何の手入れもせず長年使ってきた剪定鋏です。自宅裏山に笹が茂り朝方に
日光が遮られて室温が上がらず、この剪定鋏を手に刈り込みに出かけました。
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切れ味が落ちているどころではありません。
枯れて木竹化した笹の茎には「刃」が立ちません。
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力尽くで刈り込んできたものの、
引き換えに酷い筋肉痛です。
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刃先を正面にかざすと、刃先ではなく「刃先面」が見えます。剪定鋏を瞬間的に強く閉じることで、
衝撃により笹が剪断され何とか刈り込めるわけです。この刃先では笹に切り込んで行けません。
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こういうことなのだろうと思います。金属の
シャーリングのような切れ方をしています。
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刃先が鋭利であれば、材料中に
切れ込むことで切断抵抗が低減します。
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膝元にある道具の手入れを全く怠っておりました。
野良用の刃物には荒い鎌砥石を使用しますが、
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今は高性能のダイヤモンド砥石があります。
先に150番の面で錆落としから始めます。
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自宅での作業なので、万力をはじめ固定具が何もあり
ません。キッチンシンクに手で押さえ付けて作業します。
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木製取手が長いため、砥石を固定して剪定鋏を前後
させることが出来ません。砥石を持って動かします。
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みるみる錆が落ちて地金の
金属光沢が見えてきます。
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先端までほぼ錆が落ちました。さらに研ぎ
進めて刃先を作らなければなりません。
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150番では研ぎが荒すぎて刃返りが残りません。手触りや
目視により、刃先面が解消して刃先になっていることを確認します
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切れ味を出すため反対側の
600番に持ち替えます。
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600番で新たに研ぐのではなく、
150番の傷を消すつもりで研ぎます。
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刃裏の状態もよろしくありません。刃先の錆を
落とし地金の光沢が見える状態にします。
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刃裏は中ほどが軽く抉られているので、刃先と
背側に砥石を渡し平面を保った状態で研磨します。
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切れ味を上げるには1000番の中砥石で仕上げたいところですが、
この時点で既に以前とは比べようがない切れ味に到達しています。
裏山の笹はまだ残っており、当分乱暴な作業が続きそうなので
この状態で前線に復帰させます。錆止めを吹いて作業終了です。
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