きました。

 

裏カバーの内側表面は、電磁波対策のため
でしょうか、金属コーティングされています。

 

ひと昔前のノートPCに比べると、基板の締める面積が
劇的に減少しています。右下に冷却ファンが見えます。

 

冷却ファンの右側にヒートシンク、ヒートシンクから左上のCPUへ熱を導く
ヒートパイプが延びています。ファンの羽根に埃が張り付いています。

 

このノートPCは裏カバーを開けることで直接
冷却ファンにアクセスできるので助かります。

 

冷却空気の通り道ではない反対側に埃の塊が
あります。どのようにして紛れ込んだのか疑問です。

 

冷却ファンを取り外します。ネジ2本による
簡単な固定です。同時にケーブルも抜きます。

 

持ち上げると、冷却空気の吹き出し口部分
にもこのような埃の塊ができています。

 

ファンの回転がスムーズでなかったり、べアリングに
劣化があれば交換ですが、その必要はなさそうです。

 

吹き出し口から中を点検します。羽根の
表面に埃が一様に張り付いています。

 

掃除機の先にブラシを取り付け、毛先を中に
入れて羽根表面の埃や汚れを丁寧に落とします。

 

掃除機による吸引だけでほぼ
汚れが落ちて綺麗になりました。

 

吹き出し口から覗いても、羽根表面の
汚れがほとんど落ちていることが分かります。

 

可能ならばファン回転軸受をグリスアップしたい
ところですが、シール側ではないので諦めます。

 

冷却効率の低下およびエラーメッセージ表示の原因は、ファン側の埃や汚れも
さることながら、むしろこちらではないかと思われます。ヒートシンク内の熱交換用
フィンに埃がまとわりつき、スリットが詰まりかけています。ヒートシンク内のメンテは
一般ユーザーの手の及ぶ範囲外です。予定されていたトラブルと言えましょう。

 

難しい作業ではありませんが、ここまで分解
出来るのであれば清掃は簡単なものです。

 

分解せずに排気口の外側から掃除機で吸引する
だけでは、この部分に蓄積した埃は取り切れません。

 

熱交換用フィンの薄い金属板が作るスリットを通して、向こう側が良く見えます。
ヒートシンクは常にこの状態が保たれないと、本来の性能を発揮できません。

 

冷却ファンを元通りに組み付けます。メーカーの
修理では冷却ファンを交換されているでしょう。

 

このノートPC専用に設計されたユニットなので
汎用品は流用できず、高額な費用になるでしょう。

 

本体裏カバーを元に戻しバッテリーパックを装着して動作確認を行います。
YouTubeのBGM動画を1昼夜連続で再生し、機能・動作に何ら支障が
なくエラーメッセージも表示されませんでした。ご依頼主様にお返しします。

 
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