工房のご近所から、子供さんが使う電動シャープナー(鉛筆削り器)修理のご依頼です。
お預かりした瞬間、50年以上もタイムスリップした感覚が漂います。小学生の頃、毎日
お世話になったことを思い出します・・、ただし、当時は電動ではなく手回しでしたが。
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不具合は、鉛筆の先が尖らなくなった
そうです。試しに1本削ってみます。
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削り終わっても、確かに先が尖り
ません。先が丸い(折れた)ままです。
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背面のカバーを外しにかかります。固定ネジは三角溝の
特殊ネジです。子供が不用意に開けられない配慮でしょう。
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特殊ドライバービットセットの
出番です。2本のネジを緩めます。
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背面カバーが外れました。独立した
切削機構が内部に組み込まれています。
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切削機構部は3本のネジ(普通の
+溝)で内部に固定されています。
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切削機構部を取り出します。安全優先の設計の
ため、分解しないと切削刃にアクセス出来ません。
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切削刃(スパイラルブレード)が
見えてきました。懐かしいです。
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スパイラルブレードの先端部分です。この辺りで鉛筆の
芯先が細く鋭く削られるのですが、削り屑が詰まっています。
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それも、かなりきつく大量に詰まっています。芯先が尖らないのは
この削り屑に阻まれて、ブレードの先端に到達しないことが原因です。
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ピンセットでひたすら掻き出します。解放
された削り屑が大きく膨張してきます。
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半回転させると、反対側の先端にも
削り屑が詰まっています。取り除きます。
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切削機構部をカバー内に戻し、再度試し削りしてみます。先端まで「シャープ」に
削れました。ブレードの切れ味低下や刃の欠損が原因ではないので、部品交換の
必要もなく、従って余分な費用もかからず、比較的簡単な作業で修理できました。
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毎日鉛筆を削るので、カーボンが付着して
表面が黒く汚れています。綺麗にします。
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鉛筆の差し込み口です。普段は蓋がスライドして差し
込み口を覆っています。周囲がカーボンだらけです。
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樹脂用コンパウンドで全体をクリーニングします。専用コンパウンドは
汚れを落とすと同時に、表面のくすみを除き光沢を復活させます。
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隅々まで明るさが戻りました。切れ味の蘇ったシャープナーで
気持ち良く鉛筆を削り、一生懸命勉強なさってください。ここまで
所要時間約1時間、ご近所なのですぐに納品に伺います。
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