不動産管理会社から、マンションのキッチンに備え付けられているディスポーザー
不具合の連絡がありました。既に製造会社にも連絡されたそうで、使用年数のみ
の判断で修理費用3万円、点検に来るだけで1万円程度かかるとの回答です。
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万一、製品寿命や修理不能の場合、交換費用と本体価格を合わせると10万円を
超える製品です。環境汚染への影響が憂慮されるも高額な装置です。シンクの
下を覗き込み本体の全貌を把握します。テラル社製、アクラルシリーズの少人数
家庭用、低容量のタイプです。工房にとってディスポーザーは初めての修理です。
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動作確認してみます。回転を始めると本体から異常な振動が
発生します。振動はシンクに伝わり、全体が大きな音を立てます。
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高速で回転するディスクの上に2枚の粉砕刃が取り付けられて
おり、各々自在に回転します。が、その一方が固着しています。
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投入口からの作業では不具合個所に十分アクセス
出来そうにありません。本体を取り外すことにします。
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ディスポーザーへの給水バルブおよび
給水栓へのバルブを全て締め切ります。
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本体手前に固定されている
制御ボックスを取り外します。
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本体は、防振を兼ねたゴム製ジョイントを介して
投入口(シンク排水口)に接続されています。
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本体を降ろすと同時に排水パイプも抜きます。パイプ
接続部に貼られているシールは「開封厳禁」、だそうです。
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制御ボックスを開けると制御基板が内蔵されています。
接続されているケーブルを全てコネクタごと抜きます。
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これで本体が解放され、シンク内に
場所を移してじっくりと作業します。
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大きく上下に分割された鋳物製の筐体が
6本のボルトで強固に合体されています。
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粉砕刃は間近に見えていますが、筐体を分解しないと
投入口の面積は取り外す前と変わりありません。
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ボックスレンチを使用してボルトを全て緩めます。
筐体表面の硬い塗装が一部剥がれ手に刺さります。
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この2枚の粉砕刃が、高速回転するディスク上で共に回転し、周囲に規則正しく
刻まれた溝との間に残渣を挟み込み、遠心力と衝撃で粉砕する機構です。1枚は
軽く回転しますが、もう1枚は強烈に固着しており手で押してもびくともしません。
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玄能で叩いてみます。あっけなく固着が解けました。よほど
固着性の高い油分のようなもので張り付いていたようです。
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固着は解けたものの回転がスムーズではありません。
摺動面に残る固着物を丁寧に削り落とします。
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ディスクの下はブラシレスモーターがあるだけで、
モーターは正常に回転しており他に問題はなさそうです。
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本体をお預かりすることは迷惑になるので避けたいもの
です。いったん元通りに組み上げて動作を確認します。
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ディスポーザーは投入口に蓋を嵌め込み、蓋を45度ほどひねると
粉砕シーケンスが開始されます。写真はディスクが十分回転した後、
蓋を外して惰性で回っている状態を撮影しています。問題は解決しました。
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最終的な動作試験として、ご依頼主様から
バナナの皮をいただいて投入してみます。
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問題なく処理されました。ところで、蓋を外すとディスクの
回転にブレーキがかかる機能があって欲しいものです。
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