液晶プロジェクタが点灯しないそうです。「ランプが切れているのでは(ご依頼主)」・・、
「多分そうでしょうね(守谷工房)」。ランプの交換作業はどなたでも簡単に出来ます。
工房にご依頼いただいても、費用ともご自身で交換されるのと何も変わりませんが・・。
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キャリングケースから
本体を取り出します。
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肩掛け式のキャリングケースが
必要になるほどの大きさです。
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最近の超小型・短焦点モデルに比べると
旧式感の漂うEPSON社の製品です。
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EMP-82、2005年発売の
ビジネスプロジェクターです。
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底面の型番シールも確認します。
問題は交換用ランプの在庫と価格です。
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EPSONの製品紹介ページに、消耗品として交換用
ランプの記載があります。何と税別40000円です。
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もちろんネット通販でははるかに低価格ですが、それでも
20000円前後もします。取りあえず動作確認をします。
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電源ボタンを押すと、電源表示の
LEDがいったん緑色に点灯します。
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しかし、しばらくするとLEDの
表示色が緑から赤に変わります。
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下にあるランプ表示のLEDが点滅しています。さらに、内部
から定期的に「ジジッジジッジ」という放電音が聞こえます。
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ランプ表示LEDの点滅は、ランプに
不具合がある場合の警告です。
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ランプには寿命(約000時間程度)があるので、ほぼ
ランプ切れに間違いありません。ランプカバーを外します。
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使用者が自分でランプ交換できるよう、ランプはユニット化され
本体内へ簡単に脱着できるよう構造が工夫されています。
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ランプユニットの固定ネジを緩めます。
内部の左右2か所で固定されています。
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ランプユニットを引き抜きます。電源への
接続コネクタも同時に抜けてきます。
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ランプは周囲のハウジングやコネクタを含むユニットとして構成されています。ランプを入念に
点検します・・が、壊れている様子がありません。ガラス面にヒビなども見られません。
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ランプが破損すると、本体内にガラスの破片が
散乱しているはずですが、それもありません。
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ランプユニットを裏返して、ランプの
背面部分も点検します。すると、
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原因が判明しました。ランプの中心から出ている電極の1本が、切れています。
ランプの放つ高熱に対応するため、手前のコードとの接続は金属管による圧着
です。電極の硬いワイヤーは、タングステン製あたりではないかと思われます。
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「ジジジッ」音の原因は、金属管と電極が近接した際に、
ランプに加える高電圧により放電が起こるためでしょう。
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放電を物語るように、電極の先端が電蝕により
細く尖っています。酸化物を削り落とします。
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一度圧着された金属管は再利用でき
ないので、コードの根元で切り離します。
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配線に使用されているコードも、2重に
耐熱材で被覆された高耐熱コードです。
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2重の被覆を数mm除去し、
内部の芯線を取り出します。
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電極との接続用に新しい金属管を用意
します。撚りワイヤー連結用の金属管です。
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先にコードの芯線を金属管に通します。
半田付けが通用しない領域です。
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芯線を挟んだ状態で、圧着ペンチにより
金属管を強く潰します、ぶっ潰します。
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強く固定されていることを確認し、次に
ランプの電極側を金属管に通します。
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細い電極を挟み込んでいる部分を
狙い、集中的に金属管を潰します。
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まだランプが切れていなければ、これで復活するはずです。
ランプ交換の10分の1以下の費用でお返しできます。
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ランプユニットを本体内に戻します。高温に
なる部分なので正確に組み付けます。
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電源ボタンを押してみます。
緑色の表示が維持されます。
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プロジェクターが復活しました。ランプ寿命の前に電極の接続が切れるとは・・、取扱説明書
にも記載のない想定外のトラブルです。電極の接続を修復するだけで問題は解決するのに、
下手にメーカーに依頼するとランプユニット全体の交換となり、その分の費用を請求されるで
しょう。ネットでよく調べると、ユニットではなくランプのみ販売(~10000円)しているショップが
あります。ただし、交換には多少の技術が必要なので、その際は守谷工房へご依頼下さい。
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